Fugue Machineはバッハに代表されるようなバロックや、セリエル、ミニマルなどの作曲技法から着想を得て作られたシーケンサーです。そうはいっても操作はいたって簡単。メロディーを打ち込み、再生を開始。4つの再生ヘッドのスピードを変えたり、再生方向を変えたり、ピッチを変えたりするだけで、 バッハのような音楽を作ることができてしまうのです。
開発はArpeggionomeでおなじみのアメリカのミュージシャン/ディベロッパーAlexandernaut。公式HPによると、Fugue Machineは「世界初のマルチ再生ヘッド式ピアノ・ロール」とのこと。まずはイントロビデオからご覧ください。
通常DAWソフトウェアのピアノロール・エディタは、再生ヘッドが左から右へ一定のテンポで動き、打ち込んだMIDIノートを再生していきます。でもFugue Machineの場合は再生ヘッドが4つ。それぞれの再生ヘッドはそれぞれ違う速度で動き、違うピッチで再生を行います。ここで作られる旋律もメチャクチャというわけではなく、もしキーボードやDAWソフトで作っていたら半日以上はかかってしまうような、そんな複雑なことも難なくできてしまうところが素晴らしいです。
また、これまで様々なiPadシーケンサー(ピアノロール)を見てきましたが、Fugue Machineの操作方法はとくに簡単で迷うことがありません。例えば、2本指でスクロールすればノートの移動ができ、3本指で横スクロールすればノートの長さを変えることができ、縦スクロールすればベロシティを変えることができなど、どのジェスチャーも複雑すぎないところが好印象です。
大型iPadの発売も迫っていますが、この手の革新的でユニークなシーケンサーが音楽アプリの一つのトレンドとなりそうです。もちろんMIDI接続してハードウェアシンセを操作するのも楽しいでしょう。