Live 12.3の新機能「Generators by Iftah」がめちゃ便利


昨日、Ableton Live の新バージョン 12.3 が正式リリースされました。

ここ数ヶ月ベータ版を使ってきましたが、実は「リリースノートに書いてあるのに、ベータには実装されていなかった機能」がひとつだけあったんです。それが今回から搭載された 「Generators by Iftah」 です。

これは、わずか数クリックでドラムパターンやアシッドラインを生成できるMIDIジェネレーター

プロデューサー Iftah が開発した2つのツールが、制作の最初のアイデア作りを驚くほど速くしてくれます。

とにかく“すぐ音を作り始めたい”時に最高

曲作りしていて「まず何か鳴らしたい」「土台になるビートが欲しい」という瞬間ってありますよね。

僕自身、ドラムを一から打ち込むのがちょっと億劫なタイプなんですが、Generators があるとそのストレスが一気に消えます。

ほんの数クリックで、毎回“新しい”パターンが生成される。

ここが本当に大事で、自分の手癖に縛られず、いつでもフレッシュなビートから曲作りを始められます。

Generators は 2つのMIDIツールセットで構成

Generators には、次の2種類のツールが入っています。

  1. Patterns(ドラムパターンジェネレーター)

  2. Sting(アシッドラインのパターンジェネレーター)

どちらも MIDIクリップビュー内で動作する純正ツール なので、外部プラグインのように立ち上げる必要がありません。

一度インストールしてしまえば、クリップ左下の「MIDI変形/生成ツールセレクター」からすぐ呼び出せるため、思いついた瞬間に操作を始められるスピード感が最高です。

 

Patterns – 6ボイス×専用アルゴリズムのドラムメーカー

Patterns は、6つのドラムボイスそれぞれに専用アルゴリズムを持ったドラムパターン生成ツールです。

使い方はシンプルで、

① 好きなドラムキットを選ぶ

② 空のMIDIクリップを作る

③ クリップビュー左下の「MIDI生成ツールセレクター」から Patterns を選択

これだけで準備完了。

あとは各ボイスに対して、

  • 使用するドラム音

  • 割り当てるMIDIノート番号

  • Beat Division(拍の細かさ)

  • Open/Closed ハイハット切り替え

  • Hi/Low タム切り替え

などを設定し、「Generate」ボタンでパターンを生成します。

特に便利なのが Voice Activator

これをオンにするとそのボイスだけを個別に再生成できるので、

  • キックは現状のまま、スネアだけ差し替えたい

  • ハイハットのバリエーションが欲しい

といったニーズに完璧に応えてくれます。

 

 

Sting – 即興的にアシッドラインを生成

Sting はアシッドラインを“演奏するように”生成するMIDIツールです。

TB-303系の音が定番ですが、どんな音源でもOK。FMベースや普通のシンセベースでも、面白い動きのあるフレーズが出来ます。

使い方は、

① 好きな音源をロード

② 空のMIDIクリップを作る

③ MIDI生成ツールセレクターから Sting を選択

さっそくニコニコマークをクリックしてみましょう。

Sting は、設定したパラメータに基づいて音楽的にまとまった 16ステップのフレーズ を生成します。

  • Note:音の動き

  • Expression:強弱の流れ

  • Velocity(オフ/ロー/ハイ)Accent

  • ノート長(3段階)Gate

  • Type:ランダム寄り ↔ アシッド寄り

  • RootTranspose:ピッチ調整

  • Rate:テンポ細分化

  • Density:ノート密度

 

 

感想

既存の MIDI Transformations  でもMIDIパターンの操作はできますが、Generators は最初から “ゼロから作る” ことに特化 している点がまったく違います。

まだ曲の方向性が定まっていない時でも、数回「Generate」するだけで“とりあえずの土台”が一瞬で手に入る。

こういう“入口のハードルを下げるツール”って、制作スピードを本当に変えてくれるんですよね。

しばらくは、アイデア出しツールとして Generators が主役 になりそうです。

12.3 の新機能の中でも、個人的にかなり推しのアップデート。

 

Ableton Live


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