最近はやたらめったら「光」が多く使われたコントローラが多いのですが、その点、ドイツのメーカーFaderfoxのコントローラは言ってみるなら質実剛健。頑丈な作り、無駄な機能の少ないコントローラです。目的にあった機能だけを狭い机の上に置くことのできる小さなサイズも良いです。私自身6年前くらいに DJコントローラ(DJ2)を買ったのですが、それ以来のファンです。そんなFaderfoxのミクロモジュールコントローラシリーズの第4世代となるSC4PC4の出荷が開始され始めました。

 

SC4

 SC4 は8つのプッシュ式エンコーダーノブが備わったMIDIコントローラ、ノブの淵にはLEDライトが備わり、設定値を確認することができます。30までのユーザープリセットを本体に保存することが可能になっているほか、sysexダンプを使ったデータバックアップが可能になっています。

Ableton Live 用のスクリプトも用意されており、難しいセッティングなしに接続、すぐに使用することができます。SC4を2台使い、16トラック分のコントロールをすることも可能です。

面白いのは、8トラックのモノフォニックシーケンサーが備わっているとところで、MIDIノート・オクターブ・リピート・MIDI CC・アクセント・レングス・スキップなどの情報を入力しながらシーケンスパターンを操作していくことができます。公式サイトによると、このシーケンサーはローランドのM185 (System100M用のシーケンサーモジュール)に似ているだそうです。

SC4 はUSB接続・通常のMIDIケーブルでの接続に対応、またiPadとの接続(カメラコネクションキット要)も可能になっています。メインパワーのみでの動作も可能なので、コンピューターなしでも、ハードウェア機器(Elektronを使っている人は嬉しいはず!)と接続することもできます。

249 Euro

PC4

こちらの方は、24個のノブと2つのスイッチが付いたコントローラで、MIDI CC・ピッチベンド・プログラムチェンジなど、あらゆるMIDIパラメーターをアサインすることができるスタンダードなコントローラ。ユーザープリセットを本体に16種類保存することができるほか、sysexダンプを使ったデータバックアップが可能になっています。コンピューターソフトウェアで複雑なセッティングをしている際に起こりがちな、設定値が突然変わってしまうような状況に対応する「switchable snap function」という機能も搭載。

PC4 も同じく、USB接続・通常のMIDIケーブルでの接続に対応、またiPadとの接続(カメラコネクションキット要)も可能になっています。

音楽ソフトウェアだけでなく、ビデオソフトウェアの操作にも使えそうです。

199 Euro

詳しくは公式サイトよりどうぞ。

 

 

 

 

 


何ヶ月か前にティザービデオが公開され、注目を集めていたサンプラーアプリ「STROM」が発売になりました。

Elektron のドラムマシン Analog Rytmと接続することによって、サンプルエディター・パラメーターコントローラ・パターンジェネレーターとして使うことができるようにるアプリで、Analog Rytmを持っている人ならば絶対試してもらいたいものです。でも接続の際にはさらに内課金制でアップグレードが必要(2000円)になるので注意が必要です。

私は残念なことにAnalog Rytmをもっていないので、このアプリをスタンドアローンモードで試してみました。

STROM をスタンドアローンモードで立ち上げるとサンプルスライサーとして機能します。サンプルをインポート/エクスポートするにはAudioShare またはAudioCopyを使うことができ、また、iPadのマイクロフォンからサンプルレコーディングすることも可能になっています。

サンプルスライサーばすでに様々なアプリに搭載されているスタンダードな機能ですが、STROMのサンプルスライサーはひと味違います。スライスをタッチしていくことでシーケンスフレーズのような、アルペジオフレーズのようなものを作っていくことができます。

操作も極単純で、スライスをタッチした順番通りに音が再生されていく仕組みになっています。例えばスライス①を3回タッチした後にスライス③をタッチすると、①①①③の順番で音が再生されていくことになります。

