Raspberry Pi(ラズベリーパイ)はLinuxで動作する名刺サイズの超小型PC。700 MHzのCPUプロセッサ、256MBのメモリを搭載し、わずか¥3.000という驚きの価格。

様々な使用法が考えられるこの小型PCですが、そこにさっそく登場したのがこの小型PCを使ったソフトウェアシンセサイザー。それもポリフォニックシンセサイザー。ビデオを見る限り、レイテンシーもほとんどなく、サウンドの方も¥3.000のコンピューターからなっているとは思えないクオリティ。数年後には、もう何十万円もするコンピューターの必要がなくなってくるのかもしれません。

Raspberry Pi Synthesizer

 


 

先日行われたKorgの新作発表会。今回はMonotron関連の新作発表はなし、ということで、世界のテクノマニアはやや落胆気味の様子。それよりももっと彼らの心がときめいたのは、あるハッカーによって投稿されたYouTubeビデオ KORG MS-20 ControllerとRaspberry-Piシンセサイザーだったようです。

Raspberry-Piは先日もお伝えした通り、わずか3000円で手に入る小型コンピュータボード。そしてMS-20 Controllerは数年前にプラグインシンセ Korg Legacy CollectionのUSBコントローラとして発売されていたもの。ビデオではこのコントローラを使いRaspberrz-Piをコントロールしています。MS-20のクローンシンセとして作られているわけではありませんが、サーキットベンディング的な手作り感とアナログフィルターのノブ操作が、テクノマニアが今もっと好きなものであることは間違いないようです。

個人的にはすっかり見落としていたこのMS-20コントローラなのですが、今ではiPadアプリiMS-20のコントローラとしても使用することができ、使い道は他にもまだいろいろ考えられるような気がします。なんといってもUSBコントローラにしてこのノブの大きさはかなり魅力的。残念ながらこのコントローラはすでに販売終了になっています。すでに持っている人はラッキー、今からオークションサイトで探してみるのも全くアリなのかもしれません。

via CDM

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Microsoft社は、7月11日のNAMM Summerにて音楽ソフトウェア ディベロッパーを対象とした基調講演を開催し、今月29日に公開となるWindows 10のオーディオ/MIDI機能の概要解説と、ディベロッパー(PropellerHead、Bitwig)を招いたデモンストレーションを行った。当日の模様はMicrosoftホームページ で見ることができる。SPECIAL A3E KEYNOTE

「Windows最後のメジャー アップデートバージョン」とうたわれているWindows 10。Windowsは今後大きなOS名やメジャー番号のついたアップデートは行わず、Mac OS XやiOS またはGoogle Chrome OSと同じように、インターネットを通じて頻繁にアップデート バージョンが提供される。また、これまでのユーザー(Windows7、8、8.1)はWindows 10リリース後1年間は無償でアップデート行うことができる。

凄いのは、Microsoftはこの1.2年の間に世界10億のデバイスをWindows 10  にするという目標を掲げていることだ。全世界でのWindows利用者が15億人といわれているだけに、あながち夢でもなさそうな数ではある。

 

 

 Windows 10 オーディオ/MIDI機能の概要

Windows 10 ではプログラム設計、MIDI API、Audioの統一化が図られ、同一のコードですべてのWindows 10 デバイスへのアクセスが可能になる。つまり、様々なタイプのWindowsデバイス(スマートフォン、タブレット、デスクトップ、Raspberry Pi2)で、同一の音楽/ Audio アプリケーションを動かすことができるようになるわけだ。ここがアップルの持つジレンマとは大きく違う。

 

  • MIDI API  すべてのWindows 10 デバイスからのアクセスが可能に。ひとつのMIDIハードウェア デバイスに複数のクライアントからのアクセスが可能。MIDIジッターフリーのオペレーション。
  • オーディオ スタック  低レイテンシーが最優先され、WDMやWASAPIでは15mscほどの高速化が可能に。デベロッパーはバッファーサイズへのアクセスが可能になり、極限まで下げたレイテンシー  サイズの設定が可能。特にスマートフォンが抱えるレイテンシー問題は大きく改善。
  • AUDIO   シングルコアでのオーディオプロセス管理、プロセッサーを指定することができるようになる、他のコンピューター・プロセスによる邪魔を回避。
  • CODE    FLACとALACのサポート

 

音楽メーカーとの共同開発

Microsoftは音楽ソフトウェアメーカーへの技術提供や、共同開発を推進していることも強調。例えばAKAI MPCの時期モデルはWindowsをベースとして開発していることや、xi Machineオーディオ・ワークステーションはWindows 10 に最適化した開発が進められている。また、Cakewalk SONAR、Presonos Studio ONE、image-line FL STUDIOはWindowsデバイスのマルチタッチ・サポートをより強化されるとのことだ。

キースピーチ後半ではPropellerHead 社とBitwig社によるMicrosoft Surfaceを使ったデモンストレーションが行われ、両社とも、Surfaceのタッチスクリーンを活用するインターフィスとしてのアドヴァンテージを強調します。

 

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個人的に思うことだが、この基調講演はこれまで音楽分野において比較的おとなしかったMicrosoftがアップルと同じ土俵に上がり、ソフトウェア・ディベロッパーに対して存在感を大きく示したという印象だ。Windowsの音楽分野での巻き返しはむしろこれからに違いない。絶対にあって欲しいのは、Microsoft HoloLens (ホロレンズ)を使う音楽ソフトウェアだ。

 

Windows 10

 

 

 

