クラウドベースのオンライン・コラボレーションを可能にするOhm Force社によるDAWソフトウェア「Ohm Studio 1.0」がリリースになりました。2012年の6月にベータ版が配布され始めてから1年以上経ち、いよいよ本格始動となりました。
オンライン・コラボレーション だけでなく、プロジェクトファイルはすべてクラウドに保存することができるのも他のDAWソフトウェアにはない大きな特徴となっています。作業中にコンピューターがクラッシュしても安心。
ソーシャルネットワーキング的な要素も含められており、作業中は常に世界の誰かがログインしている様子が見受けられ、チャットをすることも可能。話がうまく合えば一緒に音楽を作ることに至るわけです。
また、公開されているプロジェクトに参加することも可能で、リアルタイムでなくとも、まずはプロジェクトを開き、ゆっくりと作業を進めた後に作業データをトランスファーすることも可能です。
オンライン・コラボレーション。インターネットを介して世界中のミュージシャンとコミュニケーションをとりながら共同作業で音楽を作ることができるツール。例えば、バンドメンバーが同じスタジオにいなくても、別のスタジオで録音することができたり、ネット上で息が会った人と一緒に曲を作っていくことができる夢のセッション・ツール。
これまでにもいくつもの試みがなされてきているオンライン・コラボレーションですが、ミュージシャン同士のソーシャルネットワーキングであったり、ファイルの受け渡しに焦点があてられていたこと、また、ミュージシャンがそれぞれ違うソフトウェアやMIDI機材を使っていたり、大きなサイズのオーディオファイルのやり取りが厄介であったりなど、快適なコラボレーション環境とはいい難いものだったわけです。
しかし、ネットスピードが向上し、クラウド技術が向上し、オンライン・コラボレーションもかなり現実的になってきているような動きがあるようです。
たとえば、間もなく正式にローンチされるOhm Force社による「Ohm Studio」は、オンラインコラボレーションを目的として作られたDAWソフトウェアで、ユーザー同士が同じDAWソフトウェアを持つことによってオンラインコラボレーションを可能にするものです。
今日紹介する「Splice」も数年前から提供されているツールですが、間もなく大きくリニューアルされ、Ableton Liveを使うクラウド型のオンライン・コラボレーション・ツールと生まれ変わるようです。Ohm Studioとは違い、これまで使ってきたソフトウェア(Ableton Live )をそのままセッションに利用することができるのはひとつのアドバンテージのように感じます。
この「Splice」を利用するには、サイズの小さなアプリケーションをバックグラウンドで立ち上げて行くことが必要となるようですが、Ableton Liveで作られたプロジェクトのサンプルやセッションファイルは自動的にアップロードされ、「Splice Time Line」に公開されることになるようです。
コラボレーターは「Load in Ableton」ボタンをおすことによって必要なファイルをダウンロードすることができ、Ableton Liveを使いセッションに手を加えることができるようになります。作業が終了したら改訂版プロジェクトを同様にアップロード。
コラボレーターによって手が加えられたすべてのセッション内容は「Splice Time Line」に表示され、再びコラボレーターは必要なファイルをダウンロードすることによってセッションを進めて行くことができるようになるようです。MacのバックアップソフトウェアTime Machineのように、セッションのどの段階にでも後戻りすることができるのもSpliceの大きな特徴といえるでしょう。
気になるのは、もしもサードパーティ製VSTプラグインソフトウェアを使った場合はどうなるのか?たとえば一人のコラボレーターがMassiveを使ったけれども、他のコラボレーターはMassiveを持っていないような場合ですが、Spliceのマネージングシステムはプラグインソフトウェアの種類を識別し、コラボレーターのコンピューター内からその変わりとなるプラグインソフトウェアやフリーソフトウェアの案内までしてくれるそうなのです。
これまでのワークフローを維持しつつオンライン・コラボレションを可能にするSplice。まだ不透明な部分はありますが、とても期待できそうなツールとなりそうです。現在プライベート・ベータテスト受付中。詳しくはSplice Blogよりどうぞ。
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