昨日、Abletonは新しいテクノロジー「Live Set Export」のSDK開発用キットを公開しました。iOSアプリのディベロッパーはこの開発キットを使うことによって、アプリにAbleton Liveへのエクスポート機能を搭載することができるようになります。具体的には、iOSアプリで作ったオーディオやMIDIデータがAbletonLiveのプロジェクトファイルとして書き換えられ、これをデスクトップコンピュータにスイッチ一つで転送できるようになります。
現在「Live Set Export」に対応しているアプリは以下の通り。
- Novation Blocs Wave
- コルグ Gadget、iKaossilator
- Patterning
- TriqTraq
コルグのアプリは既に昨年9月からこの機能が搭載されていますが、SDKが一般公開されたことによってこれからもっと多くのアプリが「Live Set Export」に対応していくことが予想されます。
下のビデオでは2つのアプリ(PatterningとTriqTraq)のジャムセッションが行われ、これらのデータが「Live Set」として保存され、Ableton Liveに転送され、さらにセッションが続けられていく様子が映し出されます。
英のシンセメーカーNovationは、2系統のポリフォニックシンセサイザーと4パートのドラムマシンを合体したスタンドアローンのグルーブボックスCIRCUITを発表しました。CIRCUITはエフェクターやMIDIも装備し、一台のスタンドアローンマシンとしてラップトップなしでもベーシックなトラックを完成することができます。スピーカー内臓、電池でも駆動するコンパクトな筐体も特徴です。
32個のベロシティセンサー式カラーパッドは用途に応じてレイアウトを変え、ステップシーケンサーとして、ミキサーとして、キーボードとして使うことが可能です。
音源には同社のNOVAのエンジンが使われており、いまどきのエレクトロニック系サウンドを得意としているとのことです。USBやMIDIを使って外部音源を操作することも可能です。(MIDI IN/OUT端子、ミニUSB端子装備)
ただ音を鳴らすシンセというだけではなく、ひらめいたアイデアをスケッチし、フレーズやパターンを作り貯め、エフェクターをいじりながら一つのトラックにアレンジしていくワークフローがこのCIRCUIT の最大の特徴と言えそうです。簡単にいってしまえば持ち運びできるAbleton Liveといった感じなのでしょうか?いや簡単すぎますね。これは要チェックです。
追記10/4
昨日、ラッキーなことにCIRCUITをほんの数分だけ触ることができました。CIRCUITのサイズはiPadほどの大きさ、もちろん厚みはありますが移動の最中でもついつい触ってみたくなってしまうポップな可愛らしさがあります。ヘッドフォン端子もついているので、移動中に思い浮かんだアイデアをスケッチするのも簡単でしょう。
やはりCIRCUITにの最大の武器はLaunchPad譲りのカラーパッドで、適当にパッドをたたいていくだけでも(なんとなく)カッコいいドラムパターンやシンセフレーズを作れてしまいます。
再生しながらツマミを回せばパラメーターを連続的に動かし録音できます。
サウンドに関しては、いまどきの派手なエレクトロニック系サウンドを得意とするようで、その手のジャンルに特化した音楽制作であるなら即効性のある音源としても使えそうです。大音量で聞いた場合にはやや細さが目立ってしまうような気がしました。
もしコルグのElectribeのように作ったプロジェクトをAbleton Liveにエクスポートできる機能があれば素晴らしいと思いましたが、今のところDAWソフトウェアとの特別な連携機能はないようです。
MIDI鍵盤を使った場合、外部MIDI機器を使った場合にどのようなことができるのか試してみたいです。
Musikmesse2015 で実際に見て、さわってみて、良い意味でびっくりしたのがNovationの LaunchPad Pro だった。これまで画像でみていたイメージよりもはるかにカッコよく、LaunchPadが「Pro」になったんだという印象を強く受けた。
デザイン的にはAbleton PUSHをかなり意識しているようにも見受けられるのだが、サイズはPUSHよりも小さく軽いので持ち運びにも苦労しないだろう。これまでのLaunchPadと比べると断然たくましくなった印象で、スイッチ数が増えた分だけサイズはやや大きくなっている。そして高級感も増している。感激したのはパッドのたたき心地が素晴らしく良くなっていることだ。パッドはベロシティ/プレッシャーにも対応するようになった。これによって表現力は格別に上がるだろう。そしてRGBカラー対応のパッドは128色までの表示が可能で、MIDI/USB を通してコントロールすることも可能にもなるそうだ。
今回MusikMesseでさわっていて改めて気が付いたことは、これまでLaunchPadはAbleton Live専用のコントローラだったわけだが、このLaunchPad Pro ではスタンダードMIDIコントローラとしてどのソフトウェアとも接続できるようになることだ。そして本体の裏パネルにはMIDI INとOUT ポートも装備しているので、ハードウェアシンセサイザーと接続することも可能になる。これはAbleton PUSH にはない大きなチャームポイントなのではないだろうか。
LaunchPadが初めて世に出てからおよそ6年。グリッド・インストゥルメントの成長ぶりを大きく実感した。早くスタジオで試してみたい!