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価格$9のコンピューターが世にお目見えするという。名前はC.H.I.P.。アメリカ・CA州のNext Thing Co.というプログラマー+アーティスト集団によるスタートアップで、クラウドファンディングKickstarterに登場している。

C.H.I.P.はクレジットカードよりも小さなデバイスでありながらもパワフルなスペックを誇る。1Ghz R8 ARMプロセッサ、512MB RAM、4GBストレージ(eMMC)、マイクロ・コンピューターでもっとも有名なRaspberry Pi よりも断然パワフルということになる。

ゲーム、ウェブサーフィン、写真やビデオの編集もでき、データそのものもこのデバイスにセーブできてしまう。USB、マイクロUSBポート、マイクin.out 端子付き、WifiやBluetooth にも対応、モニターディスプレイとの接続端子も用意されている。Bluetoothを使えばコンピューターキーボードやマウスとの接続も可能、USBポートにMIDIキーボードを接続すれば立派なシンセサイザーにもなるわけだ。

数十種類のゲーム・ユーティリティ・エンターテイメント系アプリがプリ・インストールされているほか、オープソースのコミュニティーによって数千のアプリが準備されるとのことだ。(上のような画像が出回るということは音楽アプリの登場にも期待が持てるのではないだろうか)

C.H.I.P.は基盤がむき出しの状態になっているのだが、PocketC.H.I.Pというボックスを合体することによって4,3インチのスクリーン、フルキーボード、エクストラバッテリーが追加されることになる。

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とにかく一番驚かされるのはこのスペックにして$9という値段だ。MAKE MAGAZINEの記事によると、C.H.I.P.は中国のモバイル用チップ製造メーカーAllwinnerとの提携を組んでいるとのことでこの価格が実現するとのことだ。

クラウドファンディングの終了までまだ26日の時間が残されているのだが、目標金額$50,000を優に超える資金を獲得している模様。正式な製品の発送は来年度の5月を予定しているそうだ。

シンセサイザー自作派の方は是非チェックしてみてはどうだろうか。

 

C.H.I.P.

 

 

 


soundfighter

 

ピアノをコントローラとして使い、PlayStation2の人気ゲーム「ストリートファイター」を操作するというユニークなプロジェクト「Sound Fighter」。これはフランス・パリのDDB (Paris for the Maison de la Radio)によるプロジェクトで、Raspberry Pi・Arduino Uno・カスタムPCBを使い、2台のピアノ演奏がゲームコントロールとして伝達される仕組みになっている。

ビデオを見てみると、迫真に迫る戦いというよりは、昔のモノクロ喜劇映画を見ているかのような気分になる。もし凄腕のゲーマーがこのピアノコントローラを手にしたら、現代音楽並みの演奏になったりもするのだろうか?

 

 

Piano Fighter

via Synthetopia

 

 

 

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axoloti

 

 

以前にも紹介したことのあるデジタルオーディオ・プラットフォームAXOLOTIが製品化に向けクラウドファンディングIndie GOGOでのプロジェクトを開始しています。

AXOLOTIは、Axoloti Patcherというコンピュータソフトウェア(MaxやReaktorのようなモジュラー式ソフトウェアなのですが)を使ってシンセサイザーやエフェクターをデザインし、コンピュータとUSB接続したAxoloti Core ハードウェアにパッチをアップロードすることができ、アップロードした後にはコンピュータなしでもハードウェアを動作させることができるようになるというユニットです。ローランドのAIRA System-1 のプラグアウトシンセサイザーと同じような発想だは思うのですが、簡単に言ってみれば、ユーザー自身がデザインしたソフトウェアインストゥルメントをハードウェアインストゥルメントとして使うことができるようになるということです。どのようなインストゥルメントを作るのかはユーザーの発想次第、プログラム能力次第となるわけですが、忍耐次第では(!)私のようなプログラム音痴人間でもオリジナルのハードウェアシンセサイザーをデザインすることができるようになるわけです。また、ユーザー同士がコミュニティを通してパッチをシェアすることも可能になり、まさに「開かれたシンセサイザー」と言えるのではないでしょうか。

 
Axoloti Core ハードウェアのスペック

  • ステレオオーディオIN/OUT 24bitサンプリング
  • DIN MIDI IN/OUT
  • Micro-SDカードスロット (パッチやサンプリングデータの保存)
  • Micro-USB デバイススロット(コンピュータとの接続)
  • 180Mhz ARM Cortex M4 マイクロコントローラ + 256kB SRAM+ 1MB Flash (STM32F427)
  • USB ホストプラグ (USB-MIDIコントローラとの接続)(USB MIDI class compliance)

 

このようなオープンソースのハードウェアシンセサイザーというものはこれまでにも幾つかリリースされてきてはいるのですが、シンセ・アーキテクチャーに関しては固定されてしまっていることが多かったり、ファームウェアコードをいじることができる人であってもその複雑さが故に大概は手を出しにくい部分でした。その点、このAxoloti では簡素化されたソフトウェアを使うことによってユーザーが簡単にアルゴリズムを作ることができる点が大きなメリットとなっています。また、ArduinoやRaspberry Pi との違いは、ユーザーがコーディングやコマンドラインプロンプトを扱うことなしに、作りたいものだけに集中することができるところにあります。

 

 

クラウドファンディングIndieGOGOでの目標金額は$25.000$60からの出資でAxoloti コアボードを手に入れることができるチャンスです!

詳しい内容はこちらよりどうぞ。

AXOLOTI