iPad専用のDAWアプリCubasisのバージョン1.4がリリースされました。今回のバージョンアップでもかなり多くの機能が追加されていますが、特に注目したいのは「MIDIクロックの送信」に対応したことでしょう。
MIDIクロック
DAWソフトウェアとドラムマシンのシンクロであったり、シーケンサーマシンとドラムマシンのシンクロであったり、特に複数の機器を使ってシンクロ演奏をさせたいときに使うMIDI信号の一つ。CubasisがこのMIDIクロックの送信に対応したことで、他のiOSアプリ(特にドラムマシンやアルペジエーター)とテンポ同期を計ることが出来るようになり、Cubasisのプレイボタンを押せばそのBPMに合わせて他のアプリも演奏を開始してくれるようになります。
設定方法
まずCubasisの設定方法。setup画面より、画面中央右側に表示されているSyncronize: Send MIDI Clockをオンにする。
それでは例として幾つかのアプリの「MIDIクロック受信」設定方法を。まずはドラムマシンFunkboxから見てみましょう。
FunkboxのSetting画面、まずはAudio/MIDI settingsでClock SyncのExternalをオンにする。続いてMIDI Routing画面にてVirtual InputのClock Inをオンにする。すると通常FunkBoxのメイン画面に表示されているはずのStart/Stopボタンが消え、ここでCubasisをプレイをボタンを押すと、Cubasisのテンポに合わせFunkBoxも演奏を開始します。演奏途中にCubasisのテンポを変えてもFunkboxのテンポもそれに追従します。
ではKORG iElectribeとの同期演奏をする場合、、iElectribeには「MIDIクロック」設定画面が特に設けられていないませんが、Setting画面「Background Audio」をオンにすることでCubasisとの同期演奏が上手い具合に行われることになります。Cubasisのテンポを変えてもそのテンポに追従することになります。
ここまでは良い例。 Cubasis ユーザーフォーラムによると、iElectribe、 iElectribe Gorillaz、 Funkbox、 Basslineの動作確認が行われていそうなのですが、その他のアプリ、たとえばDrumJamやSunrizerのアルペジエーターとの同期になると問題が発生し同期がとれないことになっていますが、これはCubasisの問題ではないとのこと。各アプリの対応に期待したいところです。
iOSアプリだけではなく、外部MIDI機器との同期をとることのできるMIDIクロック機能。Camera Connection kitもしくは対応MIDIインターフェイスを使うことで、外部ドラムマシンやシーケンサー、またはDAWソフトウェアをスレーブとして走らせることができます。たとえばCubasisからAbleton Liveをスレーブとして走らせることも可能になるわけですが、これはあまり実用的な例ではないかもしれません。どちらかというとCubasisにMIDI クロックインプット機能を付けてくれた方がありがたいところかもしれません。