2009年にAbleton Live専用のコントローラとして衝撃的なデビューを飾ったAKAI APC 40。今となっては同様の機能を持つコントローラが多く発売され、やや色褪せて来てしまった感のあるAPC 40 ではありますが、今でもAbleton Liveユーザーにとっての重要な機材の一つとなっています。
その後継機となるAPC 40 mk2 が今月ドイツフランクフルトで開催されるMusikmesse 2014 で発表されるようです。APC 40 mk2 は5×8のRGB LEDクリップローンチパッド、8×ロータリーノブ、8×チャンネルフェーダー、クロスフェーダー、センドバスに素早いアクセスが可能なセンドスイッチを装備。見たところでは旧型APC 40と同等のレイアウトに感じますが、機能面でどのような改良がされているのか気になるところです。
加えて、25鍵盤+マトリックス・ローンチパッド付きのAPC Key 25、そして8×8のマトリックスローンチパッド+8フェダー付きのAPC Mini も同時に発表されるようです。
APC 40 mk2
• 5×8 RGB LED clip matrix – launches clips with visual feedback
• 8 channel faders, 1 master fader, and 8 device controls – map to Ableton Live directly
• Intuitive layout – revised knob layout with in-line controls for smarter workflow
• A/B crossfader – can be assigned on the fly for dynamic mixing
• Send button – press and hold Send and use the Track Selects to choose one of 8 sends
• Music production content – Toolroom artist launch packs, Prime Loops sample packs, Hybrid 3 by AIR Music Technology & SONiVOX Twist
APC Key 25
APC Mini
価格は
APC40 mkII: 439€
APC Key25: 159 €
APC mini: 119 €
ドイツフランクフルトで行われるMusikMesse 2014の開催も近くなり、新製品情報が多くなってきました。
まずはAKAIがこの夏にアナログドラムマシンをリリースするというニュース。AKAI Rhythm WOLFはアナログのドラムサウンド(キック、スネア、ハイハット、オープンハイハット、メタリックパーカッション)とベースシンセサイザーの合体型マシンで、本体には32ステップのシーケンサーに加え、AKAIオリジナルのMPCスタイルの6つのパッドが搭載されています。同期の方はUSB MIDI、MIDI IN/OUTに加えゲートトリガー端子も装備しています。Rhythm WOLFはこの夏発売、価格は189 Euro
- 5-voice analog drum machine and synth-authentic analog design that references classic rhythm machines and synthesizers
- Legendary analog drum sounds: kick, snare, open and closed hi-hat, and metallic percussion
- Synth bass module: selectable square or sawtooth wave
- Onboard 32-step sequencer
- Six genuine MPC pads for sequencing and finger drumming
- “Howl” knob: custom distortion circuit for additional sound design
- MIDI connectivity: USB-MIDI and MIDI In/Out
- Gate Trigger: for triggering via modular synths, vintage sequencers, or external sound
sources - Independent audio outputs: dedicated outputs for the drum machine and synth bass module for more precise mixing
- Dedicated outputs for the drum machine and synth-bass
