MusikMesse 2013 で話題になった、ドイツのPloytec 社開発による πλ2 (ピーエルスクエアド)にちょっとだけさわる機会があったので報告しておきます。

πλ2 はわずか 4.65 cm 四方、重さ30g のプラスチック製のボックスにMIDI in端子とRCA outとUSB Mini 端子が付いているミニミニシンセサイザー・モジュールで、普通に見たらこれがシンセサイザーとはとても思えないルックス。簡単になくしてしまいそうなサイズですが、そこが凄いところです。電源をMIDI端子から供給できるといのもちょっとした驚きですが、ケーブルによっては電源供給しないものもあるので注意が必要です。

ではこのスイッチもツマミも付いていない πλ2 でどのように音色を作っていくのか?というのが最初の疑問だと思うのですが、πλ2 はMIDI CC メッセージを使って音作りをしていきます。例えば、波形の選択から始まり、フィルターの選択、フィルターの調節、エンベロープの調節などをDAWソフトウェアやMIDIコントローラを使って管理することができるのです。サポートされているMIDI CC は52種類で、この MIDI CCリストをみれば、なるほど、と納得できるでしょう。

また、エディターを使ってコンピューター上で音色作りをすることもできるようではありますが、現在のところはWindows版のみがリリースで、Mac版は間もなくリリースされるとのことです。

πλ2 は2オシレーターのデュオフォニックとよばれるシンセサイザーで、オシレーターをスプリットするDual Modeにすることで和音(発音数は少ないですが)をならすこともできます。オシレーターには矩形波とPWMを組み合わせた4種類の波形、フィルター部にはアナログとデジタル両方が採用されています。

サウンドはシンプルなアナログシンセサイザーといった感じで、ベースサウンドからリードサウンドなどカバーできるもので、低音から高音までしっかりとした音がなります。通常のハードウェア機材に比べると音量が小さく、フラットに聞こえます。

外部MIDIキーボードを使った時にはピッチベンドやモジュレーションホイールも使うことができます。モジュレーションのデスティネーションには DRS Release, OSC Volume, Filter Resonance, Filter Cutoff Analog, PWM 1, PWM 2から選ぶことができ、これらのコンビネーションによる128種類のモジュレーションホイールモードも用意されています。ビブラートやトレモロのようなものから、トリッキーな効果を付け足すことができます。

また、これだけ小さなシンセサイザーであっても32種類のファクトリープリセット、加えて、32のユーザープログラムメモリーも用意されているのも嬉しいところです。

決して派手な演奏を楽しむ類いのものではなく、シンプルなフレーズをつくることや、シンセサウンド作りを楽しむシンセサイザーのように感じました。とくにAbleton Liveと接続してクリップオートメーションを書き込みながらフレーズを作るのが楽しかったです。MIDIは特に遅く感じることもなくタイトです。

また、ちょっと部屋の隅に追いやられた古いMIDIコントローラでもこのπλ2を接続すれば立派なシンセサイザーに生まれ変わります。MIDIコントローラにたくさんのフェーダーやツマミが付いているのならリアルタイムでサウンドコントロールできるので、さらにうれしくなります。

それにしても、やはりこのサイズは凄いですね。

πλ2は11月下旬国内発売予定、価格は¥12,600


Pl0ytec

 

 

 

 

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