シンセサイザーやユーロラックモジュール、アナログのドラムマシンで知られるVermonaが、ドイツで開催中のSuperbooth 25において新しいドラムマシンdrumDING(ドラムディング)のプロトタイプをお披露目しました。私はそのデモ演奏を少しばかり見せてもらいましたが、個性的なアナログドラムのサウンドとサンプリング、そして現代的なシーケンサーを統合したこの機材は、ビートメイクのアプローチそのものを一歩先に進めてくれそうな存在に感じました。
Vermonaならではの説得力のあるサウンド
drumDINGは上下2つの独立したセクションで構成されており、それぞれが密接に連携します。
上段にはアナログのドラム・シンセサイザーが配置され、ここで音作りを行います。Vermonaのドラムサウンドということで、その個性的で温かみのあるサウンドは言うまでもないことなのですが、drumDINGでは新設計のシンセボイスがたった1基のみ搭載され、その柔軟なパラメータを細かく調整することで、キック、スネア、クラップ、タム、パーカッション、シンバル、ハイハットなど、あらゆるドラムサウンドを作っていきます。
サンプリングして、すぐに使える
この1ボイスを使ってサウンドを作ったら、その場でサンプルとして録音できます。そして、それを下段のシーケンサーに組み込みながらパターンを作るのがdrumDINGの大きな特徴。1プロジェクトあたり最大16個のサンプルを保存可能で、それらを6トラックのシーケンサーで再生していきます。
シーケンサー機能も現代的
drumDINGのシーケンサーはTRスタイルのステップ入力、スウィング、ポリメーター、パラメーターロックなどの定番機能はもちろんのこと、ステップごとにピッチ、リバース、ディケイを個別設定可能。さらにビットクラッシャーやオーバードライブなどのDSPエフェクトもステップ単位でコントロールできるなど、今どきのドラムマシンに期待される機能が詰め込まれています。
アナログボイスとサンプルのチャンネルは個別アウト端子を装備。さらにMIDI I/O、USB、メインアウト、ヘッドフォンアウトと、接続性もばっちり。
発売時期と価格は?
drumDINGはまだ開発中のプロトタイプで、実際のリリースは早くても年末ごろとのこと。価格については正式ではありませんが、日本円で10万円台後半〜20万円台前半あたりとのこと。