Arturiaのハイブリッド・ポリフォニック・シンセサイザー「MiniFreak」が、ファームウェア4.0のリリースによりさらに進化しました。今回のアップデートでは、16バンド・ボコーダーの追加を中心に、サウンド面での新たな表現力が広がっています。また、専用マイクを付属した「MiniFreak Vocoder Edition」の登場も、注目を集めています。

 

MiniFreakの主な特徴

 

  • 6ボイス・ハイブリッドシンセ(デジタルオシレーター+アナログフィルター)

  • 22種以上のオシレータータイプ

  • ステップシーケンサー/アルペジエーター搭載

  • 外部音声処理/MIDI/MPE対応

  • ソフト版(MiniFreak V)と連携 

  • Arturia MiniFreakにはいくつかのバリエーションがありますが、基本的なシンセ機能はすべて共通です。標準モデルの黒い筐体のMiniFreakに加え、白い筐体とグースネックマイクを備えたMiniFreak Vocoder EditionまたMiniFreak Vはソフトウェア版で、ハードウェアと完全に連携しながらDAW内でも同じ音作りが可能です。さらに、限定カラーやコラボモデルといったSpecial Editionも時折登場しています。

  • 価格帯:約€350〜650

 

ボコーダー機能の追加

今回リリースされたファームウェア4.0の最大の特徴は、MiniFreak用に新たに設計された16バンド・ボコーダーエンジンの実装です。

ArturiaのPigmentsにもボコーダー機能は存在していますが、MiniFreakに搭載されたエンジンはそれとは異なる独立した設計であり、ハードウェアとの連携や演奏性を重視した構成となっています。

 

2つのモードで多彩な音作りが可能

  • External Vocoder Mode:外部マイクなどからの入力信号をもとに、MiniFreakのサウンドエンジンがボコーダー処理を行います。クラシックなロボットボイスやボーカルの変調表現が可能です。

  • Self-Vocoder Mode:MiniFreak内部のシンセエンジンに直接ボコーダーを適用します。外部入力を必要とせず、まるでフィルターバンクのような音響処理が実現できます。

いずれのモードにも「Clean」「Vintage」「Narrow」「Gated」の4種類のプリセットが用意されており、幅広い音色のバリエーションを備えています。

以下の動画では、最新のファームウェア4.0で追加された16バンド・ボコーダー機能を紹介しています。ダフトパンク・パーティー!と言った様相ですがサウンドを確認できます。

 

MiniFreak Vocoder Editionの登場

ファームウェア4.0の公開にあわせて、グースネックマイクを同梱した白色筐体の特別モデル「MiniFreak Vocoder Edition」もリリースされました。通常モデルと基本仕様は同じですが、ボコーダー機能をすぐに活用したいユーザーには理想的な構成となっています。629ユーロ

 

ファームウェアによる着実な進化

MiniFreakはこれまでも定期的なファームウェア更新によって、着実に機能の幅を拡張してきました。主なアップデートの内容は以下の通りです。

  • バージョン2.0(2023年):ウェーブテーブル・オシレーター、Super Unison、Macro強化など

  • バージョン3.0(2024年):Cloud Grains、Particlesなど8種の新シンセエンジンとサンプル再生機能を追加

  • バージョン4.0(2025年):新規設計の16バンド・ボコーダー搭載、プリセット追加、I/O管理機能の改善

いずれのアップデートも無償で提供されており、ユーザーは購入後も継続的に機能向上の恩恵を受けられます。

MiniFreakの魅力は、ハードウェアとしての完成度だけでなく、継続的に進化していくプロダクトであることにもあります。購入時点の機能にとどまらず、アップデートごとにサウンドエンジンやエフェクト、表現力が増していくことで、使い手の創造力に長く応えてくれる存在となっています。コレから先も期待できそうですね。

 

 

↑V Colloction収録のソフトウェア版MINI FREAK Vもバージョンアップ。こちらでもボコーダー機能が実装されています。

最後にArturiaのMini Freakの素晴らしいパフォーマンス動画をどうぞ。どちらも幻想的で力強い!

 

 

Arturia

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