1975年、ヴォルフガング・パームによって設計されたアナログ・シンセサイザー「PPG 1002」。当時は非常に限られた数しか生産されず、まさに“幻のPPG”と呼ばれてきたモデルです。
そんなPPG 1002が、完全受注・世界限定102台のリイシューとして「PPG 1002 Mk2」として復活します。
また、今回のPPG 1002 Mk2のリリースを記念して、Liquid Sky Artist CollectiveはNative Instruments Kontakt 8 Player用の無償インストゥルメント「PPG Leap」**を発表。シリアルナンバーの配布は今週からドイツベルリンで開催されるSuperbooth会場限定。Native Instrumentsブースを訪れた人のみが入手可能となっています。
オリジナルの魂を引き継いだ、手作りのアナログ・シンセ
PPG 1002 Mk2は、1975年版のオリジナル回路図をベースに、一台ずつハンドメイドで製造されます。プリセット機能はなく、すべての音作りは自分の手で。その潔さが逆に魅力でもあります。
改良点としては、以下の3つが特に注目です:
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温度補償の精度向上によるチューニング安定性アップ
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サブオシレーターの追加でより重厚な低域表現が可能に
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スイッチ式リングモジュレーターを新搭載(ノイズジェネレーターと切り替え)
主な仕様ハイライト
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アナログVCO ×2:三角波~ノコギリ波のミックス、パルス波・サブオシ搭載(OSC2)
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レゾナンス付き24dBローパス・フィルター
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VCA(電圧制御アンプ)
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パルス波/三角波LFO(ルーティング可)
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エンベロープ ×2(AD、Dのみ)
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各モジュールにモジュレーション・スイッチ搭載:セミ・モジュラー的構成が可能
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CV/Gate & MIDI 対応(フロントパネルに端子あり)
なお、初回起動時には10分ほどのウォームアップを推奨。これはVCOの自然な安定動作で、ピッチが少しずつ上がっていくのは正常な挙動です。
販売情報と価格
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価格:€9,999(送料別)!
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支払い:頭金 €4,999(残額は納品前に支払い)
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納期:注文からおよそ3ヶ月
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発送:DHLまたはフレイト便(世界対応・関税は購入者負担)
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内容物:本体、フライトケース、マニュアル付属
購入にはアカウント登録が必要で、支払いは銀行振込・クレジットカード・PayPalに対応しています。
CO₂ニュートラルな製造と、環境保全活動の支援
本機の製造および配送はCO₂ニュートラルで行われており、売上の一部はポルトガル・アレンテージョ地方で展開されている「Liquid Sky Reforestation Project」に寄付されます。
このプロジェクトは、アーティストやDJ、映像作家などによって自費運営されており、商業目的の伐採を行わない持続可能な植林活動です。再生される森は、未来のための貴重なエコシステムとなるでしょう。
Kontakt 8 Player用の無料音源「PPG Leap」が登場
PPG 1002 Mk2のリリースを記念して、Liquid Sky Artist Collectiveが手がけるLiquid Sky D-vicesから、無料のKontaktインストゥルメント「PPG Leap」が発表されます。
この音源には、なんと1002種類のサウンドスケープを収録。
その内容は、ダーク・アンビエントやダーク・テクノ、SF、ミステリー、ホラー映画のスコア制作などにぴったりの、退廃的かつ深遠な音世界。
PPG 1002の“影”の部分を拡張したような、創造的かつ刺激的なサウンドデザインが詰まっています。
Kontakt 8 Player対応なので、導入も簡単です。シリアルナンバーの配布は今週からドイツベルリンで開催されるSuperbooth会場限定とのこと。Native Instrumentsブースを訪れた人のみが入手可能となっています。
PPG 1002 Mk2は、クラシックなアナログ回路の美学と、現代のクラフトマンシップ、そして環境意識が融合した、唯一無二の存在。
今週木曜日から始まるSuperbooth 2025の大注目。そのサウンドを早く聞いてみたいです。