マスタリングエンジニアというプロフェッショナルな職業が存在するようにそこには奥の深い深い作業があるわけです。でも最近はデモ音源をクライアントに聞かせる段階からでも音圧、音量などの是非を問われることが多くなり、仮のマスタリング作業を自分で行なう人も多くなってきているようです。インディペンデントなエレクトロニックミュージックプロデューサーの場合(私が知った範囲のことですが)は、プリマスタリングも含め音楽プロデュースの一環と考える人も多く、マスタリングツールを駆使し追い込みをかける姿をみることも多くなってきました。
そのマスタリングソフトウェアの定番のひとつ、となりつつあるのがiZotope のOZONEというソフトウェアですが、このOZONEが先日バージョン6 をリリースしたばかりです。
マスタリングに必要なすべてのプロセッサーをひとつのシステムに詰め込んだ『iZotope Ozone』は2ミックスの音圧や質感の調整から最終的なオーディオレベルの最適化までを簡単に直感的な操作をすることができるソフトウェアです。OZONE には二つのバージョンが用意されており、標準版はイコライザー・マキシマイザー・ダイナミクス・エキサイター・ステレオイメージングこれら5種類のエフェクターがひとつにまとめられたプラグインソフトウェアとなっています。アドバンス版では新搭載となるダイナミックイコライザーを加えた6種類のエフェクターが含まれているのと、各エフェクターを個別に使うことのできるコンポーネントプラグインを含んだパッケージとなっています。
これまでのOZONEはDAW プラグインとして機能していたわけですが、OZONE6 ではスタンドアローンソフトウェアとしても機能。つまりDAWソフトウェアを立ち上げることなく、すべてOZONEの中でマスタリング作業(フェードインアウト・トリミング・ファイルエクスポート・サンプルコンバート)ができるようになっています。バージョン5 に搭載されていたリバーブが姿を消してしまいましたが、OZONE6 スタンドアローンモードではサードパーティ製のプラグイン(AU/VST)をチェーンインサートすることも可能になっているので、自分の持っているリバーブプラグインを使うことができるようになるわけです。すべてのサードパーティ製プラグインインサートすることができるわけではなく、WAVES製プラグインは未対応、Universal Audio製プラグインには対応していますがUADシステムプロセッサーを50%以上使った場合には問題が発生する可能性が増えてくるとのことです。
OZONE6 アドバンスバージョンに新搭載されたダイナミックイコライザーは、通常のイコライザーと同様に特定の周波数のゲインを調整することができるだけではなく、特定の周波数にコンプレッサーを掛けることができるエフェクターです。特にミックスの中で目立ちすぎる周波数帯を押さえることに長けたエフェクターで、通常のイコライザーでは不可能な緻密な調整を可能にするものです。
OZONE6 でもっとも目を引くのはやはり大きく様変わりしたインターフェイスです。SF映画の一場面のようだったOZONE5 とは違い、青色を基調としたインターフェイスには落ち着きを感じることができます。パラメーターの横に描かれたアイコンや、大きく見えやすくなった文字によって作業中のストレスも減ることでしょう。
OZONE 6 は11月13日までのセールを実施中。OZONE6 標準版(通常価格$249/セール価格$199) OZONE アドバンス版(通常価格$599/セール価格999)
10日間使用可能のデモバージョンもあり。