大人気のMonotron、その人気の理由は小さいボディから出るアナログマッスルとでもいうべき太いサウンド。今月発売になったばかりのMonotron DuoとMonotron DelayはオリジナルMonotronの後継機。Duoは2つのオシレーター、Delayはシングルのオシレーターにアナログディレイが搭載されている。オリジナルのMonotronとサイズは同じ(120×72×28mm)、単4乾電池2本で作動、小型スピーカー内蔵、小さすぎて意味のある演奏はほぼ不可能なリボン鍵盤だが、DUOのキーボードではスケールの選択ができるようになった。背面の小さな赤いボタンを押すことでクロマチック、マイナー、メジャー、無音階の4つから選択が行える。
DUOは二つのVCOを搭載しており、2つのモードで楽しめる。VCO1モードでは一つのオシレーターにX-MOD(クロスモジュレーション)をかけることでビブラートのようなものから過激なメタリックのような音も作れる。往年のコルグアナログシンセMonoPolyに搭載されていた機能だが効き具合はいまひとつか。VOC1+2モードでは二つのオシレーターを使用し、両オシレーターのピッチ幅を微妙にずらしたり(これは気持ちがいい!)、大幅にずらすことで幅広い音作りが行える。オリジナルMonotronと同様、MS20スタイルのローパスフィルターが搭載、Peak(レゾナンス)をあげると発振、、、叫びだします。
DELAY こちらの方がオリジナルMonotronとは大きく違う。シングルVCOにローパスフィルター(Peakは付いていない)。LFOは三角波と矩形波の2種、そしてアナログスタイルのディレイ。キーボードは実際のピッチとは関係がない。しかしディレイを入れるとこのリボン鍵盤の存在が重要になってくる。いい意味でオカルト映画のような狂った音が作れ、とても楽しめる。ディレイの音はチープではあるがそこがまたいい味をだしている。フィードバックを上げすぎると発振、、、収集がつかなくなる。本体背面にある小さなつまみをプラスドライバーで調節する事でLFOの波形のデューティー比率を調節できる。
両MONOTRONは外部入力端子AUXがついているのでDUOの場合は外部音源にフィルターかけることができ、DELYの場合は外部音源にディレイをかけることができる。DUOからDELAYにDELAYからDUOに接続するのもまた楽しい。
マニュアルには「温度によってピッチが変化します」と書いてある。その不安定さがアナログマシンの愛らしいところ。それぞれおよそ4000円、昔からのアナログシンセファンも、まだアナログシンセに手を出したことのない人でもなんとなく手に取ってみたくなるのでは。個人的にはDUOは渋いヤツ、DELAYは飛んでるヤツというイメージ。クリスマスプレゼント筆頭候補でしょう。