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オーストリアのSubtle Noise Maker がリリースした超マニアックなデスクトップ型のシンセサイザー(エフェクター)Cacophoneator Noir。MusikMesse 2013ではドイツのディストリビューター「Alex4」のコーナーに展示されていて、とても気になっていた物です。

Cacophonator Noir、日本語的に読むと「カコフォネーター・ノアール」となるのでしょうか?あまり聞き慣れない名前が付いているあたりがまず気になるところです。英語辞書を調べてみると、「cacophony」=「不協和音、不快な音調」と出てきます。うむ、、これはやはり怪しい楽器に違いない。

 

本体
やや大型の弁当箱、KORGのMonotribe位の大きさといえばイメージしやすいかと思います。アルミ製の黒色のボディ、とてもしっかりとした作りになっており、重さは1kg。10個のツマミは十分な大きさ。本体中心に並ぶトグルスイッチは現代のシンセサイザーらしくない生々しい印象を持ちます。

さて、ケーブルを接続して音をならしてみようと思ったところで気がつくのは、Cacophonaterのツマミやスイッチには何の文字も記されておらず、二つある端子のどちらがアウトプットの端子なのかがわかりません。唯一記されているのは本体の背面に「Subtle Noise Maker」というメーカーの名前のみ。それならば、マニュアルをみてみることに。なるほど、右側の端子がアウトプットで左側の端子がインプット端子。大きなノブは3つのオシレーター、LFO、フィードバック、モジュレーション。トグルスイッチはAudio on/offのスイッチでLOW/OFF/HIGHの3つに分かれていることが判明。まるで、試作機材をさわっているかのような緊張感を覚えます。

 

音を出してみる

ケーブル接続をしたあとで、本体右脇にあるスイッチを入れるとCacophonatorは音を出し始めます。ここでもまた初めて気がつくことなのですが、Cacophonatorにはトリガースイッチのようなものもなければ、MIDI入力やCV入力もありません。つまり、Cacophonatorは電源を入れると同時に音がなり始め、それも一定した音ではなく、全く不規則なシンセパターンをならすのです。

普通ならばオシレーター 1のノブを回せばオシレーター1 の音量レベルが上がるものだと考えるわけですが、Cacophonatorの場合はそうではなく、これらのノブを回すことによって、3つのオシレーターが互いに干渉し合い、ある時は複雑で、ある時はゆっくりとしたパターン(ノイズ)を作り出すことになるのです。頭で考えたパターンをDAWソフトウェアへに書き込むのとは違い、考えも寄らないパターンやフレーズが飛び出して来るので、とにかく最初は驚かされます。

時には凶暴なノイズサウンドや不協和音を発するCacophonator。大音量でならしてみると気分はさらに高揚するので、近所からの苦情には気をつけた方がいいでしょう(苦笑)。しかしプラグインソフトを使って無理矢理に加工したノイズサウンドとは違い、ある意味、とてもピュアなサウンドです。

 

 

Playing around

新しいシンセサイザーを目の前にすると大概は「フィルターがどこ?」とか「オシレーターが云々」といったところに目が行ってしまうのですが、Cacophonatorを操作する際にはそうは言っていられません。むしろ暴れん坊な動物でも扱うかのような気分で、あれこれとノブやスイッチを操作するスリルを楽しんだ方がいいようです。

その分、いい意味でも悪い意味でもサウンドにはバラつきがあり、もっと落ち着いてくれないかと思ってしまう部分もありあます。やはり遊び始める前からレコーディングを開始しておき、「ここだ!」と思った箇所を後から編集するのがベストな扱い方かもしれません。レコーディングしたファイルにクオンタイズを掛けたり、ピッチを変えたりすることでもいいででしょう。また、インプット端子から音声を入力してノイズエフェクターとして利用しても面白いサウンドることができます。

アグレッシブで実験的なな印象が強いCacophonatordですが、楽器として、とても可愛いチャームポイントが一つあります。パワースイッチをオフにしてから1分程電源が残る仕組みになっているのですが、その間、Cacophonatorのパターンはさらにカオスとなり、音は消えて行くのです。

まとめ
Cacophonator Noirはサーキット・ベンディング・タイプのシンセ(エフェクター)で、とにかくその生々しいノイズサウンドに驚かされます。つまり、普通にベースパターンを作ったり、シンセフレーズを作るためのシンセサイザーとは全く違い、人とは全く違う、本当の意味でのオリジナルな音楽(ほとんどアートに近いことなのかもしれませんが)を作ろうという人にとって刺激となる楽器であるように感じます。また、他の楽器とは全く違う楽器。そんな楽器を作ったメーカーSubtle Noise Maker の、この楽器への愛情もひしひしと伝わってきます。

€337

Subtle Noise Maker

Schneiders Buero

 

 

 

 

 

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