1980年に発売されたCASIOのVL-TONE。一部ではVL-1という名前でも呼ばれているらしいのですがその辺りの真相は謎。今でもカルト的人気を誇るこの小型マシン、ある国のテクノロジー博物館ではガラスケースに入れられ展示されているという扱いも受けているようです。チープな音源に計算機付きという今ではあまり思いつかないような突飛なアイデア、でもなんだか愛らしいルックス。ご存知Teenage engineering OP-1がこのマシンにインスパイアされてデザインされたというのも有名な話。

プリセット音源はバイオリン、ファンタジー(!)ピアノ、フルート、ギターが用意されていますが、もちろんそのような音には全く聞こえないのも今だから笑えることなのでしょう。プリセットリズムパターンにはマーチ、ワルツ、4ビート、スィング、サンバ、ルンバ、ビギンなどなどレトロ感漂いまくる10種類。Youtubeを検索するとこのリズムにインスパイアされたという世界中のアーティストの名前が羅列されます。代表各はドイツのバンドTrioによるDaDaDa。このマシンででしかありえない1曲になっていますね。

さらにシーケンサー付き。リアルタイム入力でもステップ入力もできますが音符100個分までのメモリーのみ。電池を交換したり、アダプターを外すと消えてしまいます。そして特に面白かったのがA.D.S.R.という機能。アナログシンセのアンプエンベロープジェネレーターがささやかに搭載されているのです。下の画像はマニュアルのコピー。

  1. 音作りの元にする音色選択
  2. アタック(A)
  3. ディケイ(D)
  4. サスティンレベル(SL)
  5. サスティンタイム(ST)
  6. リリース(R)
  7. ビブラート
  8. トレモロ

これらこれら8つの項目に1〜9の数字を設定、入力するとオリジナルの音が作れるというA.D.S.R.機能。マニュアルには「61179130」という数字を入れるとイングリッシュホルンの音色になると書かれています。もちろん音だけ聞いてイングリッシュホルンとは想像できませんが、もちろんその気持ちは良く理解できます。適当な数字を入力してどのような音になるのか試してみるのも楽しい、自分で考えて数字を入力するのも楽しく、どこまでエンベロープという物について理解しているのかを試してみたりするのも楽しいです。もちろんこのADSRがシンセサイザーの基本であることは言うまでもなく。

スピーカーから音をならしてみると、けっこういい音がするのがより可愛く思える理由。さらに、こんなことも試してみました。VL-TONEのアウトプットをDave Smith Mophoのオーディオインプットに入力をしてVL-TONEの音にフィルターをグリグリかけるという遊びはとてもアナログフィーリング。

さらにこのVL-TONEへの愛がつきない人々はこんなこともやっているようです。

 

One Response to はじめてCASIO VL-TONEで遊んでみた

  1. […] コアなファンもいる愛すべきガジェットシンセサイザーみたいですね。いっかいさん記事が非常に詳しいです。 […]

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