昨日のムジークメッセ訪問から一夜明け、強く記憶にあるのは、コルグが発表した3種類のグルーブボックスVOLCA。ドラムマシンに特化したVolca Beats、リードシンセに特化したVolca Keys、ベースシンセに特化したVolca Bass。3種類のVolcaにはタッチパネルを使って操作することのできるループシーケンサーが内蔵し、内蔵小型スピーカーや乾電池でも動作するコンパクトなデスクトップ型マシン。アナログ音源(Volca Beatsは+PCM音源)を搭載し、操作はいたってシンプル。ややショッキングな色。MIDI入力にも対応してくれているのは凄く納得。Synct端子を使えばVolca同士、Monotron、iOSアプリSyncControlアプリを使った同期が可能になります。ヘッドフォンアウトプットしかないという不満も中にはあるようですが、個人的にはあまり気にはなっていません。価格がそれぞれ$150に設定されていることにはとにかく驚かされます。
3種類のVolcaはそれぞれのボディの色が違うだけでなく、ノブの位置、大きさも異なっています。新しく採用されている大きなツマミは操作がしやすいのですが、小さい方のツマミを操作するには手を小さく丸めなければなりません。タッチパネルは大胆な金色が使われ、さわり具合はとてもツヤツヤとしていて、指を左右に滑らしながら操作できるのがとてもよく、Monotronの小さなリボンコントローラと比べた時との大きな違いです。
特に一番気に入ったのはリードシンセVolca Keys。1974年のMiniKorg 700sのフィルター回路が採用されているそうで、ノブを回しているだけで良いサウンドに簡単に出会えます。Voicing機能の中のリングモジュレーション、ユニゾンモード、ポリモードを選択することで作ることのできるサウンドの幅も広がります。ディレイエフェクターはMonotron Duoと同様にVolca Keysのサウンドを大きく支配します。
ドラムマシンVolca BeatsはローランドのTR-808を思わせるオレンジと黒色のデザイン。特別に真新しいサウンドといった印象ではなかったのですが、それはメッセでヘッドフォンをして聞く環境だったというのもあるかもしれません。パーカッション部分はPCM音源で、Elektribeのテクノ系パーカッションといったような印象を持ちました。Stutter機能は単調なリズムパターンに変化を起こすことのできる楽しい機能。
ベースシンセVolca BassはローランドのTB-303思わせるものではありますが、303とは異なるコルグのフィルターが搭載されているアシッド系ベースサウンド。カットオフ・フリークエンシーのツマミが一番大きくなっていますが、このノブに大きな焦点を合わせてしまうのはやや90年代過ぎるかな?という印象も。しかしこれも同様にヘッドフォンではなくもっと大音量で聞いてみたいところです。
エレクトロニック音楽制作現場では最頻出キーワードとなっている「アナログ音源」。1970年代後半から80年代にかけて多くのメーカーが取り組んで来た アナログシンセサイザーがこの10年間程の時間に大きく見直され、今再びアナログシンセサイザーが世界中で人気を集めているのはご存知の通り。その中でも世界のシンセファンが特に期待していることは、日本のメーカーによる「新しいア ナログシンセサイザー」の開発。なぜ日本のメーカーなのか?それは過去に日本が名機を呼ばれるシンセサイザーを数多く残したからでしょう。
そんな期待に答えてくれたかのように、Korg が過去のシンセサイザーへのノスタルジー一辺倒ではない「新しいマシン」を発表したことはシンセファンにとって大きな喜びで、この何日の間はこの話題で持ち切りの様子です。
メッセでは「アメリカのシンセ、ドイツのシンセ、フランスのシンセ、、」などといったような話も会場内では多くされ、このVolcaが日本のシンセメーカーからのものであるということに個人的にはとても嬉しく感じたところでもあります。云々、、。とにかく発売が待ち遠しいです!
[…] そんな中、「日本メーカーKORGがアナログドラムマシンを発表」というニュースが飛び交ったのは今年2月に行われたドイツ・Musikmesseでのこと。復刻版とは違い、「Volca」というこれまで […]