iPadビートメイキングアプリ「Auxy」は、4つのパート(ドラム・ベース・シンセ1・シンセ2) を使い、それぞれにノートを打ち込んでいくとてもとてもとてもシンプルな作曲ツールです。
4つのパートというシンプルさはPropellerHead Figure と似ている部分ではあるのですが、「Auxy」にはパッドを押さえれば自動的にフレーズを演奏してくれるような機能は付いていません。
ではこのアプリの何が凄いのか?
答えはピアノロールエディターにあるのです。
最近のiOSアプリ(Apple GarageBand、Steinberg Cubasis、Korg Gadget、AKAI iMPC Proなど)にもピアノロールエディターは搭載されていて、コンピューターDAWソフトウェアと同じようなMIDIノートの打ち込みが出きるわけですが、問題は、たくさんの機能が詰め込まれすぎていたり、サイズがやたらに小さかったりするなど、操作方法はどんどんと複雑になって行く傾向があるところです。例えばMIDIノートを消去したい場合では、DAWソフトウェアならば消しゴムツールを使うなり、ノートをダブルクリックするればどうにかなると分かっていることでも、iOSアプリの場合はノートをロングタップしなければならなかったり、シングルタップしなければならなかったり、操作方法は各アプリによって異なり、打ち込み初心者にとってはかなり苦痛となるところでしょう。ベテランであってもイライラするところに違いないでしょう。
Auxy の場合、これがかなりスムーズ。
まず、各パート名の部分(青、緑、紫、ピンク)をタップすると音色を 選ぶことができます。パート名のすぐ下をタップすると「+」と表示され、これをタップすることでピアノロールエディタが表示されます。
ここにシーケンスパターンを1小節から4小節書き込んでいきます。ピアノロールエディタには実際のところピアノ鍵盤らしきものはどこにも表示されてはいないので試しに音をならしてみるようなこともできないのですが、凄いのは、書きやすさ、消去のしやすさ、見えやすさ。これまでのどのiOSアプリにはなかった快適な操作です。インターフェイスデザインの美しさは、さすがスウェーデン産。
書き込みが終わったらDONEボタンを押します。
TED Talk は、学術・エンターテイメント・デザインなど様々な分野の人物がおよそ20分のプレゼンテーションを行なう講演会のようなもので、講演内容はインターネットを通じ無料配信されています。ミュージシャンが登場することも稀にあり、これまでと違った考え方やパフォーマンスが披露されてきています。
Native Instruments のReaktorエフェクターThe FingerやThe Mouthの開発者としても知られるイギリスのミュージシャンTim Exile もTED talkに登場し、彼自身がデザインしたライブインストゥルメントThe Flow Machine を披露しています。
まずはオーディエンスの「おーー」という声をサンプリングし、この声を使ったTime Exile による即興演奏が始まります(ビデオ2分12秒あたりから)。音楽は静かに始まりますが、後半に向けスピード感を増していきます。リアルタイムで音楽を作り上げていくTim Exile の手腕にオーディエンスは魅了され、最後にはTEDの会場はダンスフロアーと化すのでありました。
Time Exile のライブインストゥルメントThe Flow Machineはボコーダー・シンセ・ドラムマシン・サンプラー・ルーパーが合体したユニットで、各コントローラを操作することによって機能がトリガーされていき、心臓となるプログラムにはNI Reaktorが使われているそうです。http://youtu.be/9r38r3BIgew
プログラミングへの情熱+ハードウェアへの情熱+Time Exileの音楽への情熱がブレンドされたライブインストゥルメントThe Flow Machine。テクノロジーを使った音楽のあり方についても考えさせられたTED talkでした。
結成21周年を迎えたドイツのテクノデュオ Mouse on Mars がイギリスFACT magazine にて「21分間で21曲のトラック制作」という企画にチャレンジしています。
およそ1曲に付き1分という過酷な制限時間。しかしさすが、21周年を迎えたベテランアーティストのスタジオワーク、チームワークは抜群で、見事な集中力でチャレンジをクリアーしていく様子を伺うことができます。アナログシンセであろうがiOSアプリであろうがサンプリングであろうが、あらゆるエレメントを詰め込みまとめあげてしまうパワーにはいつもながら驚かされます。先日発売されたばかりのMouse on mars のiOSアプリWretch Up も随所で使われているようです。
最後にJan St. Wernerが言った言葉が印象的です。「トイレのような小さいアレンジウインドウに向かっている仕事でも、アマゾンのような広大なものとなる。そこが音楽の美しいところなんだ」と。
Mouse on Mars 21周年記念アルバムは明日発売。
via FACT Magazine
日本人が普段見慣れている「回転寿し」、でも外国人がこれを見ると全く違うインスピレーションを受けるようです。例えば、回転レーンをシーケンサーにしてみるとどうなるのか?というRed Bull Music Academyによるエピソードビデオ。Native Insteruments によるテクニカルサポート、そしてビデオにはTokimonstaとJust Blaze がフィーチャーされています。
レーンの上に設置されたカメラが、回転皿の色を識別。それぞれの色に割り当てられたNI Maschine のシーケンスパターンやエフェクトがトリガーされる仕組みになっているようです。おそらく以前みたことがある「レゴシーケンサー」と同じ仕組みなのでしょう。
実際の効果の方はいまいち見て取ることができませんが、音楽と回転寿を合体させるアイデアは新しいエンターテイメント系レストランとなる可能性がなきにしもあらず?
みそ汁が出てきたらブレーク、大トロが出てきたらピークタイム、そんなドラマがあっても良かったかもしれません。
シンク問題。特にテクノ系ミュージシャンはもの凄くこだわる部分だと思うのですが、DAWソフトウェア・ハードウェアインストゥルメント・モジュラーシンセなど、種類も時代も違う幾つかの機材を同時に使っていると必ずと言っていい程、発音タイミングのズレに悩まされます。特にDAWソフトウェアで超最適なMIDIパフォーマンスを得るにはかなりの苦労を要するものです。
https://www.ableton.com/ja/manual/midi-fact-sheet/
ドイツ・ベルリンのE-RMが開発中のマルチフォーマットのシンク&クロックボックスは、ジッターなしの超正確なクロックを生成するというシンクボックス。DAWオーディオクロック・MIDI・DIN Syncから得た信号は4チャンネルに振り分けられ、それぞれのタイミングをシフトすることや、スウィング値をリアルタイムで加えることが可能になるそうです。モジュラークロックやアナログLFO、5チャンネル分のMIDI USB にも対応しており、これならばすべてのスタジオ機材を接続し、本来あるべき正確なタイミングで機材をコントロールすることができるようになるわけです。
以前、同社が販売するMidi Clockという製品を見たことがあるのですが、それまで感じたことがなかった気持ちよさを感じたものです。テクノビートにこだわるのならば、この辺りにもこだわっていかなければいけないのかなと。
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