北アイルランド・ベルファスト出身のSpace Dimension Controller(本名Jack Hamill)の初のフルアルバム「Welcome to Mikrosector-50」がレーベルR&Sから発売になったばかり。アンビエント、テクノ、エレクトロファンク、クラシックハウス、様々な要素が詰め込まれたトラックの合間には、アルバムの主人公となるMr.8040が「タイムトラベル、エイリアン、失恋、地球破壊」を語り、70年代のSFアニメを見ているかのような物語展開をしていくアルバム。
「主人公Mr. 8040が未来へ戻り、彼の母星Mikrosector-50に帰還するストーリーなんだ。戻った彼は何かを発見して、様々なことを経験していくんだ」
プロデューサーとしてだけではなくDJとしても活躍するSDCは20代前半とは思えない音楽の引き出しの多さを持つ。80年代のポップソングからスタートし、2時間後にはハードなテクノをプレーしている現場を見かけたことがあるのだが、フロアはいい意味で混沌としていた。どこまで冗談なのかどこまでシリアスなのかが分からない、決してクールともいい難いSDCのスタイルは今の時代のカウンターカルチャーといえるのかもしれない。
アルバムは後半に向けてテンポが上がっていく。8曲目の「You can’t have my love」はボーカルがフューチャーされたアルペジオ・ディスコ、9曲目の「Rising」はアシッド・ハウス。そしてなんといってもクライマックスは11曲目のメロウ演歌ハウス「The Love Quadrant」。オートチューンされたボーカルは日本人の歌心にも通づるものを感じさせられる。
「Welcome To Mikrosector-50」は現在 SoundCloudより全曲ストリーミング可能。4月7日には東京AGEHAでのSonar Soundに登場。