ドイツベルリンの新しいエフェクターメーカーであるKOMA Elektronik。今日はFT201 (アナログフィルター+10ステップシーケンサー)とBD101(アナログゲート+ディレイ)を試してみた報告をしようと思います。

FT201BD101、共にペダル式のエフェクターということで、本体左下には金属製のフットスイッチがついています。白のアルミケースに包まれた本体に、木製のサイドパネルが施してあるデザインはとてもクール。サイズ的にはMoogのMoogerfoogerシリーズを思い起こさせますが、こちらのエフェクターは共にフロントパネルに10個のパッチベイがあるので、ケーブルの接続を面倒に思うことなく行うことができるのが良いところです。そしてフロントパネル右下にあるのが、KOMAのチャームポイントとなりつつある赤外線コントローラ。コントローラの上に手をかざすと、その距離に応じてエフェクトの効果をコントロールすることができるもので、軽く遊んでみるとマジシャンにでもなったかのような気分、真面目に遊んでみると予測できないサウンドが飛び出して来るのに驚かされます。どちらもMIDIは装備されていないので、外部音源と同期を取る際にはCVを使った接続が必要になってきます。

BD101はアナログゲートとアナログディレイのコンビネーションを持ったエフェクター。まず入力された音はゲート回路を通り、SPEEDノブとGATE RANGEスイッチを使いゲートのスピードをコントロールすることができます。広いスピード幅の設定が行えます。

GATE SHAPEではLFOの波形を3種類の中から選択、そしてAMOUNTノブではゲート信号の量を設定します。

続いてディレイの回路では、TIMEノブでディレイタイム、そしてCYCLEノブでフィードバックの量を調節することができます。ディレイタイムが最長100msということで、いわゆるロングディレイを作るのには向いていませんが、フィードバックを多めに設定したところでディレイタイムノブを回してみるとビットクラッシャーや、テープレコーダーを逆回しにしたような効果を作ることができるなど、現代らしいクリエイティブなディレイサウンドを作ることができます。

SENSORアウトプットをSPEED/AMOUT/DLY TIMEと接続することで赤外線センサーでのコントロールが可能になりますが、モジュラーシンセを持っている人であればその接続方法によってもっと様々な楽しみ方が考えられます。

サウンドの方は「きらびやか」という表現は似合いませんが、やや歪んだアナログ特有のワイルドさを感じます。しかし古くささがあるようには感じず、新しいサウンドや実験的なサウンドをクリエイトすることができるエフェクターと感じました。

 

FT201はアナログフィルターと10ステップのシーケンサーのコンビネーションを持つエフェクター。ローパス、バンドパス、ハイパスの3種類のアウトプット端子からフィルターの種類を選ぶことができ、右下のスライダーでフィルターのレゾナンス、ノブでカットオフを調節することができます。

SEQ.SPEEDノブでシーケンサーのスピード、SEQ.LENGTHノブではシーケンスの長さを設定します。

本体中央にある10個の小さなツマミでは各ステップのカットオフフリークエンシーの量を設定でき、フレーズやリズムパターンを直感的に作ることができます。16ステップではなく10ステップシーケンサーというところもユニークですね。

赤外線コントローラからはレゾナンス、カットオフ、シーケンサーリセットのコントロールが可能。

EXT.CLOCKにクロックシグナルを送るとシーケンサーは外部との信号に同期することができ、シーケンサー部分ではここが一番の面白みになってきます。しかしMIDIを使った同期ができないことを考えるとDAW系の人にとってはあまり一般的ではないかもしれません。

サウンドに関しては艶やかさは少ないのですが、やはりワイルドさと暖かみがあります。

 

両マシンの背面では、小型の六角レンチを使ってセンサーや各アウトプットの感度を調節することができます。六角レンチ。。なんとも味のある方法です。

個人的なところでは、普段プラグインエフェクターをいくつも使って無理矢理に音を太くしようとする傾向があるのですが、このようなアナログエフェクターの空気感にふれてみると、それがやや不毛なことであるかに感じてしまいます。FT201 とBD101は決して値段が安いものではありませんが、安くないなりの堂々としたサウンドを得ることができ、新しいユニークなアイデアを湧かせてくれるでしょう。逆に言うと、デジタルエフェクターのようにコントロール制御をすることや、並のことをしようとしてしまうと時間がかかってしまう個性派キャラを持ったマシンです。しかしそこはプラスポイントと取るべきでしょう。

ケーブルを差し替え、実験を重ねながら作っていくサウンドは誰のものでもない唯一のサウンド。ギターを使うのであればさらに面白いことができるような気がするので、興味ある人は是非YouTube ビデオもチェックしてみてください。

http://www.youtube.com/results?search_query=koma+elektronik&oq=koma+ele&gs_l=youtube.1.0.0l3.482.4367.0.6135.13.12.1.0.0.0.79.799.12.12.0…0.0…1ac.OIsnP4DCtBU

今回は友人のスタジオにおじゃましてローランドのビンテージマシンとアナログシーケンサーを使ってKOMAマシンを試してみました。アナログとデジタルの音の違いって大きいですね!このマシンのおかげで多くののインスピレーションを得ることができました☆

KOMA Elektoronik

日本代理 Lep International

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