毛皮が付いたアイロン台のような怪しい物体。これはロンドン・ロイヤルカレッジオブアートの学生によるプロジェクトの一環で制作されたインタラクティブサウンドピース 「Mew(ミュー)」。「テルミン」のようなインタラクティブな楽器に「猫の鳴き声」を合体させたユニークな作品。
人が近づくとミューは「ゴロゴロ」とのどを鳴らすような音を出し始めます。毛皮をなで始めるとミューは音を出し始めます。なで方によっても音が変わります。毛皮を強く押してしまうとミューは機嫌の悪い音をだします。
毛皮生地の下にはセンサーが引かれており、手の圧力の情報がArduino に送られ、Max MSPによって音がコントロールされているようです。
ビデオを見た感じでは動物園にいるオットセイのような声にも聞こえてしまい、もう少しかわいらしい猫の声が聞きたかったような気がします。でも、一家に一台こんな楽器があっても悪くないような?
それではビデオの方をどうぞ。
世界最古の電子楽器とされるテルミン。世界最古の電子楽器がキーボードのようなインタフェイスではなくジェスチャーを使う楽器だったなんてなんだか不思議な話です。目を使わなくても手の動きだけで音楽を奏でることができるなんて、今の時代だからこそロマンスを感じるわけです。
とはいえ、相当なトレーニングを積まないと音楽らしき音楽を奏でることの出来ないテルミン。しかし、Moog によって開発された新しいテルミン Thermini にはチューナーが内蔵してあったり、オートピッチのようなピッチ修正機能もついているということで、いくぶん演奏の方は楽になるのでしょう。
音色の方はiOS Animoog のエンジンが積まれており、これまでのテルミンよりも音色幅が大きく広がります。また、ピンポンディレイも内蔵しているのでサウンドに潤いを加え、気持ちのいい演奏ができそうです。MIDI in CV out付き、内蔵スピーカーも付いたモダンテルミン。
さて、新しく公開されたThermini のデモンストレーションビデオですが、「キルビル」のようなDorit ChryslerさんがTherminiの可能性について語ります。ドローン、そして時には切れのあるパフォーマンスを、見せてくれます。見所は2:10あたり。
Moogからリリースされる新しいテルミンThereminiはピッチ修正機能・チューナー・ディレイエフェクター・内蔵スピーカーが付いたモダン・テルミン。テルミンの演奏が幾分簡単になるのかもしれません。
音源の方はアナログではなくiPadアプリAnimoogのエンジンが使われているようで、32種類のプリセットも用意されています。また、CVアウトプットとMini USB 端子も付いているので、Thereminiを外部音源のコントローラとして使うこともできるわけです。元祖ジェスチャーコントローラの復活といえそうですね。
価格 us$319
NAMM期間中Animoog for iPhone がフリーアプリになっています。まだゲットしてない人は急げ!
FEATURES
• Pitch correction w/ selectable scales and root note
• Built in tuner allows you to learn pitch and scales
• 32 Wavetable based presets
• Built in speaker
• Headphone output
• Two 1/4″ audio outputs
• Single Pitch CV output w/ selectable range
• User selectable scale and root note (stored per preset)
• User selectable range: highest note and lowest note (stored per preset)
• Adjustable Stereo Ping-Pong Delay
• Removable pitch antenna – built in storage compartment on bottom-side
• Built in 3/8” Mic stand and Camera stand adaptor
• High quality rubberized feet
ムジークメッセ 2013ではAlex 4のブースの奥の方で鎮座していたTrautoniks VT 2012。もとは、1929年頃にドイツで発明されたTrautoniumというモノフォニックの電子楽器で、鍵盤ではなく、横木の上に張った鋼線を押して演奏する、今でいうリボンコントローラ付きアナログシンセのような楽器。テルミンが発明されたのは1919年頃とされているので、そのちょっと後に登場したということになります。このTrautoniumは多くのホラー映画音楽で利用され、ヒッチコックの映画「The Bird」の音楽が特に代表的。クラシック音楽でもパウル・ヒンデミットという作曲家がこの楽器を使ったコンチェルト(1931年)を残しており、聞いてみると、最近のエレクトロニック音楽で頻繁に使われる「フィルターを開け閉めする」効果がつかわれていることに驚きます。興味ある方はYou Tubeよりどうぞ。シンプルな音色でありながらも、表現力の高いアナログシンセサイザーの元祖。
開発者の一人であるOskar Salaの死後とともにTrautoniumの生産は完了。しかしその後、ドイツのTrautoniksというメーカーによりこのTrautoniumのクローン機の生産が開始され、ムジークメッセで見ることのできたTrautoniks VT 2012はそのうちの一つだったわけです。Trautoniksは特注生産されているものですが、Trautoniks VT 2012(画像上)のほかに、CV・Gateコントローラモデル(画像下)、Mixtur-Trautoniumという見た目圧巻なモデルも用意されています。Trautoniks VT 2012はおよそ75万円するそうです。
このTrautoniksの受注を行っているのがドイツベルリンのアナログシンセサイザーショップSchneiders Büro。下のビデオでは現在ロンドンRough Tradeに展示中のTrautoniksの様子を見ることができます。案内しているのはアナログシンセ界の名物となりつつあるSchneider氏。
いっかい 「ベルリン楽器博物館」
いっかい 「ベルリンアナログシンセサイザーの聖地」
いっかい 「1929年生まれの電子楽器 オンドマルトノ」
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