ゲートリバーブは、1979年にフィル・コリンズとサウンドエンジニアのヒュー・パドガムが偶然生み出したもの言われています。リバーブの残響音をゲートで人工的にカットすることによって、鋭いエッジの効いたサウンドが生み出されます。特にゲートリバーブのかかったスネアドラムは世界的に大流行し、まさに80年代を象徴するサウンドだったわけです。日本のアイドル歌謡なんかにまでも影響を与えていました。

そんなレトロ感漂うゲートリバーブではあるのですが、近年、シティポップなど80年代テイストが再評価されていることもあってか、このゲートリバーブサウンドに新鮮味を感じる若者も増えているのだとか。そんなトレンドを受けてか、英国の名門Solid State Logic社がゲートリバーブに特化したプラグインを発売しました。

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1989年製のWaldorf 社のシンセMicrowaveがプラグイン化されました。これは単なるヴィンテージ機材のプラグインエミュレーションではありません。Waldorfは、オリジナル機のアナログ面とデジタル面の両方を再現するために多大な努力を払い、さらには、もしオリジナルのハードウェアを持っているなら、それをエディターとして使用できるソフトウェアまで構築しました。

現在私たちが知るウェーブテーブルシンセサイザーは、PPG Wave(1979年)というシンセの影響を多分に受けています。WaldorfはPPGの技術と従業員を引き継ぎ、その結果として1989年にMicrowaveが誕生しました。これはデジタル/アナログのハイブリッドで、デジタルサンプリングされたウェーブテーブルが、アナログVCAエンベロープとVCF(フィルター)セクションを通して処理され、クラシックで暖かみがありながらも非常に複雑なサウンドを生み出します。2ユニットのラックモジュールとしてMicrowaveは当時価格約30万円販売されました。

Microwaveは非常に強力なサウンドを生み出すシンセですが、多くの機能が悲惨なインターフェースデザインに閉じ込められています。Waldorfが唯一正しく行ったのは、大きくて美しい赤いノブを配置したことで、このノブのおかげでハードウェアは一目でわかる。当時サンレコを読んでいた人なら、きっと記憶にあるに違いありません。microwaveは当時の最悪のインターフェイスのデザイン流行を取り入れてしまったが故に、見た目は洗練されてはいたものの、とにかく操作が難しくなってしまったのです。

新しいMicrowave 1プラグインは、Waldorfがこれらの欠点をすべて解消したかのようなシンセに仕上がっています。このソフトウェアのインターフェース自体は革新的ではありませんが、すべてのパラメータにアクセスできるようになっています。ノブがずらりと並んでいるだけでなく、ウェーブテーブル、エンベロープ、フィルター応答曲線の視覚化も可能です。さらには、ウェーブテーブルを直接編集することもできます。

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8月17日、ドイツの首都ベルリンで「Rave The Planet」が開催されました。この野外テクノパーティーは、1989年に始まった伝説的な「Loveparade(ラブパレード)」の精神を受け継ぐイベントです。大型スピーカーを搭載したフロートが大音量の音楽を流しながら進む中、およそ20万人の参加者たちがスパンコールや羽根のボア、露出度の高い服など、思い思いの装いで行進し、ベルリンの象徴であるブランデンブルク門周辺は音楽とダンスで賑わいました。

「Rave The Planet」は単なる音楽イベントではありません。主催者側は、このイベントを「文化政治的なデモンストレーション」と位置づけ、エレクトロニック音楽やクラブ文化の、社会的、文化的価値を主張しています。今年のモットー「LOVE IS STRONGER」は特に重要な意味を持っており、COVID-19パンデミック、社会の分断、政治的極端主義、戦争など、近年の困難な状況を踏まえ、人種差別、性差別、能力差別、クィアフォビア、反ユダヤ主義、宗教差別、年齢差別など、いかなる差別をも排除した愛と団結の力を強調しています。

「Rave The Planet」は、テクノ音楽、ストリートカルチャー、そして文化的表現が交差する、現代のベルリンを体現するイベントです。音楽の楽しさだけでなく、文化の多様性や表現の自由を祝福する、ベルリンの都市文化を象徴する一大祭典となっています。

 



 

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今週水曜日からドイツ・フランクフルトで開催するMusikmesse 2018にて、イギリスのシンセメーカーExodus Digital がバーチャルアナログシンセValkyrie(ワルキューレ)を発表します。Valkyrieは、8マルチティンバー、各ボイス10オシレーターまでの使用が可能、2ボイス合体で20オシレーターの使用が可能、各マルチティンバーは9種類のエフェクトモジュールの使用が可能、4アウトプット端子を搭載するなど、かつてのバーチャルアナログブーム最盛期を思わせるボリューム感たっぷりのデスクトプップシンセ。価格、発売日など、詳細はのちほど報告します。

 

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MASCHINE 2.7.1 レコーディングモードに「LOOP」追加されました。

MASCHINE 2.7.1 レコーディングモードに「LOOP」追加されました。

 

Native Instruments MASCHINE のバージョン2.7.1がリリースされました。MASCHINE 2ソフトウェア 登録ユーザーはいつものようにNative Accessより無償ダウンロードできます。

前回のアップデート(2.7)で待望のAudioプラグインが導入され、オーディオファイルのプレイが可能になったMASCHINEですが、今バージョン2.7.1ではループモードでオーディオのレコーディングができるようになりました。シーケンサーを止めることなく次々とループレコーディングできるので、ライブをしている人にとっては特に重要な機能です。

レコーディングのスタート位置はパターンに合わせて自動的にクオンタイズされるのでループのサイズはいつも正確です。レコーディングが終了すると自動的にプレイバックが始まります。MASCHINEと繋がっている外部MIDI音源のレコーディングだったり、MASHCINE内で立ち上げているプラグインのサウンドだったり、マイクの入力でもなんでも、軽快にループレコーディングができるようになります。

さらに、もう一つこのAudioプラグインに新しい機能が追加されました。LOOPモードを選択している際に波形をダブルクリックすると、オーディオのプレイバックをオン/オフすることができ、ハードウェアコントローラのSTEPからも同じ操作ができます。つまりこの機能によって、MASCHINEに一曲まるごとのファイルや、Stemsファイルなどを入れていまい、MASCHINEのその他諸々のサウンドと一緒にミックスすることができるようになるわけです。

 

そのほか2.7.1の追加機能

MASCHINE mk3 アップデート。Ideas Viewの表示が可能になりました。4方向のプッシュエンコーダーでセレクト・ナッジ ・ピッチシフト・ノートレングスの変更などエディットが行えるようになりました。

MASCHINE mk3 とMASCHINE STUDIO でLOGIC PROのミキサー画面にアクセスできるようになりました。パンの設定、ミュート/ソロ、プレイ、ストップ、レコーディング、クオンタイズ、アンドゥ/リドゥー、オートメーションのトグル、タップテンポ、ループトグルなどの操作ができます。

 

MASCHINE

 

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ROLANDは1983年のドラムマシンTR-909のプラグインソフトウェアをリリースしました。本ソフトウェアはRoland Cloudバージョンとしてリリースされたもので、個別には販売されません。Roland Cloudは月額2265円(年間23100円)払うことによってROLANDのプラグインソフトウェアを通常のプラグインと同じように使えるようになるサブスクリプション方式のサービスで、現在カタログにはおよそ30のプラグインが用意されています。先月はTR-808のプラグインソフトウェアが追加されたばかりです。SH-101もある、SH-8もある、JD-1080もある、JUNOもJUPITERもある、かなりの充実度です。

 

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