AFK Audioというドイツのスタートアップメーカーが発表した「Drumbeam」というMIDIコントローラー。これは、普通のパッド型でもキーボード型でもない、“叩いて操作する”タイプのドラムコントローラーとでもいうのでしょうか。見た目はスリムなバー型で58 x 3 x 5 cm、一見するとライトショーだけに目が入ってしまうのですが、使ってみると驚くほど多機能です。
Drumbeamの魅力のひとつは、エレクトロニック音楽のライブパフォーマンスに特化した柔軟性と表現力です。叩いた位置や強さを細かくMIDIに変換できるため、例えばキックやスネアだけでなく、フィルターの開閉、エフェクトの深さ、リバーブの量といったMIDI CCのリアルタイム操作も思いのまま。単なるトリガーではなく、「演奏しながらコントロールする」というスタイルが実現できます。
LEDによるフィードバックも視覚演出と連動できるため、音とビジュアルを一体化したライブパフォーマンスの表現にぴったり。デバイス自体が軽量で持ち運びやすいこともあって、ツアーやクラブイベントなど現場向きな設計になっています。
もちろん、Drumbeamはライブだけでなく、アコースティックドラムセットに組み込んだり、ホームスタジオのデスクに常設しておくのもいいでしょう。USB-Cで駆動し、iPhoneからの給電も可能なので、充電に悩むこともないでしょう。
高品質な作りとこだわりのセンサー
筐体はフルメタルで、叩き心地もリバウンドも抜群。独自開発のセンサーは、叩いた位置をかなり高精度に検出してくれます。最大12ゾーンまで設定可能で、それぞれにMIDIノートやMIDI CCを割り当てることが可能。フィジカルな演奏とMIDIコントロールを直感的に融合できるのが大きな魅力です。
LEDも両サイドに内蔵されていて、演奏者用とオーディエンス用でフィードバックを分けられるのもユニークです。
アプリで自在にカスタマイズ
専用アプリを使えば、ゾーン設定はもちろん、さまざまなプリセットの保存・呼び出しも可能。自分だけの演奏インターフェースを作れる楽しさがあります。
“Squeeze”という、触れるだけで音をチョークしたりピッチベンドできる機能もあり、演奏のニュアンスもより多彩に。マウントも工夫されていて、デスク上はもちろん、シンバルスタンドに取り付けての使用にも対応しています。
価格と今後の展開
DrumbeamはすでにKickstarterで資金調達を成功させており、初回出荷分は今後数カ月以内に発送開始予定とのこと。その後来年には通常販売も予定しており、価格は470ユーロになる予定とのこと。Superbooth25では3本のDrumbeamとキックドラム専用コントローラーを使った「電子ドラムセット」も紹介されていました。今後の展開がますます楽しみになります。