アップルのLogic Pro X がバージョン10.2.1をリリースしました。前回のアップデートが昨年の夏でしたので、およそ5ヶ月ぶり位ということになります。今回のアップデートは、前回ほどの大型アップデートではありません。でも、知っておいて得する素敵な新機能やバグ修正が山ほどあるので、今日はその中のいくつかを紹介しておきましょう。
エレクトロ・ヒップホッパー、ピアニスト、プロデューサー、ソングライターと、多様な才能を発揮して活躍をするチリー・ゴンザレスが人気ポップ音楽の秘密を解き明かす「音楽マスタークラス」。ドイツのラジオ局「1 Live」による制作。日曜日の夜に観るには最高のチルアウトビデオでもあります。今回のビデオではダフトパンクの「Get Lucky」の秘密を探ります。(ちょっと古くなってしまいましたが)
「Get Lucky」の大本となっているのが4つのコード(Bm>DM>F♯m>EM)なのですが、このコード進行はダフトパンクが昔から得意とするコード進行で、「Around the World」という以前のヒット曲にも使われていたものだったそうですが、Get Lucky でもおよそ6分間このコード進行が使われています。ちょっと怠慢なのでは?とも思われる部分でもありますが、クラシック音楽ではオスティナートと呼ばれている技法でもあり、この循環するコードにシンコペーションを加えることによってリズムに高揚感を与えています。
ブリッジの部分(Bメロ)では、循環するベースラインにボーカルラインが全く同じパターンでハーモニーを作っていきます。かつてエルビスプレスリーによる「Can’t Help Falling In Love 好きにならずにいられない」でも使われていた同じ技法です。
とはいえポップ音楽ではやはりサビが肝心。この曲のサビでは「Get Lucky♪Get Lucky♪」と歌詞の部分でも同じ旋律が繰り返されることと、リズムにもさらに盛り上がりも加えられることによって、聞いている私たちに楽しくキャッチーでラッキーな感覚を与えてくれるのです。
「音楽マスタークラス」ではこのほかにもTaylor Swift のShake it off やIggy Azalea のFancyについてのビデオもあります。https://www.youtube.com/playlist?list=PLL4iOQ3Gw7L9eyCJ8EnkZgO0p1AzdrRqN
Ableton Live バージョン9.1.6がリリースされました。個人的に一番嬉しい新機能は、オーディオ/ビデオをエクスポートする際に「選択されているトラックのみ」をエクスポートできるようになったところです。これまでのバージョン(9.1.4)ではこれができなかったが故にソロボタンやミュートボタンを使ったりしなければいけなかったのですが、これで一つ手間が省けたわけです。(他のDAWでは随分前からできることではあるのですが!!)
これまでのように「個別のトラック」をすべて一斉にエクスポートを行なうことも可能ですが、「個別のトラックすべて」という表記に変更されています。
その他には、Retinaディスプレイに対応(Mac with OS X 10.7.4)したことや、ネイティブ・フルスクリーンモード(Mac with OS X10.9以降 ) に対応しています。フルスクリーンモードに入るには、ショートカットキー「CTRL+CMD+F」(OSのデフォルト)を押してください。
多くのバグ修正もされたAbleton Live 9.1.6 はいつものようにAbleton 公式サイトよりダウンロード可能です。
Ableton Live を操作するためのコントローラというと、やはり今のところはAbleton PUSH が抜きん出ている様子ではりますが、実はAbleton PUSHが発売されるもっと前(2010年〜)から同じような発想のコントロール方法を考えていた人たちがいたのです。
MIDI リモートスクリプト
通常MIDIコントローラをコンピューターにつなげた場合、たとえ ばこのツマミはどのディバイスに対してどういう動き方をするかなど設定をしなくてはなりません。しかしユーザーがこの厄介な設定をしなくてもいいように各 コントローラメーカーはMIDIリモートスクリプトというファイルを付属し、これをDAWソフトウェアにインストールすることによって、買ったその日から コントローラを使えるような配慮がされています。
例えば、Novation のLaunchPad(上の画像)ですが、NovationのMIDIリモートスクリプトには、ミキサーの操作やクリップのローンチなど、Ableton Liveをごく普通にコントロールするためのスクリプトが用意されています。
NativeKontrol
NativeKONTROL はAbleton Live のためのMIDIリモートスクリプトを販売しているインディーメーカーで、これまでにサポートしてきたMIDIコントローラは以下の通り。新しいMIDIリモートスクリプトを使うことによって、これまでと違う方法でコントローラを使うことが出来るようになるのです。
- AKAI APC20, APC40, MPC32, MPK61, MPK88, MPK mini
- Behringer BCR2000
- Korg nanoKONTROL, nanoKONTROL2, nanoPAD, padKONTRO
- Livid instruments Block, Code, Ohm 64, Ohm RGB
- Native Instruments Maschine Mk2
- Novation LaunchPad Classic/S/mini
NativeKONTROL LPC-Live
LPC-Live MIDIリモートスクリプトをインストールすると、LaunchPadの機能は大きく広がります。部屋の片隅で眠っていたLaunchPad ( 初代のLaunchPadもサポート)が息を吹き返すかのよう。
LPC-Live には7つのモードがあります。
- TRACK(ミキサーコンコントロール:各トラックのボリューム・パン・センドレベルA~F)
- DEVICE(ディバイスコントロール:エフェクターやプラグインシンセのパラメーターコントロール)
- CLIP(MIDIクリップとオーディオクリップのループ方法を操作)
- DRUM(DrumTrack専用のコントロール、ドラムシーケンサー)
- SCALE(様々なスケールを使いパッド演奏を行うことができる)
- LEARN(4声までの和音を記憶させ演奏を行うことができる)
- MONOSEQ(ステップシーケンサー)
ブログ「Sonic Bloom」に紹介されていたAbleton Live の隠しコマンド「ディバイス表示」。これを使うと、Ableton Liveセッションビューの各トラックに、使用中のプラグインが表示されるようになり、プラグインへのアクセスを今までよりも楽に行うことが出来るようになります。
Live 8の頃から知る人ぞ知るコマンドではあるらしいのですが、知らなかった人は是非試してみて。
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