昨日リリースされたNative InstrumentsのiPadアプリTraktor DJ。タッチスクリーンでの操作によって2デッキを使ったDJミックスをすることができるTraktor ProのiPadバージョン。iPadでDJプレー行うためだけでなく、本家DJソフトウェアTraktor ProでDJプレーを行うための準備(キューポイント、ループ、ビートグリッドの設定)をすることも可能で、Dropboxを経由することでトラックの情報の共有がとれる仕組みになっています。初心者からプロフェッショナルまでが楽しめるアプリ、手軽でありながらも直感的でクリエイティブな操作が可能で、iPadでDJを行うために作られた革新的なアプリともいえる内容です。では、詳しく見てみることにしましょう。

Freeze Mode

TraktorPro 2.6から新機能となったFluxモードが進化した形ともいえるFreeze Modeは、Traktor DJのまさにハイライトでしょう。Traktor Proでは味わうことの出来ないiPadならではの楽しみを味わうことができます。デッキの左側にある結晶の形をしたスイッチをオンにするとFreezeModeが起動し、トラックは自動的にスライスされ、波形をさわることで各スライスを演奏することができます。Deck AとDeck B のテンポ同期ができていればFreeze Modeでさわった波形はもちろんテンポに同期します。ループモードに入っている場合であればスライスを指で押さえたままにするとそのスライスが繰り返し再生されドリルンビードのような音になったり、指を離すと本来再生していた位置に戻ってループ内が再生され続ける仕組み。ブレイクビーツのようなリミックストラックを作ることが出来るエキサイティングな機能。プレイボタンをオフにして、Deck AとDeckBの両方をFreeze Modeにして演奏してみるのもまた楽しいです。クオンタイズ値の変更は初期設定ページで可能。

デッキ左側にある結晶のようなアイコンを押すとフリーズモードが起動する

 

 

DropBoxを使ったTraktor Proとの同期

Traktor Proのユーザーにとっての嬉しい機能。デジタルDJにとってキューポイントの設定やビートグリッドの設定はとても重要な準備作業で、これからは電車に乗っている間や、旅行中でもこの作業を行うことが出来るようになります。初期設定のDropBoxページからこの同期をスタートさせ、スイッチを押すだけで自動的にCollection Metadata(.MNLファイル)の共有がされることになります。またTraktor Proで設定したデータも同様にTraktor DJに送ることができます。DropBoxのアカウント取得はTraktor Proの初期設定画面Metadata Sync欄より進めていくことができ、DropBox容量2Gの場合はフリー。おそらくTraktor用であるのならばこれで十分でしょう。DropBoxってこんなに便利なんだ、、と初めて実感。

TraktorDJのDropbox同期画面

 

エフェクター

デッキの右側FXボタンを押すとエフェクターが3種類、EQボタンを押すとEQ&フィルターがデッキ上にスライド表示される。同時に両方を使用することも可能。エフェクターはDelay、Reverb、Gater、Flanger、BeatMasher2、Digital LoFi、LP Filter、HP Filterの8種類からの選択ができる。カオスパッド式のX-Y軸コントローラ使い勝手がよく、便利なロック機能もついています。イコライザーは3バンド式でフェーダーの大きさは十分ではありますが、瞬時にパラメーターを初期値に戻すことができる機能が付けばより良いのですが。しかしこのDigital Lofiの音はどうなんでしょうか。ただのノイズ?

デッキ左下はエフェクターのX-Yパッド、デッキ右側にはEQ

 

コントローラ & オーディオインターフェイス

試聴、キュー、または次にかけるトラックの設定は、各デッキでモニタリングが可能。NI Traktor 6やTraktor 10などのようなCore Audio対応のオーディオインターフェイスを利用すればTraktorPro同様の環境を作ることができます。しかしiPadのヘッドフォン端子を使う場合にはモノアウトプットが左右に振り分けられるヘッドフォン・スプリッタ・ケーブルを使用する形になるので、スピーカーから出るマスターアウトの音はモノになってしまいこれはあまりスマートな話にはきこえません。本格的にDJをするのであれば、それなりのオーディオインターフェイスが必要ということでしょう。

また現段階ではMIDIコントローラの使用はサポートされておらず、NIのTraktorコントローラも同様にサポート外。しかし今後もしコントローラの使用が可能になれば、このTraktor DJの楽しみはさらに大きくなるはずに違いないでしょう。全く無理な話ではないと思うのですがどうなんでしょう。個人的にはクロスフェーダーの付いたコントローラが欲しいかも。

 

Browser

Traktor DJでプレーできるトラックはiPadのiTunesライブラリーから選択することになり、iTunes Storeで購入したトラックもすんなりと読み込めます。Traktor ProとTraktor DJを兼用する場合には、すべてのライブラリーをコンピューターからiPadにコピーしなければいけなくなるので、容量の大きなiPadを愛おしく思ってしまうかも。

またTraktor DJのブラウザーにはRecommended Tracksというお勧めトラックが表示されます。プレー中のトラックのBPMやキーの近いトラックが表示され次にプレーする曲を選ぶ際の助けとなるでしょう。Traktor Proバージョン2.6.1同様に、トラックのキーは自動検出(keyDetection) され表示されます。

 

Notification Center

スワイプやピンチといった指のジェスチャーを利用してコントロールしていくことのできるTraktor DJ、でも最初はどのようにループを設定したらいいのか、どのように波形を拡大したらいいのか操作方法に迷ってしまうことが多々。そのためのガイドがイラスト付きで分かりやすく表示されています。(残念ながら英語のみ)

 

まとめ

通常のDJプレーだけではなくサンプラーとしても利用できるクリエイティブな側面も持ちあわせており、Native Instrumentsが常に目指しているところの「演奏するためのDJツール」は大きく進化したのではないでしょうか。またiPadならではのDJの可能性も大きく広げたアプリと言っても過言ではないでしょう。

このアプリの安定性に関してもとても感心させられるものがあり、筆者はiPad2を使用、現在までの間にまだ一度もクラッシュを起こしておらず、クラブのようなオーディエンスを前にする環境でも使用できるという広告は全く誇張されたものでないということが理解できます。

とはいってもまだバージョン1.0の段階。今後バージョンアップされ新機能が搭載されていくことも多いに期待できるでしょう。例えば、フル・ミキサーが搭載されることや、デッキのカスタマイズ、前述したようにコントローラの使用、MIDIクロック対応やAudio Bus対応も。iPad2台使うテンポ同期や、Traktor ProとTraktor DJのテンポ同期ができて両方を使ってDJができたりなんかもしたらさらに面白いと思うのですが、皆さんはどう思われますか?

なにはともあれ、iPadでDJをすることが楽しくなるアプリ、ぜひ試してみて。

 

App Storeにて¥1700

Native Instruments

 

 

 

 

 

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2 Responses to Native Instruments Traktor DJ for iPad を試してみた

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