身の回りにあるものをすべてパーカッションにしてしまうアプリ
iOSの人気シンセアプリSunrizer Synthのディベロッパー Beep StreetがリリースしたImpaktor。机をたたいたり、手をたたいたり、声を出したり、iPad/iPhoneのマイクロフォンの近くで出した音はすべてリアルタイムでトリガー信号に変えられ、Impaktorのドラムサウンドを演奏することができるアプリ。
まず驚くのは物をたたいてからImpaktorがなる時間差(レイテンシー)がほとんどないことや、物をたたく強弱(ベロシティ)にも対応しているところですが、部屋の中がうるさかったりするといい効果を生むことはできません。
アイデア自体はKorg Wavedrumと似ているもので、iOSアプリVoxkitでもすでに同じような機能が搭載されています。違いは、Voxkitはサンプルをトリガーするアプリで、このImpaktorは強力なフル・シンセサイザーであるところです。
Impaktorのシンセシス
Impaktorのサウンドは2つのモジュール(A/B)から構成さてれており、それぞれのモジュールにはMembrane、Resonator、Vocoder & Noise、FM、これら4つのサウンドジェネレーター・モデルの中からの選択ができます。
- Membrance アコースティックドラムのような革の振動をシュミレート
- Resonator 金属板、トライアングルのような共鳴をシュミレート
- Vocoder & Noise ボコーダーモジュール ノイズサウンド
- FM 2オシレーターのFMシンセ
サウンドジェネレーターを選択し、パラメーターを動かした後はこれら2つのモジュールを組み合わせ、フィルター(9種類)、エンベロープを通して音作りを行うことになります。プリセットは4つのカテゴリー(Electric Ethnic Imaginary Industrual)全92のサウンドが用意されており、サウンド的にはとてもシャープで、どちらかというとメタリックな可愛らしい個性的なサウンドが特色でしょう。
レコーディングセクションでは6種類のサウンドをレコーディングすることができ、それぞれのパートにはレングス、クオンタイズ、エフェクター(ディレイ、リバーブ)ボリューム、パンの設定をすることができます。レコーディングする際はヘッドフォンを使うことが勧められています。またレコーディングしたものはAudio/Copy機能を使いエクスポートが可能。
使ってみて
楽しみながら、簡単にリズムパターンをつくることができる未来派のドラムシンセです。とても使いやすくフレンドリーで洗練されたなインターフェイスにも好感が持て、これで450円というのは素晴らしい話です。残念なのはMIDIに対応していないことですが、もしMIDI(MIDIクロック)に対応することになればより幅の広い使い道が考えられるような気がします。Imoaktorは演奏するためのアプリではありますが、リズムパターンを作り貯めれるような機能も付いたらより素晴らしいでしょう。
またちょっと余談になりますが、このImpaktorに限らず最近のアプリはAlesis I/O Dockのマイク入力に対応しないものが多く、もうすっかり忘れ去られている傾向があるi/o dock のユーザーとしては残念でなりません。ImpaktorがiOS対応のオーディオインターフェイスからの入力に対応しているかどうかは、まだ確認していません。
9月上旬にリリースして以来、様々なメディアで高評価を得ているImpaktor、YouTubeでも様々なおもしろビデオがアップされているので、紹介しておこうと思います。