世界でもっとも人気のあるDAWソフトウェアって何なんでしょう。たとえばDigital Music Newsというブログの調査によると 1.FL Studio 2.Ableton Live 3.ProTools 4.Cubase 5. Maschine (2014年上半期調査)なのだそうです。Synthetopia というブログの調査によると1.FL Studio 2.Ableton Live 3.Apple Logic Pro 4.Bitwig Studio 5. Cubase(2014年11月調査)となっています。では日本での状況は?使用機材ガイドというFacebookサイトによると 1.Ableton Live 2.Cubase 3.FL Studio 4.Apple Logic Pro 5.Cakewalk Sonar (2013年4月調査)なのだそうです。
ちょっと意外な気がしたのは、ミュージシャンにとってはMac が人気OSであるにもかかわらず、Windows版オンリーのFL Studio が日本でも海外でもとても人気が高いことです。
そんなこともあり当然、FL Studio のMac 版のリリースを待望する声は多いわけですが、ここに来てついにFL Studio の開発元であるImage Line は「FL Studio ネイティブMac OS X版を開発中」というアナウンスをしています。
しかし私たちユーザーが考えるほど「ソフトウェアの移植」は簡単なことではないようで、リリースの約束はまだされていません。Image Line 公式サイトKnowledge Base によると、
FL Studio windows版はDelphiというプログラム言語で書かれていること。このDelphiという言語は元々はWindows をプラットフォームとしたソフトウェアの開発を主としてきた言語で、最近になって初めてMac OS X へのコンパイルが可能になったそうです。そのおかげでFL Studio Mac OS版開発への可能性が開けたわけですが、プログラム自体が新しいがゆえにまだ問題は多いとのこと。また、FL Studio Windows版はWindows API と密接な関係性を持ったソフトウェアであるため、Mac OS上で同じようなスムーズな動きを作るにはそれなりの時間がかかってしまうとのこと。
そこでImage Line ディベロッパーチームが始めたことは、FL Studio のWindows VST プラグイン (Edison, Gross Beat, Harmless, Harmor, Maximus, Ogun, Slicex, Sytrus, Vocodex) をMac VST フォーマットへ書き換える作業。これらのプラグインはMac OS X VST Alpha8 としてすでに公開されているのですが、もしこのテストがうまくいけば、同じコードで書かれているFL Studio本体の移植もうまくいくのではないかという見通しが立ってくるそうです。
念を押すようですが、「FL Studio ネイティブMac バージョン」のリリースはまだ決定していません。でもこの様子を見る限り可能性は十分にあると見てよいのではないでしょうか。
心配されるのは今後のFL Studio Windows版についてですが、これまで同様の開発が進められていくとのことです。
バンドメンバーと音楽制作をする場合、リミックスを依頼したり依頼されるような場合。近くに住んでいる人であるのならハードディスクを抱えて行けば数分でファイルの受け渡しができるわけですが、遠い場所に住んでいる場合、一つ一つのトラックをバウンスして、メールで送信するとか、容量によってはオンラインストレージなんかを使うのがおそらく一般的なはず。この作業がいかに煩わしいものであるのかは知っている人は知っているはずです。
しかしこれからはクラウドを通じて音楽コラボレーションをすることができるようになる時代。ミュージシャン同士が同じスタジオにいなくても、遠く離れた場所に住んでいるバンドメンバーとプロジェクトの受け渡しを行なえたり、遠く離れた知らないミュージシャンとコラボレーションを行なえるようになるようです。
そんな中で今もっとも注目されているのが Splice。
Spliceはクラウド型のストレージ環境を提供するサービスで、ミュージシャン同士がDAWソフトウェアで作ったプロジェクトファイルの受け渡しを簡単に行なえることができるようになるものです。例えばAbleton Live で作ったプロジェクトをSpliceにアップロードすることによって、違う場所からでもそのLive のプロジェクトを開くことができるようになります。プロジェクトファイルの中には使用しているオーディオファイルも含まれているので、ファイルの損失によって時間を奪われることもありません。使用しているプラグインソフトウェアも自動的に検出され情報が提示されます。アップロードやダウンロードの方法もスイッチを一つ二つ押す程度のシンプルなもので操作はとても簡単。そして、現段階で対応するソフトウェアはAbleton Liveのほかに、Logic Pro X、 FL Studioなど、これまで使ってきたDAWソフトウェアをそのまま利用できるのもSplice の優位な点です。
Splice はまだパブリックベータバージョンの段階ではあるのですが、昨日のニュースによると、450万ドルの投資金を得たとのこと。これだけの投資金額を持っていることや、有名アーティストによるサポートを得ているともなれば、この夢のスタジオ環境はさらに素晴らしいものとなり、私たちの音楽制作に定着していくのかもしれません。興味ある人はパブリックベータバージョンを試してみてください。
