ドイツのシンセメーカーWaldorf が新しく、デスクトップ型シンセ Protein を発表しました。
見た目はどことなく Roland の AIRA Compact に近い雰囲気もあって、
「Waldorf がついにこのサイズ感のモデルを出してきたのか」と驚いた方もいるかもしれません。
ただ、この小さな筐体の中身は、見た目以上に“本気”。
今回の Protein は、1989 年に登場した名機 Microwave の DNA を正式に受け継いでいます。
初代 Microwave は、今では珍しい
「8-bit × 高サンプルレート × 強いエイリアシング」
という“荒削りのデジタル感”を持ったウェーブテーブルシンセでした。
噛みつくようなアタック、倍音が崩れるモーション、
Speech 系ウェーブのフォルマント感、
そしてアナログフィルターがまとめ上げる太さ——
こうした“汚いのに気持ちいい”個性が 90年代のIDMやインダストリアル系のアーティストから熱く支持され、
今も デジタル・ヴィンテージの代表格として語られています。
今回の Protein が面白いのは、
その“古いデジタル独特の粗さ”を現代に蘇らせようとしている点です。
Waldorf が公式で使っているキーワードは digital vintage。
最近のウェーブテーブルはどれも綺麗でハイファイですが、
Protein はそこにあえて逆行していて、
-
8-bit 量子化
-
250kHz サンプルレート
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Microwave 1 の ASIC オシレーター構造を再現
といった“昔のデジタル特有の荒さや不安定さ”を
設計思想ごと再構築しているのが特徴です。
そして、ちょうど半年前にリリースされた Microwave のソフトウェア版
(軽いレビューはこちら :Waldorfが1989年のウェーブテーブルシンセをプラグイン化 Microwave 1)
が思わぬほど高い再現度だったことを思い出すと、
今回の Protein も同じ路線で“期待していいのでは?”と自然に思えてきます。
また、過去の音を再現するだけでなく、機能面ではしっかり現代的です。
MPE / Poly Aftertouch に対応し、
指先のニュアンスでダーティーな波形をねじ曲げるような表現もできる。
アルペジエーターやステップシーケンサーも搭載し、
USB-C給電で DAW なしライブにもそのまま組み込める。
さらに特徴的なのが 4レイヤー構成。
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Stack:レイヤーを重ねて極太の単音に
-
Split:鍵盤の上下で役割を切り替える
-
Round Robin:弾くたびに音色が微妙に変化し、生き物のような揺らぎが出る
小型シンセでここまで柔軟に扱えるモデルはあまりなく、
ライブでも制作でも扱い方の幅が広いのが印象的です。
外観はミニマルですが、中身は“Microwave のデジタル・ヴィンテージ × 現代のライブ性能”という、
非常にユニークな立ち位置のシンセに仕上がっています。
荒いデジタルの魅力を、今の制作やライブ環境の中で気軽に扱いたい人には、
かなり刺さる一台になるはずです。
Oscillator(オシレーター)
- Waldorf Microwave ASIC チップをベースにしたオシレーター x2
- オリジナル ASIC のサンプリングレートに合わせて、内部で 250kHz のサンプリングレートで動作
- 各ボイス用の D/A コンバーター(DAC)をモデリング
- ASIC 技術をベースにした独自のデジタルノイズ・ジェネレーター
Wavetables(ウェーブテーブル)
- Microwave 1 のオリジナル・ウェーブテーブルを全て搭載。
オリジナル・コーディングに基づき、ビット単位で完全互換。 - アルゴリズミック・ウェーブテーブルとスピーチ・ウェーブテーブルを含む
- 8ビット量子化とエイリアシングを美しく再現
- オリジナル Microwave の全波形カタログを収録
Filter(フィルター)
- CEM アナログフィルターの忠実なモデリング
- ハードウェアのチューニングずれを再現する調整可能なカットオフ/レゾナンスのデキャリブレーション
- カットオフとレゾナンスのモジュレーション
- 追加の「ダーティ」タイプ:ノイズ、クラックル、クリック、ガイガー、バースト
Modulation(モジュレーション)
- エンベロープ x3
- テンポ同期とサンプル&ホールド機能を備えた LFO x2
- 8スロットのモジュレーション・マトリクス
- ポリフォニック・アフタータッチ対応
- MPE モジュレーション・ソース
Effects(エフェクト)
- エフェクト・スロット x2
- リバーブ、ディレイ、コーラス、フェイザー、フランジャー、ドライブ、EQ、コンプレッサー、トレモロ
Voices(ボイス)
- 8 ボイス・ポリフォニー
- 4 ティンバー・レイヤー
- スタック、ラウンドロビン、MIDI スプリットのレイヤー・モード
- モノ&レガートモード
パフォーマンス機能
- 高度なアルペジエーター
- 最大32ステップのステップ・シーケンサー
- コード&スケールモード
- MPE 対応
- MIDI CC ラーン機能
パッチ
- 150 以上のファクトリーパッチ
- 250 パッチのメモリスロット
- パッチリストのカテゴリーフィルター
- MIDI Sysex 経由でのパッチのインポート/エクスポート
接続端子
- ステレオオーディオ出力(6.35 mmジャック、モノラルまたは TRS ステレオ接続機能搭載)
- ヘッドホン用ミニ TRS 出力
- DIN MIDI IN & OUT、ミニ TRS タイプ A (DIN MIDI ソケット用アダプター2個付属)
- 電源供給および USB MIDI 接続用 USB Type C
- USB 経由のファームウェア更新
イントロ価格 329 € 通常価格 379 € それにしても円安が痛い!



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