タブレットと音楽制作の相性は思った以上に素晴らしいものでした。今や数えきれないくらいの音楽アプリがリリースされ、楽器屋を覗いてみても関連機材を頻繁に目にします。特に、タブレットをDAWソフトウェアのリモートコントローラとして使うことや、外出先でもスマートフォンにメロディーやリズムパターンのデッサンを書き込むことができるようになったのも素晴らしいことです。数十年前では考えられなかった機能を数百円で手に入れられるということを考えてみても、これからの世代のミュージシャンはここがスタートポイントともなるのでしょう。
しかし現在のタブレットの欠点といえば平面なスクリーンに表示されるバーチャル鍵盤やバーチャルノブを操作しなくてはならないところ。指の大きさや、指使いの繊細さは個人差はあるものの、もっと直感的な操作をしたいというのが大概のミュージシャンの本音なのではないでしょうか。やはりそこで必要なのはタブレットやスマートフォンに対応するコントローラでしょう。
たとえばNative Instruments はTraktor DJ とそのコントローラKontrol Z1 、NovationはLaunchpad App/Launch Key AppとそのコントローラLaunchkeyをリリースしており、すでにこのブログでもレビューしているように、アプリとコントローラを合体させることで一つの立派な楽器として成り立つ素晴らしい完成度 と個人的には感じています。
(さて、前置きが長くなりましたが)今日、紹介したいのはmikrosonicというメーカーがリリースしたRD4 Grooveboxというアプリ。シンセ・ベース・ドラムマシン×2 これらの音源を組み合わせながら音楽を構築していくことができるアプリで、PropellerHeadのReBirthと似たようなアイデアのアプリです。インターフェイスがとてもシンプルなので操作も簡単。ちょっとさわり始めるとあっという間に時間が経ってしまいます。
このアプリの素晴らしいところはMIDIコントローラに対応しているというところで、Novation LaunchKey MINI には完全対応。iPadにLaunchKey Miniを接続し(カメラコネクションキット要)RD4を立ち上げると、設定などは一切なしで操作を始めることができます。
LaunchKey Miniのツマミを使ってミキサーフェーダーの操作やシンセパラメータを操作することができたり、 Launchkeyのパッドをステップシーケンサーとして使いドラムパターンやベースラインを作ることもでき、特にこのステップシーケンサーがかなり良いのです。RD4 の楽しさが倍増します。
下のYouTubeビデオでそのアクションを見てみて。
Ableton Live公式トレーナーであるRishabh Rajanによって制作された「J-POP Culture」は彼のお気に入りのアーティストである中田ヤスタカの楽曲をマッシュアップ。制作にはAbleton Liveが使用され、ビデオではアコースティックギターをフューチャー、そしてAbletonコントローラPUSHとモーションコントローラLEAPを使った演奏が行われています。
使用されている中田氏の楽曲は17曲。え?17曲も使ってるんだと思わせる、とても統一感のあるクールな仕上がりになっています。使用楽曲は以下の通り。Rishabh Rajanさん、、どうやらかなりマニアックな人のようです。
3月末にリリースされるという新しいiOSアプリMosaik。16トラック×32スロット、オーディオループからBPMを自動的に検出し、ワープ機能を使ったタイムストレッチを行いながらトラックを構築していくことができるアプリのようです。DAWソフトウェアというよりもリアルタイムに演奏をするDJソフトウェア的なもののようで、いわばiOS版 Ableton Live? それともiOS版 Cubase Loopmash? といえそうです。
最新のiOSディバイスは64ビットのプロセッサーを搭載していることもありかなりハイクオリティなパフォーマンスが期待できるわけですが、Mosaikのリアルタイムタイムストレッチが果たしてどのようなクオリティなのか注目してみたいと思います。
Features at a glance
- Audio import of samples or whole songs via iPod Library
- Beat-Signature-Analyzer for making beat-exact loops automatically
- High-Quality Time-Stretch Engine based on granular synthesis
- Audiobus support
In the Future
- Transient Detection for Attack-Phase loop-protection
- 16×32 Slots (16 Tracks / 32 Slots per Track)
- Built-In Effects
- Live-Input Beat-Signature + Transient Detection
- Much much more …
Mosaikの開発元であるNDVRはタッチセンサー付きキーボード「EVO」で話題になったメーカー。その「EVO Series One」の価格が大幅に下がり現在$199!!
