昨日、Abletonは新しいテクノロジー「Live Set Export」のSDK開発用キットを公開しました。iOSアプリのディベロッパーはこの開発キットを使うことによって、アプリにAbleton Liveへのエクスポート機能を搭載することができるようになります。具体的には、iOSアプリで作ったオーディオやMIDIデータがAbletonLiveのプロジェクトファイルとして書き換えられ、これをデスクトップコンピュータにスイッチ一つで転送できるようになります。
現在「Live Set Export」に対応しているアプリは以下の通り。
- Novation Blocs Wave
- コルグ Gadget、iKaossilator
- Patterning
- TriqTraq
コルグのアプリは既に昨年9月からこの機能が搭載されていますが、SDKが一般公開されたことによってこれからもっと多くのアプリが「Live Set Export」に対応していくことが予想されます。
下のビデオでは2つのアプリ(PatterningとTriqTraq)のジャムセッションが行われ、これらのデータが「Live Set」として保存され、Ableton Liveに転送され、さらにセッションが続けられていく様子が映し出されます。
Export方法
Exportの方法は各アプリによって微妙な違いがありますが、例えばNovationのBlocks Waveでは、メニューからの「エクスポート画面」を選択したのちに、「Project File」と「Ableton Live Project」にチェックを入れます。(画像下)
「Export」を押すとAbleton用のプロジェクトファイルが自動的に作成され、続いて転送方法の選択画面が表示されます。AirDropを使えばあっという間にデータ転送が行われます。
転送したファイル(拡張子.als)をAbleton Liveで開くとこんな感じ。(画像下)
Abletonは昨年末にLinkというテクノロジーも公開しています。これはiOSアプリとAbleton Liveを同じテンポで、同じタイミングで演奏させることができるようになる技術です。しかも接続方法がとても簡単なことが大きな魅力となっています。Ableton-live-9.5の注目の新機能Link、その実力の程は?
「Link」と「Live Set Export」この2つの新しいテクノロジーによってiOS音楽アプリとデスクトップアプリ(Ableton Live)の距離は着々と狭まり、両デバイスを同時に使う音楽制作がより身近なものとなりつつあります。iOSアプリで音楽制作を開始して、デスクトップコンピュータで最終仕上げ。友達とのジャムセッションも活発に行えます。これまでのコンピュータオンリーの懇々とした音楽制作環境が少しづつ変わっていくことにも期待したいです。