Mutable Instrumentsの「Plaits(プレイツ)」という名前は、モジュラーシンセに少しでも興味があると耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

“伝説のモジュール”とも称されるこのユーロラック音源は、1台で多彩なサウンドを操れることで、世界中のアーティストから絶大な支持を受けてきました。

そんなPlaitsのDSP(音を生成する中身)をベースに作られたiOSアプリが、Elastic OSCです。開発はElastic DrumsやElastic FXで知られるOliver Greschke。Plaitsの個性豊かな音色を、iPhoneやiPadで手軽に鳴らせて、しかもAUv3対応でDAWとの連携もスムーズ。タッチ操作に最適化されたXYパッドやスライダーで、直感的に音を操れます。

モジュラーには憧れるけど手が出せなかった人や、モジュラーに憧れていた人にとって、Plaitsの世界を身近に感じられる絶好のきっかけになるはずです。

 

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1982年にKORGから登場したアナログ・ポリフォニック・シンセサイザー「Poly-61」。その独特なサウンドキャラクターを、現代の制作環境で気軽に楽しめるよう再現したソフトウェアが、今回紹介するFull Bucket Music「Fury-68」です。macOSとWindowsに対応し、しかも完全無料。VST2/3、AU、CLAP、AAXといった主要なプラグインフォーマットにも対応しており、すぐにDAWで使い始められます。

 

Full Bucket Musicとは?

この「Fury-68」を開発したのは、ドイツの開発者Björn Arlt(ビョルン・アルト)氏による個人プロジェクトFull Bucket Music。彼は、過去にも「FB-3100(Korg PS-3100の再現)」や「Trilogy」「Stigma」など、無料とは思えないほど高品質なソフトシンセを数多くリリースしており、音楽制作界隈ではよく知られた存在です。

どの製品もUIはシンプルで軽量、それでいて音には妥協がなく、往年のハードウェアシンセの質感をしっかりと感じさせてくれます。今回の「Fury-68」も、そんなFull Bucket Musicらしい誠実な作りが光るプラグインです。

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モジュラー好きなら一度は耳にしたことがあるであろうイタリアのブランド Frap Tools。これまで高品質なEurorackモジュールで定評のあった同社が、設立10周年を記念してなんと初のキーボード・シンセサイザーを発表しました。

その名も「Magnolia(マグノリア)」。

2025年5月に開催されるSuperbooth 2025(ベルリン)で、試作機が初披露されます。

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Bitwig Studioに対応する2つの注目ハードウェアが登場しました。
ひとつは、Melbourne Instrumentsによるタッチ&モーター式コントローラー「Roto-Control」
もうひとつは、Bitwigが自ら開発した初の純正オーディオインターフェース「Connect 4/12」です。

 

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Superbooth 2025を目前に控え、各メーカーが続々と新製品を発表していますが、今回注目したいのが チェコのモジュラー系ブランドBastl Instruments の新作「Kastle 2 Wave Bard(ウェーブ・バード)」。モジュラー感覚で遊べるパッチ可能なサンプルプレイヤーで、音楽制作初心者から中級者まで幅広く楽しめそうな内容になっています。

 

Kastleシリーズが“次のレベル”に進化

Wave Bardは、人気だった「Kastle Drum」や「Microgranny」からインスピレーションを受けているものの、それらの後継機ではなく、完全新作として開発されたサンプルプレイヤーです。ユーザーが自由にサンプルをアップロードできるほか、ステレオ再生、エフェクト機能、同期性、パッチの自由度が大幅にアップしています。

コンパクトな本体は USB-Cまたは単三電池3本で動作。Sync in/outやステレオ入力もあり、外部機材との接続でジャムを楽しむのにも最適です。

 

 

“半自律的”に動くパターンジェネレーター

Wave Bard最大の魅力のひとつが、内蔵のパターンジェネレーターとLFOを活用した、“半自律的”なリズム生成。

「半自律的」というのは、自分で勝手に動きながらも、ある程度こちらの操作やコントロールができる、という意味です。

Kastle 2 Wave Bardでは、LFOやパターンジェネレーターが内蔵されていて、これらが自動でリズムやパターンを生成してくれます。つまり、何もしなくても音が出てくる状態を作ることができます。でも完全に自動ではなくて、ノブを回したり、パッチケーブルをつないだりすることで、その動きをリアルタイムで変化させたり、方向性をコントロールしたりできるんです。サンプルを逆再生したり、アタックやディケイを調整できる「Lengthノブ」もユニークで、ライブ感ある音作りが楽しめます。

 

音づくりの幅も広い!

±2オクターブのピッチ調整に加え、スケール(音階)を量子化してメロディ的な演奏も可能。さらに内蔵フィルターやディレイ、コーラス/フランジャーなどのエフェクトで、コンパクトながらしっかりとしたサウンドデザインができます。

サンプル管理と互換性

1バンクあたり8サンプル、6バンクが初期搭載。専用ウェブアプリを使えば最大32バンクまで拡張でき、モノラルで最大89秒(ステレオで44秒)のサンプルを扱えます。

また、Bastlの「Kastle 2プラットフォーム」であるFX Wizardとのファームウェア互換性もあり、Wave BardのOSをFX Wizardに入れたり、その逆も可能です。

 

価格と発売情報

「Kastle 2 Wave Bard」は現在、190〜192ユーロ(税込)で販売中。Superbooth 2025で展示される予定とのことです。

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Erica SynthsとInfinite Digitsによるローファイ・サンプラー「Pikocore XL」が、2025年5月6日に発売されます。

オリジナルのPikocoreは、開発者Zack Scholl(Infinite Digits)によるDIYガジェットで、ポケット電卓のようなコンパクトな見た目と、Raspberry Pi Picoを使ったユニークな音作りが話題を呼びました。

そのPikocoreが、Erica Synthsの手で\”XL\”バージョンへとアップグレード。筐体はアルミ製に、インターフェースは演奏性を高めたレイアウトになり、よりライブでも扱いやすい仕上がりとなっています。元のPikocoreと機能自体はまったく同じ。DIYキットとして販売され、自分の手で組み立てて使う楽しさもしっかり残っています。

ビデオを見たところ、かなり盛り上がっている様子が伺えます。(下)

 

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