コントローラアプリLemurの開発で知られるLiineが、エレクトロニック音楽を簡単に作ることができるアプリSkramをリリースしました。Skramは4つの音源(3×シンセ、1×ドラムマシン)と、Widgetと呼ばれる3種類のシンプルなジェネレーター/シーケンサーを使って音楽を作ることができます。
様々な種類の音源を使うというアイデア自体はコルグのGadgetと似ていますが、 Skramはタイムラインのシーケンサーを使わず、4つの音源それぞれでパターンを作り、ライブパフォーマンスの感覚で音楽演奏/制作を行えます。
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4種類の音源Device
Skramには4種類の音源がバンドルされています。
ベース用音源のSkram は303的なアシッドベースからDX-7的なタイトなベースサウンドを作ります。2種類のメロディー/ハーモニー用音源はOrphic とHeatstroke 。Orphicはベル系の高いトーンのサウンドを作り、特にORB/LUCIDノブを回すと幻想的なサウンドになります。Heatstrokeはメタリック系のサウンドを作り、METALノブを回すと鋭いトーンに、DIRTノブを回すとザラついたトーンに変わります。これら3つのインストゥルメントはディレイエフェクトも装備しています。BR-909 はTR909スタイルのドラムマシンです。キック、スネア、クローズハット、オープンハット、タム、クラップの6つのドラムインストゥルメントを装備し、各インストゥルメントのピッチやレングスなどの調整を行え、SPECIALノブはフィルター効果を作ります。
音源(Device)のノブの数は4〜5個に限られているので操作に迷うことがありません。しかもどの音源もスマートなチューニングが施され、音がとても良いのです。
3種類のジェネレーター/シーケンサーWidget
それぞれの音源(Device)はWidgetと呼ばれるジェネレーター/シーケンサーを使ってパターンを作ります。各音源(Device)の端にある波形アイコンのスイッチを押すとWidgeの表示に切り替わります。
ベース音源(Skram)用のWidgetは、スライダー式のピッチシーケンサーです。ドラム音源(BR-909)用のWidgetでは、まずドラムインストゥルメントを選択してからパターンを打ち込みます。ステップを指でドラッグするとベロシーティーを変えることができます。
メロディー/ハーモニー音源(OrphicとHeatstroke)用のWidgetはアルペジエーターです。8×3のセルには、グローバルセクションで設定したキーとスケールが配置され、セルをタップすると音がなります。リズムセレクターの数字を上下することによってアルペジオパターンを変えることができます。
各Widgetには2つのスロットが用意されており、2種類のパターンをスイッチしながらジャムセッションを楽しめます。
Widget
マスターコントロール
Skramのマスターコントロールセクションでは、BPM、キー、スケールを設定することができます。ミキサーセクションでは4つの音源(Device)の音量バランスをとることができます。また、演奏をレコーディングしてm4aフォーマットのデータをメールで送信することができます。
特に演奏中に気を配りたいのはキーとスケールの設定で、これを動かすことでアルペジオやシーケンサーのハーモニーを揃って変えることができることができます。曲の展開を作ることができる便利な機能です。
現段階では4つの音源(Device)と3つのジェネレーター/シーケンサーが用意されているだけですが、今後のバージョンアップには、もっと多くの音楽ジャンルやスタイルに対応する音源(Device)や、もっと新しい発想のジェネレーター/シーケンサー(Widget)の追加予定があるとのことです。
また、SkramにはMIDI機能やAbleton Linkのような機能もまだ付いていません。Ableton Link機能が付けば他のアプリとのジャムセッションが楽しくなるに違いありません。
互換性: iOS 9.0 以降。iPad Air、iPad Air Wi-Fi + Cellular、iPad mini 2、iPad mini 2 Wi-Fi + Cellular、iPad Air 2、iPad Air 2 Wi-Fi + Cellular、iPad mini 3、iPad mini 3 Wi-Fi + Cellular、iPad mini 4、iPad mini 4 Wi-Fi + Cellular、iPad Pro、および iPad Pro Wi-Fi + Cellular に対応。