さらに、Splice の新しい機能としてSplice DNA Player も紹介されています。これはコラボレーションと関係のあるものではないようですが、DAWソフトウェアで作ったプロジェクトと同じようなビジュアルでトラックを公開することができるもののようです。トラックの中にはコメントを書き残すこともでき、簡単に言ってしまえばSoundCloud のDAWバージョン(?)といったところなのかもしれません。トラックの中でどのようなサウンドが使われ、どのようなプラグインが使われているのかといった情報も把握することができ、まるでオーケストラのスコアを目で追いながら音楽を聞くかのようなリスニング経験を提供してくれます。このSplice DNA Playerの第1弾として公開されたのがTiëstoレーベルの新人Henry Fongと J-TrickによるScreamというトラック。⬇️の画像のアレンジビュー部分をクリックしてみてください。
今やWindows 8が搭載されているタブレットやタッチパネル搭載PCは多く発売されています。例えばWindows Surface Proはintel core i5 CPU、10.6インチスクリーンが搭載され、これまで使ってきたWindowsのソフトウェアをそのまま使える上に、USBポートにMIDIキーボードを接続することができるなど、iPadとはかけ離れた素晴らしい柔軟性を備えています。
そうはいっても10.6インチのスクリーンでAbleton LiveやCubaseのようなDAWソフトウェアを操作するのはさすがに億劫ではあったりするわけですが、一方では27インチタッチスクリーンタブレットも存在するなど、Windowsタブレットの選択の多さはディベロッパー泣かせといったところではあるに違いないのですが、このタッチ式操作に見合ったWindows 8のアプリ製作は急がれているに違いありません。
そんな中、昨日Image LineがリリースしたFL Studio Grooveはこの「タッチ式操作」に焦点を当てたシーケンサーアプリ。
Image LineのDAWソフトウェアFL StudioのメジャーアップデートバージョンFL Studio 11がリリースになったばかり。パフォーマンスモード機能の追加、マルチタッチ操作、その他、新しいブラグインの追加など、多くの機能が追加されているFL Studio 11。これまでのユーザーは無償でアップデートできる。下のビデオはイントロダクションビデオ。
パフォーマンスモード
Ableton Liveのクリップビューと同じように、クリップをトリガーしていくことができる機能で、MIDIコントローラ、コンピューターキーボード、タッチスクリーン(Windows)を使った操作が可能になっている。対応しているコントローラは、AKAI APC20/40 、Novation Launchpad、Lemur、 Livid Block、 NI Maschine/Mikro KORG padKONTROL、 NI Traktor Kontrol などすでに多くのもの。エフェクターモジュールはコントローラやマルチタッチスクリーンにマッピングすることが可能になっており、FL Studioを使ったライブパフォーマンスに焦点があてられている。
Ableton LiveのためのコントローラとしてNovation Launchpadが初めて発売されたのは2009年。64個のマルチカラーパッドを使いコンピューターソフトウェアAbleton Liveを操作・演奏することができるコントローラ。鍵盤楽器ではない「新しい形の楽器」としても音楽制作やパフォーマンスの環境を変えたNovationのヒット製品。
そんなLaunchpadのニューバージョンであるLunchpad S のリリースアナウンスが本日行われました。大きな特徴となっているのは、パッドの光がより明るくなり、パッドの感度がより高くなったという部分。さらに、USBクラスコンプライアントに対応したことで、以前のように専用ドライバーの必要がなくなり、どのコンピューターとでもすぐに接続することができるようになっています。さらにiPadとの接続も可能になっているのは(Camera Connection Kit要)個人的にはもっとも興味のあるところ。DJアプリやAkai iMPCを操作してみるのも楽しいはず。本体には「Live Launchpad Edition」と、DAWソフトウェア「FL Studio」そしてLaunchPadをカスタマイズするためのソフトウェアが付属。「Ableton Live専用」からユニバーサル仕様に変わったことで、どのソフトウェアでも操作することができるようになります。残念なのはパッドが依然ベロシティに対応していないところ。でも本体の軽さと値段を考えたら当然「アリ」でしょう!
Launchpad Sは、2013年4月発売予定 予想価格 US$ 169,99
iOSで人気のアプリのひとつFL Studio Mobile のディベロッパーImage Line はAndroid版FL Studioを移植開発中、その報告ビデオと開発経過が公式サイトにてアップされています。しかしそれは思った以上に大変な作業であるようで、リリースまでにはまだ少し時間がかかる模様です。
ご存知のように音楽系アプリではiOSに比べはるかに遅れをとっているAndroid OS。最新Android OS 4.1ではレイテンシーの問題が改善され、音楽用ディバイスとしての巻き返しに期待が寄せられているところではありますが、もうひとつの問題は多くのAndroidマシンが世に出回りすぎているため、ディベロッパーがすべてのマシンを使ったテストをすることがほぼ不可能に近いというところのようです。音楽用ディバイスとしてのAndroidの行方は2013年に大きな期待がかかっています。
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