AbletonのiOSアプリ Note がアップデートを重ねて進化しています。
最新の安定版「1.5」では人気ソフトシンセ Drift がフル機能で使えるようになり、現在ベータテスト中の「1.6」では待望の サンプルスライシング機能 が追加されました。
NoteとMoveは、Ableton Liveの機能を削ぎ落としたモバイル版。どちらもトラックを完結させるというより、アイデアをスケッチする場所 として位置付けられています。Abletonが優先しているのは「機能てんこ盛り」ではなく、シンプルで扱いやすいUIと気持ちよいワークフロー です。今回のアップデートもまさにその方向性を反映しています。
1.6 ベータ版:サンプルスライシング機能
現在テスト中のバージョン1.6で大きな目玉となるのが サンプルスライシング。数か月前にAbleton Moveに追加されたものと同じ機能です。
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操作方法
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ドラムキットをロード
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サンプルをロード
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「…」から 「サンプルをスライスする」 を選択
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デフォルトは8分割、スライダーで最大16スライスまで設定可能
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スライスマーカーで開始位置を調整
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分割されたサンプルは Chops として扱われ、チョークグループに割り当てられます。つまり、同時再生すると互いにカットし合い、いわゆる“チョップ演奏”ができるようになります。
Moveと基本は同じですが、Noteでは より分かりやすい視覚的フィードバック が得られる点が特徴です。
ベータテストに参加するには、Note設定画面の『ヘルプ』から『Ableton Noteベータテストに参加する』をタップ。testFlightというアプリを通してNoteのベータ版がダウンロード可能になります。
1.5 正式版:Driftシンセのフルアクセス
バージョン1.5では、Ableton Liveに搭載されているアナログモデリングシンセ Drift がついにフル解放されました。
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全パラメータにアクセス可能:オシレーター、フィルター、エンベロープ、LFO、モジュレーションマトリックスなど、ほぼ全てのコントロールが利用可能。
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注意点:フル機能を使うには アプリ内購入(約600円 / 5ドル) が必要です。
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購入しなくてもプリセットとマクロは利用可能。
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ただし自作パッチを作る手段はこの課金のみ。コンピューターからのプリセット持ち込みは不可です。
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フルアクセスを解放した瞬間からフィルターやLFOをいじれるようになり、音の表情がぐっと広がり、電車の中でついついサウンドデザインに熱中してしまうかも。サッと作ったパッチがそのままLiveに持っていけるのも便利です。
今回のアップデートは、1.5でシンセの解放、1.6でサンプル編集の強化 と、モバイルでの制作体験を大きく広げるものでした。Noteは依然として「スケッチパッド」という位置づけですが、ちょっとした音作りやビートメイクなら十分にこなせるアプリになりつつあります。
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