価格$299 もうすぐリリース
Novation といえばLaunchPad。Ableton Liveのためのコントローラとして初めてリリースされたのが2009年のこと。楽器とは思えないルックスで、当時はこれでいったい何をすることができるのだろうかと思ったものですが、その後、様々なDJやミュージシャンがこれまでにはなかった様々な使い方をすることによって、コンピューターを使うライブパフォーマンスのスタイルを一新。メジャー、アンダーグラウンドを問わず、このコントローラによって様々な音楽が作られています。まだLaunchpadについてよく知らない人はLaunchPad 5周年を記念したアニバサリーサイトで過去の名作ビデオを見てみてください。
そんなLaunchPadのプロバージョンであるLaunchPad Pro が本日発表となりました。
- フルカラーのRGB LEDパッド パッドの色はこれまでよりも美しくなりました。さらにAbleton Liveと接続した時にはLiveのクリップの色と同じ色が表示されるようになりました。パッドの叩き心地はどのようなものでしょうか?
- プレッシャー、ベロシティ対応 ユーザーが待ち望んでいた機能がついに搭載。8×8のパッドを使った演奏表現はさらに豊かになることでしょう。パッドをどのような強さで叩くかによってMIDIデータの送信をおこなうことができます。
- 増強されたボタン類 LaunchPad Pro は16個のボタンが付け加えられました。これによってAbleton Liveのミキサーへのアクセス、プレイバックコントロールを楽に行うことができるようになります。UNDOボタンも付いているようです。
- MIDI アウトプット 本体の背面にMIDI端子が装備されました。これによってLaunchPadから直接ハードウェアインストゥルメントに接続を行え、演奏を行うことができるようになります。
- パスパワー駆動 多くの機能が増えましたが、それでもバスパワーで動いてくれるのはありがたい話ですが、iOSデバイスと接続した際には電源アダプター(オプション)が必要になるようです。
また、LaunchPad Pro のプレイモードでも幾つかの改良点がみられます。
- セッションモード これはこれまでのLaunchPadと同様、Ableton Live のクリップをトリガーしていくモードです
- ノートモード パッドをキーボードのようにして演奏することができるモードですが、LaunchPad Pro ではAbleton Live のドラムデバイスとインストゥルメントデバイスを自動的に見分け、パッドの配列やカラー、振る舞いを変えることができるようになります。Ableton PUSHのように、スケールのルートが別の色で表示されるなど、視覚的にも分かりやすいものとなるようです。
- デバイスモード エフェクターやインストゥルメントのパラメーター類を操作するためのモードですが、LaunchPad Pro のパッドがベロシティに対応したことにより、パッドを強く叩けばパラメーターを素早く動かすことができるようになるなど、これまでよりも表現が豊かになることでしょう。
- ユーザーモード 実はLaunchPadの一番面白いところなのですが、ユーザーのアイデア次第でレイアウトを自由にデザインすることができるモードです。
LaunchPad Pro は2015年春発売、価格は$299.99
先週からアップルの新しいオペレーションシステム OS X yosemite がリリースとなり、現在Mac App Store からの無償ダウンロードが可能になっています。
毎回のことではありますが、まずは使っているソフトウェアの対応状況を確認してからOSをアップデートするように心がけてください。比較的DAWソフトウェアは対応状況を収集し易いのですが、プラグインソフトウェアになると情報を収集しにくいところもあります。個人的にはもう1ヶ月くらい待とうかなといった様子です。
主なメーカーの対応状況を記しておきます。
Novationは、オーディオインターフェイスとUSBハブを統合させたAudio hub 2×4のリリースを発表しました。
Audio hub 2×4の主な特徴
3つのUSB2.0ハブポート
特に最近のラップトップコンピューターのUSBポートの数が少なくなってきていることもあり、このようなデバイスを必要としていたラップトップミュージシャン/DJ は多かったのではないでしょうか?MIDIキーボード、NI Maschine、Novation Launch Pad などあらゆるUSBデバイスを接続可能。iPadの接続が可能(カメラコネクションキット要)なのもナイス。
バスパワー駆動
特にライブ/DJの為にコンピューターを使うミュージシャンにとってはパワーアダプター接続が不必要なのは嬉しい話。接続するUSBデバイスに電源供給を行なうためには電源アダプターが必要。
Focusriteサウンド
定評のあるFocusrite社共同開発によるオーディオクオリティ、96 kHz, 24-bit 対応
大音量サウンド
4つのアナログ出力(RCA端子)、2つのバランスアナログ出力、ヘッドフォン出力はラウド! DJがクラブなどでヘッドフォンでモニターをする際には特に重要!
ステレオRCAインプット
シンセサイザーやターンテーブルを接続しレコーディングするなど。2段階の入力レベル切り換え
数多くリリースされているオーディオインターフェイスですが、ライブ用にスタジオ用にと考えだすとパーフェクトなものを探すのはなかなか難しいものです。その点、このAudio hub 2×4 はエレクトロニックミュージシャンやラップトップDJの需要を汲み取ったナイスな製品ですね。
マイクインプットやギターインプットが装備されていないことや、MIDI端子が装備されていないのが残念な部分ですが、MIDIに関してはUSBポートにMIDIインターフェイスをつなげれば強力なスタジオ環境を作れるはず。
USBハブポートとオーディオインターフェイスを統合した製品はすでにAKAI EIE Pro という製品がリリースされていますが、Audio hub 2×4 は134mm 横幅 x 150mm 奥行 x 41mm 高さ (51mm ノブを含めた高さ)というコンパクトサイズ。カバンの中にも簡単に収まります。音量レベルをコントロールできる3つのノブも絶対便利。
導入したばかりのWindows Surface3 で試してみようかと検討中。
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