スウェーデンのシンセメーカーElektronは、FMシンセサイザー「Digitone」の新モデル「Digitone II」をリリースしました。従来モデルの優れたコンセプトを継承しつつ、3つの新マシン、フィルター、ユークリッドシーケンサーなどが追加され、機能とパワーが大幅に強化されました。これにより、グルーヴボックス+シンセサイザーの組み合わせからさらに多くのパフォーマンスを引き出すことが可能になります。ちょうど10月半ばに従来モデルの1.3ファームウェアアップデートがリリースされたばかりだったため、Digitoneユーザーにとっては驚きと喜びが詰まったニュースとなったことでしょう。
Digitone IIは、人気のあるDigitone FMシンセサイザー・グルーヴボックスの後継機で、単なるアップグレードを超えてエンジン全体が大幅に強化されています。旧モデルの4トラック+4 MIDIトラック構成から、16トラックに拡張され、シンセまたはMIDIトラックとして自由に使用可能です。また、各ボイスには3つのLFOが搭載され、MIDIトラックには2倍のLFOが追加され、これにより、16ボイスのポリシンセとして、多彩な音作りが可能になりました。例えば、8つのトラックでドラムシーケンスを実行し、残りの8ボイスを他のトラックに割り当てることもできます
4種類のシンセマシン
Digitone IIにはマシンと呼ばれる4つのシンセエンジンが搭載され、それぞれ独自のキャラクターとオプションを備えています。
• Wavetone – 新しい2オシレーターのシンセエンジンで、オシレーター形状のモーフィング、フェーズディストーション、ノイズが可能。
• Swarmer – 多彩なモジュレーションを備えたスーパーソー系のエンジンで、ディチューンとノイズモジュレーションで複雑なテクスチャやリッチな音色が作れます。
• FM Tone – 初代モデルから引き継がれたFMシンセシスのサウンド
• FM Drum – ドラムやパーカッションサウンドを得意とする新しいエンジンで、メロディックな音作りも可能。
フィルター
Digitone IIは、フィルターも大幅に強化されています。ローパス/ハイパスに加え、omb-, comb+フィルター、マルチモード、EQ、ローパス4フィルターが追加され、ベースウィズフィルターはこれまで以上に柔軟になりました。各ボイスにはADSRやAHDエンベロープ、3つのLFOが搭載されており、多彩なモジュレーションが可能で、スナッピーでパーカッシブなFMサウンドを求めるユーザーにとって理想的な設計となっています。
エフェクト
エフェクトも拡張され、マスター用のコンプレッサーやサイドチェイン機能、ディレイ、リバーブ、コーラス、過激なビットリダクション、サンプルレートリダクション、フィルターの前後に配置できるオーバードライブなどオプションが加わり、音作りの幅が飛躍的に広がっています。
パワフルなシーケンサー
Elektronのシーケンサーは以前から評価が高いですが、Digitone IIのシーケンサーはステップ数が64から128に拡張されました。もちろんパラメーターロック機能を備えています。さらにユークリッドシーケンサー・モードが追加され、創造的なシーケンスのアプローチが広がりました。ページループ機能や、ノートレングス、ボリューム、マイクロタイミングを細かく調整する機能も備えています。
さらに、ソングモードも復活し、専用のボタンがパネルに設置されています。初代Digitoneのチャームポイントだった4つのカラーボタンは廃止され、代わりにアルペジエーターやトランスポーズ機能が追加されました。
Digitone IIは、FMドラムエンジンの追加により、多機能なマルチエンジングルーヴボックスとして成長を遂げ、オリジナルよりより柔軟な音楽制作ができるモデルになりました。Digitoneユーザーにとっては夢のようなニューモデルであり、新しいDigitoneへの買い替えを検討し始めている人も多いのではないでしょうか。
Digitone IIの日本正規代理店価格は¥181,900。従来モデルの中古取引はおよそ7〜8万円。