2107年Musikmesse開幕。とはいっても数年前の活気はほとんどすべてベルリンSuperboothに吸い尽くされてしまったかのような感がしないでもありませんが、そんなMusikmesseのシンセサイザーエリアの中でさりげなく目立っているのがお国元ドイツの名門シンセメーカーWaldorf社による8ボイスのハイブリッドシンセquantumです。
インダストリアル・デザイナーAlex Hartmann氏を迎え開発されているquantum。Alex Hartmann氏といえばこれまでAlesis、Moog、Studio Logic、Access、そして独自ブランドNeuronの開発に携わってきたシンセ界の重要人物。その甲斐あってかquantumのルックスはかつてのWaldorf製品を思わせる妙に堂々とした印象を受けます。
特に目を引くのが中央にあるタッチディスプレイ。Messe展示されるプロトタイプではまだ十分な動きを確認することができませんでしたが、将来的には4本指までのマルチタッチに対応、iOSアプリNEVEと同じようにスペクトラムやウェーブフォームをグニャグニャとタッチすることでサウンドを変幻させることができるようになるそう。またKomplete ParameterというLFOのような波形を実際に目で見ながら作っていけるのも今時な印象を受けます。
quantumの主要スペック
- 3×オシレーター
- ウェーブテーブル(Waldorfの十八番ウェーブテーブル)
- ウェーブフォーム(アナログ波)
- パーティクル(グラニュラーサンプラー)
- レゾネーター(レゾネーターフィルターバンク)
- NAVEシンセ(iOSシンセ)スピーチ&スペクトラム機能搭載
- ウェーブフォームとスペクトラムがディスプレイに表示(iOS同様)
- オシレーターは自由にアサイン可能。
- 2基のデュアルアナログフィルター、
- 2基のOTOフィルター
- デジタルフォーマー(ドライブ、ビットクラッシャー、デジタルフィルター)
- 6×エンベロープ 3つのエンベロープはパネル上に
- 3×デジタルエフェクター
- マルチエンベロープ、グライド
- 6×LFO
- タッチディスプレイ
- 2レイヤーのマルチティンバー
- アルペジエーター
(編集中)
こちらはquantumの裏側。2系統のステレオアウト、オーディオインからは入力した信号はquantum自慢のアナログフィルターとデジタルフィルターで調理できます。そのほかUSB端子が2ポート、コントローラ類を接続することもできるそう。その隣にはSDカードスロット。Waldorf流のミュージックコンピュータ?といった印象を受けないでもありません。価格も3000ユーロ前後を予想しているとのことで、かなりの気合いが伺えます。サウンドの方はかなりワイルド&クリスピー👍