いよいよ3月8日に発売開始されることになったローランドの期待のAira シリーズ。ブログ「いっかい」では先日そのうちの一つであるボーカルエフェクターユニットVT-3 にさわることができました。さっそく今日はその報告をしてみたいと思います。
VT-3はその名の通り、BOSS VT-1 の後継機となるボーカルエフェクター。簡単に言ってしまえば、このVT-1/VT-3はマイクをつなげ、喋ったり歌ったりした声がロボットのように変化するエフェクターです。たくさんの機能が詰まっている機材ではないのですが、そのシンプルさが逆にこの機材の魅力で、今なおカルト的人気を誇っているVT-1です。Yahoo Auctionの取引価格はおよそ3万円。それを考えるとこのVT-3が21,000円というのは実にナイスな話です。
VT-1 はフランスのインディーロックバンドAirやスェーデンのエレクトロバンドKnifeなどがその使い手として有名。個人的にはVT-1と言えばドイツのエレクトロアーティストSiriusmoをまず思い浮かべます。(SiriusmoについてはこちらのYouTubeを見てみてください、3:18あたり、VT-1が机のセンターに置かれてます)
VT-3フロントパネル
VT-3 はその他のAIRAシリーズと同様に黒のアルミパネル、黒のプラスティックケース、緑の縁取り、緑のライトが光ります。そして同じくその他のAIRAと同様ですが、とにかく軽量です。
フロントパネルには4つのスライダーが並んでいます。左側にあるピッチスライダーを上に上げると声が1オクターブ上がり、下に下げると声が1オクターブ下がります。フォルマウントフェーダーを上に上げるとピッチはそのままの状態で声が女性的(初音ミクのような声)になり、フェーダーを下に下げると男性的な声に変わります。右側のフェーダーはリバーブエフェクターでミックスバランスとリバーブの量を操作することができます。リバーブの量を上げるとかなり大きなホールサウンドになり、クオリティも上質で真新しさを感じる部分です。残念なのはリバーブの種類や時間の設定ができないところです。
フロントパネルのやや上に並んでいる6つのスイッチ。まず左側のROBOTスイッチを押すと、ピッチは強制的に一定に保たれ、いわゆるロボット的な抑揚のないサウンドになります。
真ん中の4つのスイッチはセッティング内容を記憶させておくためのもので、特にライブパフォーマンス中にお気に入りのサウンドに素早く切り替えたい時には便利でしょう。セーブは3つまで、セーブ方法も簡単で、1~3までのスイッチを長めに押すだけです。一人で3役の声優をこなさなければならないなんて時にも便利でしょう。
マニュアルスイッチを押すとライブモードになり、フロントパネルでセッティングされているフェーダーやエフェクトタイプのサウンドに切り替わります。一番右側のバイパススイッチを押すとエフェクト無しの素のサウンドになります。また、フットスイッチをVT-3に接続することでこのスイッチを切り替えることもできるので、ライブ最中には便利なものとなるでしょう。
10種類のエフェクター
フロントパネル中央にあるダイヤル式のノブ。ここでエフェクターの種類を変えることができます。エフェクターの種類は10種類。
- Direct
- Auto pitch 1
- Auto pitch 2
- Vocoder
- Synth
- Lead
- Bass
- Megaphone
- Radio
- Scatter
VT-1にはなかった新しいエフェクターとなるのがSynth/Lead/Bass。これらはマイクで喋ったり歌ったりした声がシンセサイザーのサウンドになるもので、特に鍵盤を弾けない人にとっては嬉しいものかもしれません。Leadはテルミンのようなサウンド、低い声でBassエフェクターを使うとかなり深いサウンドになります。
MegaphoneやRadioはローファイで周波数域の狭い音になります。メガフォンといって思い出すのはやはりYMOの「体操」ですね。
Auto Pitch やVocoderはいわゆるいわゆる昨今のEDMで聞くことのできるボーカルエフェクトです。
Auto Pitchは微妙に外れた音程を自動的に正確なピッチに修正してくれるものと期待したいところですが、実際試したところ、よほど正確に歌わない限り思った通りのピッチにはなりませんでした。
Vocoderに関しても同様で、正確なピッチで歌わないと思わぬ場所にピッチが飛んでしまいます。本来ボコーダーはストリングスのようなサウンドをキャリアとして使い、声をモジュレータとして使うものではありますが、VT-3にはキャリアの入力がなく、これまでのボコーダーの代替品とはならないでしょう。
Scatterは今回のAIRAシーリズで大きく取り上げられているエフェクターですが、昨今のダブステップシーンで使われることの多いチョッピングエフェクトを作るものです。細かい設定ができないのは残念です。
まとめ
残念なのはAuto PitchやVocoderエフェクターで、うまい具合にピッチが安定しないところです。Vocoderに関しても本来のボコーダーと同じような機能が欲しかったです。
MIDIコントロールがサポートされていないのも残念です。フロントパネルに並ぶパラメーターをMIDI CC コントロールできればより面白かったような気がします。
VT-3にはその他のAIRAシリーズと同様にUSBオーディオインターフェイスが内蔵しています。DAWソフトウェアを中心に音楽制作をしている人にとってはこれは大きなプラスポイントです。
声を使うことで様々なサウンドを作ることができる楽しいマシンです。様々な声色を使うことや、声だけでなく様々な楽器を通すことでも楽しい実験ができます。使い方次第では他にはないオリジナルサウンドを得られるような気がします。
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