先日書いた「充電ケーブル1本で、iPad/iPhoneの音をAbleton Liveに取り込む方法」という記事の反響が大きかったので、今日はその続編ということで、StudiomuxというiOSアプリを使い、iPad/iPhoneの音をコンピューターに取り込む別の方法を紹介しましょう。
Studiomuxは以前にこのブログでも紹介したAudiomuxのアップグレードバージョンで、通常のUSB充電ケーブルを使うだけで、iOSデバイスからコンピューターへ最大8チャンネルのオーディオをストリームすることができるアプリです。例えば、Ableton Linkを使って幾つかのアプリでセッションしているとき、それぞれのアプリをAbleton Liveのオーディオトラックにレコーディングできたり、または、友達のiPhoneも接続して、2台のデバイスを同時にAbleton Liveにレコーディングするようなことが可能となります。
Studiomuxはオーディオストリーム以外にも、MIDIインターフェイスとしての役割もこなす機能豊富なアプリなのですが、今日はこのオーディオの部分だけに絞って見てみます。Studiomuxは、iOS 7.0 以降のiPhone/iPad/iPodTouch、そしてMac OS10.7とWindows7 以降に対応しています。
Studiomux のAudio機能概要:
- iOSデバイスからMac及びWindows PCへのオーディオのストリーム
- VSTとAU対応、iOSアプリのDAWの連携が簡単に
- 一度に複数のiOSデバイスの使用可能、各デバイスは8ステレオチャンネルまでの双方向のストリーミングが可能
- IAAとAudioBus対応の数多くのアプリに対応
- IAAとAudioBusミキサー搭載、ボリューム、ミュート、モニター操作可能
- 簡単な操作でインストゥルメントアプリやエフェクトアプリのルーティングが可能
- IAAアプリにはMIDIノートのインプットが可能、VSTインストゥルメントと同様に扱うことが可能
- Ableton Linkに対応、IAAアプリとの同期が可能
接続に必要な物
設定方法
Studiomux、そしてサーバーアプリを立ち上げると、コンピューターのメニューバーには小さなアイコンが表示されます。使っているiOSデバイスがきちんと接続できていれば、Midi ConnectionsとAudio Connectionが1/1と表示されます。(画像下)
Studiomuxから使いたいアプリを起動します。StudiomuxはIAA対応アプリとAudiobus対応アプリを使うことができますが、AudioBusアプリを使うにはAudiobusアプリも立ち上げなければなりません。ここではまずは、IAA対応アプリコルグのiELECTRIBEを起動してみましょう。Studiomuxのスロットにある「+ボタン」をタップすると、インストール済みのIAAアプリ(インストゥルメントまたはエフェクト)が表示されるので、ここでiELECTRIBEを選択します。すると、iELECTRIBEは自動的に起動し、スロットにはアイコンが表示されます。(画像下)
ではiELECTRIBEの音をAbleton Liveに通してみましょう。Ableton LiveのVST Plug inフォルダーにある「Studiomux Generator」というプラグインをAbleton LiveのMIDIトラックに挿入します。続いて、新しいオーディオトラックを作り、ここにStudiomux プラグインのオーディオ信号をルーティングします。設定はこれだけ。
プラグインのインターフェイスには、iPadからiElectribeをレシーブしているという情報が表示されています。(画像下)
iELECTRIBEをスタートしてみましょう。すると、、、Ableton LiveからiELECTRIBEの音がなるんです♪ しかもiELECTRIBEはAbleton Linkに対応していますので、Ableton Liveとテンポ同期もできているはずです!
さらに別のアプリを立ち上げてみましょう。今度はコルグのGadgetにしてみましょう。Studiomuxアプリのスロット2でGadgetを選択します。
Ableton Liveの新しいMIDIトラックには、先ほどと同じようにVSTプラグインStuiomuxGeneratorを挿入し、新しいオーディオトラックにルーティングを行います。
プラグインのインターフェイスのアイコンをクリックすると、Gadgetを選択できます。(画像下)
これで設定完了。iElectribeとGadgetがそれぞれ別のチャンネルに入力されましたね。
このようにして、合計で8つまでのアプリをDAWにストリーミングできるようになるのですが、アプリの重さにもよりますが、さすがに8つのアプリを同時に鳴らすことは厳しいです。筆者はiPad Pro を使っていますが、3〜4つまでのアプリが限界かなというところです。ノイズが気になりだしたら、Studiomuxのバッファーサイズを上げることで幾分解消できます。
iPhoneも接続してしまえ!
Studiomuxのすごいところは、複数のiOSデバイスの使用が可能なことです。つまり自分のipadだけでなく、友達のiPhoneも一緒にAbleton Liveにオーディオストリーミングできてしまうのです。
それでは今度は、コルグのiKaossilatorを使ってみましょう。設定はこれまでと全く一緒です。コンピューターとiPhoneは通常のUSB充電ケーブルを使って接続、iPhoneでもStudiomuxアプリを立ち上げ、お気に入りのアプリを選択します。
Ableton Liveの新しいMIDIトラックにもStudiomux Generatorプラグインを挿入します。Studiomux Generatorプラグインを開き、今度はここでiPhone、それからiKaossilatorを選択します。(画像下)
設定は以上。これで友達のiKaossilatorの音もAbleton Liveに入力されます♫
先ほども述べましたが、StudioMuxというアプリは、このようなオーディオストリーミング機能以外にも様々な優れた機能を持っているのですが、それはまた別の機会に紹介することにします。
Ableton Linkを使って楽しくセッションした後はしっかりレコーディングして、トラックの完成に向けて頑張りましょう。
StudiomuxはAppStoreにて価格¥1.200