スライスの数を多めに設定し、ランダムにタッチするだけでも摩訶不思議なアルペオパターンが作れたりもします。波形の下半分をタッチすると逆再生になったり、ピッチスイッチを入れると再生ピッチを変えることもできます。

作ったパターンをリサンプリングしてさらにスライスしていくことも可能で、永遠にリミックス作業を続けていく、なんてこともできるわけです。

確かに、Elektron のAnalog Rytmと接続してこそこのアプリの良さが100%発揮されるので、すべての人にお勧めできるものではありません。でも伝統的なループスライスに飽きて来てしまった人はぜひ試してください。このアプリにUNDO機能やMIDIクロック機能が付いたなら、さらにおすすめしたいアプリではあります。

 

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ドイツのソフトウェアメーカーEisenbergがリリースしたプラグインシンセ「Vier」。ドイツ語でいうところの「4」を意味します。というのもこの「Vier」 は Doepfer  MS-404をモデルとしているところが名前の由来その1。MS-404 はローランドTB-303のクローンとして注目され、今でも根強い人気を持つ90年代のアナログモノフォニックシンセサイザーです。

Eisenbergの「Vier」 はただのMS-404 のエミュレーションにとどまらず、なんと4台分のMS-404を一つのシンセサイザーにまとめてしまいました。これが名前の由来その2。

4台分のシンセサイザーというだけあって、GUIにはかなりたくさんのツマミが並んでいるのですが、これらのつまみ(パラメーター)をグループ/リンクさせ、一つのツマミを回すだけで10個でも20個でもいくつでもパラメーターを同時に動かすことができてしまうところがこのシンセの凄いところです。どのような音が出てくるのかは実験してみなければわからないわけです。

また、キーボードを弾いたときに、4台分のMs-404がどのような方法で発音するのか(ユニゾンであったり、コードであったり)設定することができるボイスマネージメント機能も搭載しています。

90年代のシンセサイザーMS-404が現代に蘇ったシンセサイザーVier。プリセットはかなりオールドスクールなんですけどね、でも、かなり面白いです。デモバージョンもあるのでぜひ試してみてください。

  • Oscillator parameters: Glide, Tune, Pulsewidth amount (square, saw and noise PWM)
  • Filter parameters: Frequency, Envelope (mod amount), Emphasis
  • Envelope parameters: ‘Accent’, ADSR
  • Drive control for each voice
  • VST/AU/RTAS plugin for Mac and Windows
  • 価格はユーロ99

 

 

Eisenberg

 

 

 

 

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Native Instrumenst のTraktor Pro2 の専用コントローラ、同社のフラッグシップコントローラとなるKontrol S8 の詳細が発表されました。価格は1199 ドル/ユーロ(日本価格は?ユーロ圏の方が若干安いようです)、発売は10月31日からとなっています。

ミキシングのためだけではなく、Remix Deck ・エフェクターを操作・ブラウジング・様々なパラメーターを操作することができるオーディオインターフェイス内蔵のオールインワンのコントローラ。

これまでのフラッグシップコントローラS4 よりもおよそ20%大きなサイズの作りとなったS8。奥行き: 38.7 cm、高さ: 6,6 cm、幅: 58,5 cm、重さ、 5 kg かなりの大きさです。

S4 に装備されていたジョグホイールが省かれたことに関しては賛否両論があるようですが、S8 は「ターンテーブルを回す」伝統的なDJ スタイルとは一線を引き、それに代わるコントローラとしてタッチストリップを搭載しています。

 

