Appleは本日、Logic ProのMac版11.1およびiPad版2.1の無料アップデートを発表しました。今回のアップデートには、注目すべき新機能としてQuantec Room Simulatorプラグインが追加されています。
このQuantec Room Simulatorは、ポピュラーミュージックで広く使われてきたアルゴリズムを搭載しており、従来は一部のハイエンドスタジオでのみ使われていたものの、一般ユーザーにはなかなか手の届かなかったリバーブ体験を提供します。このプラグインを通じて、ユーザーは「史上最も音響的に精密」と称される伝説的なリバーブサウンドを楽しむことができます。
Appleの発表によれば、このプラグインはQuantecの創設者であり発明者であるWolfgang Buchleitner氏のオリジナル設計図やアルゴリズム、コードを使用して開発されており、非常に高い忠実度を誇ります。
ユーザーは、ヴィンテージな「Quantec QRS」を選んで音のキャラクターを保ちながら楽曲に自然な音響空間を加えたり、最新の「Quantec Yardstick」を使って音の明瞭さとディテールを向上させたりすることができます。この新しいリバーブ機能は、音楽プロデューサーにとって素晴らしいだけでなく、映像編集者がダイアログ、効果音、音楽に自然な空間感を加えるのにも最適なツールです。
プラグインの検索機能が追加
新しいQuantec Room Simulatorに加え、Logic Pro 11.1にはミキサー内でのプラグイン検索機能が追加されました。これにより、カテゴリやメーカー名、プラグイン名の一部で簡単に検索でき、プラグインメニューから直接プラグインを見つけて追加することが可能です。
チャンネルストリップをミキサー内で並べ替えられる機能
この機能は、多くのユーザーが待ち望んでいたものです。従来はアレンジウィンドウからのみトラックを並べ替えできましたが、今回のアップデートでミキサー内でもチャンネルストリップを並べ替えられるようになりました。チャンネルストリップを選択し、クリックしてから少し待つと移動が可能になります。
そのほかの改良点
- ミックスをVoice Memosに直接送信し、iPhone、iPad、Apple Watchでプレビュー
- Commandキーを押しながらプラグインスロットをクリックするとすばやくプラグインを削除
- 入力、出力、サイドチェインソース、バスのルーティングをメニュー内検索ですばやく設定
- 「リージョンを所定の場所にバウンス」機能には、保存先や領域ごとのファイル作成などが選べるポップアップが追加
新しいサウンドも追加されています。Logic Pro 11.1では、ハードウェアシンセから作成された何百ものループを含む「Modular Melodies」「Pom Pom」サウンドパックをダウンロード可能です。
iPad 版の新機能
- ミキサーチャンネル並べ替え機能が追加され、デスクトップ同様にプラグインの並べ替えも可能
- 「リージョンを所定の場所にバウンス」機能もiPadで利用可能
- ブラウザに独自のサンプルフォルダを追加できるようになり(待望の機能!)、SamplerやQuick Samplerとのモバイルでのワークフローがさらに良くなりました。
- 編集の際に位置や長さの値をコピー&ペーストでき、操作が簡単に
今回もLogic Proの無料アップデートは素晴らしい内容となっています。Quantec Room Simulatorは特に目を引く新機能で、DAWの価値をさらに高めています。また、iPad版Logic Proの機能がアップデートごとに進化している点も嬉しいポイントです。
Apple Logic Pro 11.1 for MacおよびLogic Pro for iPad 2.1は既存ユーザー向けに無料アップデートとして提供中です。新規ユーザー向けには、Logic Pro 11が30,000円、iPad版は月額700円または年額7,000円のサブスクリプションで提供されています。新しいアップデートにはOS 14.4が必要です。