ここ数年、たくさんのMIDIキーボードがリリースされていますよね。ちょっと楽器屋をのぞいてみてもその数の多さにビックリします。鍵盤の数も様々、機能も様々です。
僕自身、最近はラップトップを使い、iPadを使い、自宅で作業したり、友人宅で作業したり、ライブをしたりするので、どの用途にも簡単に使えそうなMIDIキーボードを探しているところです。その上、最近はデスクトップ型のシンセサイザーが机の上を散乱してまして、できるならミニサイズのものがいいだろう、ということで試してみたのがNovation Launchkey Miniです。
25鍵盤+ローンチパッド+8ノブが付いたウルトラコンパクトなMIDIキーボード
Launchkey MINIは 2オクターブのミニ鍵盤+16のラウンチパッド+8つのノブが付いたMIDIキーボードです。本体の厚さがわずか 4.3cm、重さがわずか675g、持ち運びにも苦労しない、置き場所にも困らないコンパクトな設計です。ラップトップの前に置いても邪魔になりません。
16のローンチパッドはベロシティにも対応しており、たたきき心地・触り心地も抜群のクオリティです。キーボードはミニサイズなので指が太い人やシリアスなキーボードプレイをしたい人には向いていないものです。
同じくNovationから Launchkey 25というMIDIキーボードがリリースされていますが、こちらの方は鍵盤数が同じ 25 ではありますが、鍵盤のサイズがプロフェッショナルサイズであるのと、トランスポートスイッチやピッチベンド・モジュレーションホイールがついているので、その分本体のサイズは大きくなり、厚さもおよそ2倍の8.1cmになっています。
Launchkey MINIはUSBクラス・コンプライアント対応。つまり、Mac・Windows(Linuxでも!)タブレット、iPadはもちろんのことWindows 8タブレットでもAndroidタブレットでも接続することが可能です。どの場合でもドライバーのインストールは不要で、どのコンピュータでもどのタブレットとでもすぐに接続して使えるのが嬉しいです。電源はバスパワーで供給されるるので、友人の家出もカフェの中でも、飛行機の中でもバスの中でもどこでも使えるのも嬉しいところです。
IN Control
他のメーカーのMIDIキーボードとの一番大きな違いとなるのが「IN Control」という機能です。
これはLaunchkey MINI本体左側にある一つのスイッチなのですが、これをオンにすることによって主要ソフトウェアのオペレーションをすぐに行うことができるようになり、これをオフにすると(MIDIモード)にすると通常のMIDIコントローラとしての機能に変わります。
具体的な例を挙げると、Ableton LiveやFL Studioと接続すれば、パッドを使ってクリップローンチを行うことができるようになり、このIn Controlをオフ(MIDIモード)にするとパッドをドラムパッドとして使うことができるようになるのです。つまり、クリップベースのソフトウェア(Ableton Live/FL Studio/Reason)と接続すればパッドの使い道が2種類になるということです。
ではクリップベースではないLogicやCubaseのようなソフトウェアと接続したときにはどのような動きになるのかというと、In ControlモードにするとLaunchkey Miniのノブで各トラックのボリュームを操作することができ、In ControlをオフにするとMIDI CCメッセージを送信してプラグインシンセのパラメーターをコントロールすることができるようになったりするわけです。つまりノブの使い道が2種類になるというわけです。
iPadと接続したとき (In Controlモード)
Launchkey MINIはカメラコネクションキットを介すことでiPadとの接続も可能です。特にNovationが2013年初頭にリリースしたiPad 専用のアプリ(無償)「Launchpad app」と「Launch Key app」とのコンビネーションが抜群に良いです。
この2つのアプリを立ち上げるとテンポ同期をする仕組みになっているので、「Launchpadd app」でリズムトラックを操作し、「Launchkey app」でシンセフレーズを演奏するなど、同時演奏をすることができます。
とくに感激するのは、Launchkey Miniの「Track 」ボタン一つでこの2種類のアプリケーションを瞬時に切り替えることができるところです。
iPadと接続したとき (MIDIモード)
「In Control」モードをオフにするとMIDIモードに変わります。この場合AnimoogやiMINIのようなMIDI 学習機能を持ったシンセアプリを使うのが特に楽しいです。Launchkey MINIの8つのノブにシンセアプリのパラメーターを割当てすればこれまでよりもiPadを使ったサウンドメイキングや演奏が楽しくなります。現在MIDI学習機能を持つアプリのリストアップしておきますが、もしこれ以外にもあったら知らせてください。
MIDI学習機能サポートアプリ
- Sunrizer synth
- SunrizerXS synth
- SampleWiz
- Arctic Keys
- BeatMaker 2
- NanoStudio
- MidiPads
- Electronic Piano Synthesizer
- Electronic Piano Synthesizer XS
- Grain Science
- NLog MIDI Synth & NLogSynth Pro
- Genome MIDI Sequencer
- Magellan
- Turnado
- Noisepad
- Nave
- AUFX:Space
- AUFX:Dub
- Modular Synthesizer
- Loopy for iPhone
- Loopy HD
- iMINI
- iSEM
まとめ
Novation Launchkey MINIはキーボードを使ったプレイだけでなく、パッドを使ったプレイやノブを回すコントロールアクションも可能で、様々な表現を楽しむことができます。
「In Control」による機能使い分けはとても便利です。特にAbleton LiveユーザーにアピールするMIDIキーボードと言えそうですが、もっと様々なテンプレートが用意されても良かったような気がします。
iPadとくに2つのNovationのアプリとの連携は素晴らしく、このMIDIキーボードはこのアプリの為にあるのでは?と思ってしまう程のものです。2つのアプリを同時にコントロールしながら演奏することができるのはiPadユーザーとしては初めての経験となります。
Novation以外のアプリと接続した時には通常のMIDIキーボードとしての機能になりますが、やはりノブを使ってパラメーターをコントロールすることができるのは楽しく、音楽アプリの使い道もさらに広がります。
見た目もスマート、作りも頑丈で、環境を選ばずどこでも気軽に使うことができるNovation Launckkey MINIです。
価格およそ12,600円
Ableton Live Liteソフトウェア+Novation Bass Station/V-Station (プラグインシンセ)+Loopmasterサンプルコレクションが付属
楽しく拝見させて頂いてます。
Launchkey miniは気になります。
こちらの商品はパッドがベロシティ対応との事ですが、鍵盤部はベロシティ対応しているのでしょうか?