早くからネットワークMIDIやバーチャルMIDIに対応するなど、先を走っている感のある二つのドラムマシン。MoDrumはイタリアから、Moltenはオーストラリアからのようです。今日はこの二つのアプリを比較してみたいと思います。MoDrum 非常にさっぱりしたインターフェイス、ページ数が少ないのでどこに何があるのか迷う事は少ない。音源はリアルタイムシンセモジュールなので考え方はTR909や808などのアナログマシンと同じ。1o個のサウンド(BassDrum/Snare/L-tom/M-tom/H-tom/Rim/Cowbell/Cymbal/O-hat/C-hat)をそれぞれエディットができる。シーケンサー32ステップ、スウィング、アクセント機能。メインアウトにかかるエフェクターはディレイ(付点8分のみ)、コンプレッサー、ディストーションの3つ。バージョン2.2よりWist機能に対応しているのでKorgのiPadアプリとのBlueTooth同期ができる。Wavファイルエクスポート、オーディオCopy/Pasteに対応。起動するまでの時間、セッションの読み込み時間にもほとんどストレスがない。iPad iPhoneユニバーサル仕様。

残念な点は、普通で言うところの2小節分のパターンのみしか作れないことやソング機能がないのでパターンを作りためていくことがメインになる。

Molten  とても派手な色使いが印象的なインターフェイス。考え方はドラムサンプラーなので内蔵のサンプル音源を使うことがメインになるがiTuneを通してユーザーが持つサウンドファイルを読み込む事も可能。8つある各サウンドごとにオシレーター、エンベロープの設定、トレモロ、EQ、フィルター、ビットクラッシャーの4つのエフェクトを使い音作りが可能。メインアウトにかかるエフェクターはディレイ、リバーブ、EQ、コンプレッサーの4種類。全4画面使い最大4小節のパターンが作れる上、各ページでは何拍のパターンを組むか設定できるので、組み合わせ方によって変拍子のパターンが作れる。MoDrumと違い1画面の中でパターンの全体像を見渡せる事ができる。Audio Copy/Paste対応、Wavファイルエクスポートに対応。iPad専用。

残念な点は、サンプル音源なので仕方のない事ではあるがパターンを読み込む度に音が停止してしまうといこと。(同じ音源を使っていても音が停止してしまう)そして同じくソング機能がないのでパターンを作りためていくことがメインになる。

MIDI USB接続やWifi接続を行う事でどちらのソフトもMIDI情報、MIDIクロックの送受信ができる。ここはどちらもおもちゃアプリでない事の証明でしょう。

MoDrumのMIDI設定画面

こちらはMoltenのMIDI設定画面

実験 両ソフトで打ち込んだ普通の4つ打ちキックドラムをWifiネットワークで接続されているAbletonLiveをならしてみる。MIDI同期(Ableton→iPad)MIDIノート(iPad→Ableton)

結果 こちらはMoDrumによるもの。MoDrumからAbletonへの送信がものすごく遅いのがわかる。

こちらはMolten。MoDrumよりは早い送信がされているようだが、一つ一つの音の長さが違うように見える。

まとめ まだまだネットワークMIDIは非常に不安定なもの。ドラムマシンのような安定性が求められるものにMIDIネットワークを使う事自体がややナンセンスか。レイテンシーの上ではMoltenに軍配が上がったはものの、長い時間再生しているとテンポに乱れが生じる。安定性という点ではMoDrumの方が良いように感じられた。どちらも今後のバージョンアップをさらに期待したい。

MoDrum v2.2¥500

Molten v1.13¥250

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