Baby Audio社とAndrew Huangさん(音楽機材を紹介するyoutubeチャンネルで有名)のコラボレーションによるマルチエフェクトプラグイン「Transit」のバージョン2となる「Transit 2」がリリース。今バージョンでは新しいエフェクトとモーションモードが追加され、「モーションエフェクト・プレイグラウンド」としての機能が強化されています。
Baby Audioによると、Transit 2 は「大幅に拡張」されており、トラックのセクション間のトランジションを作成するための「ワンストップ・ワークステーション」となっていいるとのこと。劇的なフィルタースイープやライザー、テープストップなどのリワインド効果を加えるだけでなく、曲の静的な要素に動きとダイナミズムを加え、トラックにエネルギーを注入することも得意とします。
このプラグインには、4つの新しい「モーションモード」が追加されており、28種類のエフェクト(うち10種類はTransit 2で新たに搭載)が制御可能です。新しいモーションモードには、エンベロープフォロワー、LFO、サイドチェイン、ゲートが含まれています。
トランジションエフェクトとは?
トランジションエフェクトは、ビートドロップ、ブレイクダウン、または新しいセクションの前に緊張感や期待感を高めるために、楽曲のセクションを装飾する制作要素です。特にエレクトロニック系のジャンルでよく使用され、エネルギーや強度のピークが近づいていることをリスナーに知らせる役割を果たします。ビートドロップに向かってアレンジを展開させるだけでなく、トランジションエフェクトは繰り返されるセクションに新たな興味を引き出し、ビルドアップが進むにつれて発展していきます。
例えば一番初めのプリセットを試してみると、ディストーション、フランジャー、ディレイ、トレモロ、コンプレッサーが設定されてい流のですが、ここで左上のマクロノブを回していくと、これら5つのエフェクトが徐々にかかりながら浮遊感のあるサウンドを作り出します。
こういった、複数のエフェクトやパラメータを1つずつ自動化してトランジションを作るというアイデア自体は特別新しいものではありません。Ableton Live のマクロやLFO 、オートメーションを細かく設定すれば同様のことができるに違いありませんが、このプラグインBaby Audio Transit の良いところは、様々なエフェクトを一元管理できること、シンプルでクリーンなコントロールパネルのおかげで面倒な操作や混乱を避けることができることです。しかもこれだけたくさんのエフェクトを使ってもまだ音がちゃんとしているのがありがたいです。
収録されているエフェクトモジュール