NAMM2015 をチェックしていて分かるように、モジュラーシンセサイザーの復活熱はさらに高まっている様子だ。ひとつひとつのモジュールにこだわりを持ち、様々な方法で接続していくことで想像を超える音創りができる「モジュラー」は今のエレクトロニックミュージシャンにとってのひとつの重要キーワードと言える。とはいえ、ひとつのモジュールを手に入れるのに何万円、そしてこれをいくつも組み合わせていかなければいけないことを考えるとやはり慎重になってしまうのが現実だ。
そこで登場したのが、コンピューターを使ったバーチャルモジュラーシンセサイザーOSCiLLOT だ。
Max for Cats がリリースしたOSCiLLOT はAbleton Live Max for Live 専用のバーチャル・モジュラーシンセサイザーだ。用意されているモジュラーはオシレーター・プロセッサー・フィルター・ミキサー・モジュレーター・アンプ・シェイパー・シーケンサー・ユーティリティーなどなど100以上に及ぶ。これだけのモジュールがあればシンセサイザーやエフェクター、ドラムマシン、どのようなデバイスでもクリエイトすることができるのではないだろうか。操作方法もごくシンプルで、パッチ・コードでモジュールとモジュールを接続するだけのようだ。すでにパッチング済みのシンセサイザーやエフェクターも多数収録されているとのことだ。必要なものはMax for liveを内包しているAbleton Live Suite。
バーチャルだからといって謙遜する必要はない。通常ハードウェアのモジュラーシンセはモノフォニックだが、OSCiLLOTは6ボイスのポリフォニックだ。また、ユーザーが各モジュラーに変更を加えたり、独自にモジュラーをデザインすることのできるSDKも用意されている。Max for Catsからも新しいモジュールが発表されていくとのことだ。
OSCiLLOTはハードウェアモジュラーシンセまたはCV/GATEシグナルを受信するハードウェアシンセとの統合も可能になる(オーディオインターフェイス要)。「コンピュータソフトウェアとハードウェアモジュラーシンセの統合」も今年のシンセサイザーのキーワードとなるに違いない。(談;某モジュラーシンセメーカー)
$99のバーチャルモジュラーシンセOSCiLLOTはAbleton公式ホームページからの購入が可能となっている。