Zoomのコンパクトミキサー&レコーダー LiveTrak L6max 登場、“現場で選ばれる理由”をさらに強化


先日、マシンライブをやる友人の手伝いで、ZoomのLiveTrak L6を触る機会がありました。

ミキサーとしての即時性と、レコーダーとしての確実性の両方をこのサイズに詰め込んでいる設計には、あらためて感心させられました。

特に電池駆動でここまでやれるマルチトラック・レコーダー/ミキサーは、実はなかなか他にありません。

そんな中、ZoomはこのL6をちょうど良く拡張した新モデル「LiveTrak L6max」を発表しました。


L6max で変わったこと

新しいL6maxは、L6の「良さ」をベースに、現場で欲しくなる機能を追加してきたモデルです。

  • 入力数が10→12に(コンボ入力4 + ライン入力8)
  • チャンネル1〜4にデュアルADコンバータ搭載(32bit float録音時の音質がさらに向上、ゲイン調整が必要ないのは本当にありがたい)
  • チャンネル5〜8には -20dB PADスイッチを新搭載(ユーロラックやヴィンテージシンセ対応、アッテネーターなしで接続できる)
  • OLED画面の搭載で視認性アップ(録音状態・エフェクト設定が一目で確認できる)
  • 2種類のヘッドホンアウト + カスタムミックス対応(モニター用サブミックス)
  • AIノイズリダクションを新たに搭載(音声や会話に強み)
  • 強化されたマスター用コンプレッサー(パンチやサチュレーションの追加)
  • 録音機能強化、バウンストラックによる無制限のオーバーダビング(UNDO機能つき)最大14チャンネルのマルチトラック録音が可能
  • サウンドパッドはMIDI同期対応(ポン出し、ポッドキャストのジングルにも良し)
  • 専用アプリ「L6 Editor」対応で設定カスタマイズ性アップ 録音してからの編集にはこれが必要

筐体サイズは微妙に拡大。L6が223mm幅だったのに対し、L6maxは284mmと約6cmワイドに。
ノブ同士の間隔にも余裕が生まれ、視認性や操作性の向上につながっているように感じます。

さらに、重量もL6の約526gからL6maxでは約673gへと若干増加しています。

とはいえ、片手で持ち運べるポータブルさは維持されており、サイズの拡大とあわせて操作性と実用性のトレードオフがちょうどよいバランスに仕上がっています。

 

まとめ

L6に満足していた人にとっても、L6maxは「もう一歩前へ出たい」ときに耐えられるラインの選択肢になります。

現場で感じていた小さな不満点──視認性、モニター出力、録音の自由度など──に対して、過度に複雑化することなく、自然な解決が図られています。

もちろん、EQ操作やノブの切り替えなど、ライブ中の即応性という点ではまだ課題もあります。レベル/センド/FXを素早く調整したいときに、ワンアクションで届かないのはやや惜しいところです。

音質(L6)については、個人的にはとてもニュートラルな印象を受けました。

良い意味で色付けがなく、録音素材のキャラクターをそのまま残してくれる感じがあります。32bit float録音の恩恵と相まって、収録物の後処理の自由度も広がるはずです。

それでも──このサイズで、この音質で、バッテリー駆動で14トラックのマルチトラック録音ができるという事実は、やはり特別です。

ミキサーとレコーダーが一体となったこのフォーマットの中では、現時点での完成形のひとつと言えるかもしれません。

ZOOM


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