Native Instrumentsが新しいオンラインプラットフォームSounds.comをスタートした。たとえばApple MusicやSpotifyが既成の音楽を定額で聞けるように、Sounds.com も無償もしくは定額で音楽制作に使うオーディオ素材、例えばEDMドラムループだったり、シネマ系ストリングスだったり、ジャズサックスのフレーズだったり、とにかく様々なタイプのループ、サンプル、サウンドパックを検索し、気に入ったものがあればすぐにダウンロードできる。数十年前と違ってサンプルCDをまるごと一枚買わなければいけないようなこともなく、気に入ったものだけを入手できるのが良い。現段階では200以上のクリエーターが配給する500,000以上のサウンドが用意されている。優秀なサンプル素材のクリエータとして知られるthe loop loftの買収も行われ、コンテンツの充実拡大が急がれている。
Freeアカウント
• 業界トップのクリエーターによる著作権フリーのサウンドを無制限プレビュー
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• 最先端の音声認識技術で最適なサウンドを発見
• 選択したサウンドを無料でダウンロード
• 永久無料
Proアカウント(月額 $9.99 特別導入価格)
Freeアカウントの全機能に加え以下の機能が追加されます。
• Sounds.comのすべてのサウンドをダウンロード可能
• 毎週追加される限定プレミアムリリースへのアクセス
• メンバーシップのキャンセルは随時可能
• ベータテスト期間中はアメリカ国内限定でのサービス提供
昨年末に「Native Instrumentsがおよそ5,000万ユーロ(日本円で約66億円)の投資金額を獲得」というニュースが話題になっていたが、それに伴う重要人事採用、買収、合併が、おもにアメリカ・ロサンジェルスで行われ、その成果というか、その第一歩となるのがこのNIによるSounds.comというオンラインサービスで、ここからNIの新しいビジネスが展開されるようだ。
ここ数年音楽ソフトウェア業界でもじわじわと浸透してきているかに伺えるクラウドサービス。たとえばローランドがRoland cloudなる新しいサイトを立ち上げ、プラグインソフトウェアの提供を始めていたり(まだアメリカ国内のみ)、Spliceはサンプル&ループの提供だけでなく、プラグインソフトウェアのレンタル、バーチャルセッションのサービスを展開している。Native Instrumentsの強みはKONTAKTやMASCHINEといった人気サンプラーを抱えている点で、これらのサンプラーがSounds.comとうまく連携できるようになれば、制作環境が新しく生まれ変わるのかもしれない。もちろん音楽制作にサンプルを使うか使わないかにも寄るのだろうけど。