  • 高解像度ディスプレイ ブラウジング、トラック・インフォメーション、Remix Deckのセル情報を表示、おそらくコンピューターを全く見ることなくてもTraktorを操作することが可能になっているのでしょう
  • パフォーマンスパッド 16種類のカラー表示が可能なパッド、Remix Setセルのトリガー、フリーズ・モードによるスライス・アップとリアレンジ、ループの微調整、またはHotcueを用いた即興の全てをモニターしながら操作可能
  • タッチセンシティブエンコーダー ノブをタッチするだけでディスプレイには適した情報が表示される、コンピューターのスクリーンを見なくて操作することができる
  • 4Ch ミキサー CDやターンテーブルを接続する4chインプット、マイク入力も可能、スタンドアローンミキサーとしても機能
  • ピッチベンド・タッチストリップ ピッチ・ベンディング、トラック・シーキング、ビニール・スクラッチ・エミュレーション可能
  • Freeze and Flux   これまでTraktor DJ(アプリ)のみの機能だったFreeze、Flux 機能に対応
  • オーディオインターフェイス   高出力を必要とされる環境に対応
  • MIDI IN OUT シンセサイザーやNI Maschineなどと接続するのもアリ
  • プラグ・アンド・プレイ・コントロール    マッピングやコントロール・アサインなどの難しい設定は不要

 

Loop Recorder のセクションやテンポフェーダーはこのKontrol S8 では省かれているようです。

 

Native Instruments

 

 

 

 


Native Instruments のDJアプリTraktor DJ(iPad/iPhone両バージョン)がアップデートバージョン1.6 をリリースしました。このバージョンでTraktor DJ もついにAudioBusとIAA(インターアプリオーディオ)に対応することとなりました。ともにインプットソースとして使用することが可能になっています。

MIDIクロックにはまだ対応してないようですね。

それはさておき、現在Traktor DJ は半額セール実施中です。まだ試したことのない人はこの機会にぜひ。

Traktor DJ for iPad

Traktor DJ for iPhone

Traktor DJ 1.6 の新機能

• Audiobus との統合 – TRAKTOR DJ と GarageBand や Effectrix などのアプリケーションを連結
• インターアプリ・オーディオとの統合 – 他のアプリへオーディオ出力をストリーム
• Dropboxのような他のアプリ内に保存されているミックスのロード
• ダブルタップによるEQとボリューム・スライダーのリセット
• 相対的なEQとボリューム・スライダーのコントロール
• 改良された検索機能
• ロード後の HotCue ドローワーの継続的な表示

ios7 以降の対応

 

 

 

 

 

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サウンドデザイナー・音楽家、Diego Stocco によるサウンドデザインのためのチュートリアルビデオの第3弾「クリエイティブ・マイキング・テクニック」のリリースが開始されました。

数々のプログインソフトウェアやコントローラが世に出回る今日この頃ですが、本当の意味でのオリジナルサウンドを作るためにはマイクロフォンを効果的にそして独創的に使うことが必要だと力説するDiego Stocco。ビデオでは様々なタイプのマイクロフォンを使い、様々な物を、いかにダイナミクスを保った状態で録音していくかが解説されています。

何をどのように録音するか、、というところでDiego Stocco は桁外れの独創性を持っています。

たとえば、2本の指に小型マイクロフォンを取り付けピアノの弦をはじく音。弦楽器の弓にマイクロフォンを取り付けた状態でコントラバスを演奏する音。2本の箸に付けたマイクでギターアンプからならされるシンセサイザーの音をステレオレコーディングをする音。医者が使う聴診器を改造し様々なアコースティック楽器を録音する音。大小さまざまなサイズの電球にコンタクトマイクロフォンを取り付けパーカッションのように叩く音。マイクロフォンを入れた風船を水の中に浸けた音。煉瓦を通して鳴らしたシンセサイザーの音をコンタクトマイクで拾った音など。

様々な物のバイブレーションを至近距離から捉えていく彼のレコーディングテクニックに圧巻。ワイルドでありながらも暖かな印象を抱く結果を見て聞くことができます。

ビデオを見ているだけでも十分に楽しめる内容ですが、自分でも何かしたくなってくるインスピレーションを湧かせてくれるビデオでもあります。

そしてDiego Stocco は最後に一言、「Everything starts with your imagination…」と。

 

FFS 03 // Creative Miking Techniques$9.99

Diego Stocco