Native Instrumentsが新しいプラグインソフトCircularをリリースしました。

私は先週の Superbooth でこのCircular を試してみましたが、ひと言でいうと「ワンノートで映画級」。

コードや単音を弾くだけで、4 レイヤーのポリフォニック・シーケンサーが滑らかに展開し、グラニュラー効果やユニゾン、エフェクトを交えながら“動きのあるシーケンスフレーズ”を瞬時に鳴らしてくれます。

操作感は ここ最近のKontakt インストゥルメントらしく直感的ですが、シンプルなインターフェイスの裏側ではNIらしい、今どきのパワフルなポリフォニック・シーケンサーが脈動しています。

パラメータに触れた瞬間にサウンドが目に見えるように変化。特に ポリフォニック・アフタータッチ 対応コントローラーを使うと、ステップごとにフィルターを押し込んでいく感覚が気持ちいいです。サンプルを読み込んで軽くツマミを回すだけでも、ループ素材がシネマティック・フレーズに変身し、まるでクリフ・マルティネスのような品の良い音楽をさらっと奏でてくれるのが印象的でした。

 

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ドイツのtubbtecは、Roland SH-101やMC-202といったヴィンテージシンセのMIDIアップグレードキットで知られる、小さなながらも注目すべき開発チームです。

そんな彼らがSuperbooth 25で展示していたのは、「uniMatrix(ユニマトリクス)」。見た目は手のひらに収まるような基板ですが、その中身はまさに“楽器の再生装置”とも言える柔軟さを備えています。

uniMatrixは、古いシンセサイザーやドラムマシン、あるいは電子楽器全般に使われているキーボードマトリクス回路に直接接続し、それらをMIDI対応機器として生まれ変わらせることができるモジュールです。MIDIノートやCCへの変換はもちろん、外部から信号を注入して「押されたように見せる」ことも可能。22本のI/OピンやCV入出力、個別に設定可能なMIDIクロック出力など、音楽と機械のあいだをつなぐあらゆる手段が詰め込まれています。対応するシンセもとても幅広く、カシオトーンやYAMAHAのCS70なども含まれています。発想次第では、古い電卓や冷蔵庫のボタンまでもMIDI化できる可能性があるとのこと。

とはいえ、MIDI 2.0が到来し、より高解像度で表現力豊かな新世代のプロトコルが広まりつつある今、こうした“地味”なアプローチにはたしてどれほどの意味があるのでしょうか。

わざわざ古い機材を分解し、配線を追い、場合によってはMIDIキーボードを一台買えるほどの手間やコストをかけることに、合理的な価値があるとは言い切れないかもしれません。それでも、過去に作られた音と回路に、もう一度光を当てること。

uniMatrixは、古いものと今とをつなぎなおす——そんな静かな力を感じさせるツールです。

 

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Elektronの「Overbridge」は、Elektronのハードウェア機器(シンセ、ドラムマシン、グルーヴボックスなど)をPCのDAWと高いレベルで連携させるための専用ソフトウェア(無償)です。

通常、ハードウェアとDAWを統合するにはオーディオインターフェースやMIDIルーティング、個別の設定が必要ですが、Overbridgeを使えばUSBケーブル1本でマルチチャンネル録音・リアルタイム制御・音色編集までを一括して行うことができます

音作りからミックスまで、ソフトウェアとハードウェアの境目を意識せずに作業できるため、多くのElektronユーザーにとっては制作に欠かせない存在となっています。

これまでPC(Windows/Mac)向けに提供されてきたこのソフトウェアが、iPadにも対応予定であることが、2025年のSuperboothで明らかになりました。

Elektronは今回、開発中のiPad版Overbridgeのプレビューを展示。現時点ではリリース時期などは未定で、今後のユーザーフィードバックをもとに開発が進められるとのことです。このバージョンは、最新のiPad OSに対応しており、Appleシリコン(M1以降)搭載モデルでの動作になっています。

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シンセサイザーやユーロラックモジュール、アナログのドラムマシンで知られるVermonaが、ドイツで開催中のSuperbooth 25において新しいドラムマシンdrumDING(ドラムディング)のプロトタイプをお披露目しました。私はそのデモ演奏を少しばかり見せてもらいましたが、個性的なアナログドラムのサウンドとサンプリング、そして現代的なシーケンサーを統合したこの機材は、ビートメイクのアプローチそのものを一歩先に進めてくれそうな存在に感じました。

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AFK Audioというドイツのスタートアップメーカーが発表した「Drumbeam」というMIDIコントローラー。これは、普通のパッド型でもキーボード型でもない、“叩いて操作する”タイプのドラムコントローラーとでもいうのでしょうか。見た目はスリムなバー型で58 x 3 x 5 cm、一見するとライトショーだけに目が入ってしまうのですが、使ってみると驚くほど多機能です。

Drumbeamの魅力のひとつは、エレクトロニック音楽のライブパフォーマンスに特化した柔軟性と表現力です。叩いた位置や強さを細かくMIDIに変換できるため、例えばキックやスネアだけでなく、フィルターの開閉、エフェクトの深さ、リバーブの量といったMIDI CCのリアルタイム操作も思いのまま。単なるトリガーではなく、「演奏しながらコントロールする」というスタイルが実現できます。

LEDによるフィードバックも視覚演出と連動できるため、音とビジュアルを一体化したライブパフォーマンスの表現にぴったり。デバイス自体が軽量で持ち運びやすいこともあって、ツアーやクラブイベントなど現場向きな設計になっています。

もちろん、Drumbeamはライブだけでなく、アコースティックドラムセットに組み込んだり、ホームスタジオのデスクに常設しておくのもいいでしょう。USB-Cで駆動し、iPhoneからの給電も可能なので、充電に悩むこともないでしょう。

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Superbooth 2025で、Novationの新しいMIDIコントローラー「Launch Control XL 3」が発表されました。

私は会場で実機を触ることができましたが、想像以上に完成度の高いモデルだと感じました。派手さはありませんが、制作の現場でしっかりと機能してくれる頼れるツールという印象です。コレを待っていた人結構多いのではないでしょうか。

 

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