複数のモノシンセをポリシンセのようにして演奏することができる、という魔法のようなソフトウェア「POLYMER」が昨日Mac App Store でリリースになりました。
最初はいまいち意味を理解できなかったのですが、価格が2000円(CD一枚分くらいの感覚?)ということもあり、半信半疑でダウンロードしてみました。
たとえば、MIDIキーボードを使ってモノシンセサイザーを複数台(3台でも4台でもいいのですが)を同時に演奏しようと思った場合、DAWソフトウェアで設定を行なえば音をならすことはできますが、同じピッチの音が同時になってしまいます。もちろんモノシンセであればコード弾きを行なっても反応してくれません。
でも例えば「ド・ミ・ソ」というコードをMIDIキーボードで弾いたときに、「ド」の音はVolca Bassで、「ミ」の音はAira System-1で、「ソ」の音はMini MOOG で、、、と行った具合にMIDIノートを分配すればポリシンセのようにコード演奏をすることができるのでは? というのがこのソフトウェアの基本的なアイデアなのです。
POLYMERを使うにはコンピューター(Macのみの対応 OS 10.7以降)とUSBのMIDIインターフェイスが必要になります。そして使いたいシンセサイザーがすべてMIDIケーブルによって接続されていることが前提となります。ソフトウェアシンセを使うことも可能なのですが、その場合はIACドライバー(Mac OS>ユーティリティ>AUDIO MIDI 設定>MIDI設定の中)の起動が必要になります。
POLYMER を開いてみると、思った以上にシンプルなインターフェイスであることにビックリします。スクリーンは一面だけです。
まず、インプットの設定部分で使いたいMIDIコントーラ(MIDI キーボード)とMIDIチャンネルを選択します。そしてアウトプットの設定部分で使いたいシンセサイザーが接続されているポートとチャンネルを選択します。ソフトウェアシンセの場合にはIACドライバを選択します。
するとスクリーン中央のスペースにカラフルな円が表示され、設定が完了したことが知らされます。
MIDIキーボードでコードを弾いてみます。
すると、まるでポリシンセであるかのようにコード演奏をすることができるではありませんか ♫
POLYMERは合計で32チャンネルまでの設定が可能。またベロシティ、ピッチベンド、モジュレーションホイールなどのコントロールにも対応しています。
このように全くもってニッチのニッチなソフトウェアではあるのですが、MIDIのルーティングをごく簡単に設定することができるのがこのソフトウェアの賢いところです。設定次第ではもっと面白いことができるはずです。また、モノシンセサイザーやモジュラーシンセを数台持っている人であるのなら、このソフトウェアによってコード演奏をすることができるようになり、今までと違うアンサンブル演奏を楽しむことができるようになるわけです。
なんだか凄いです。