いよいよ11月1日に発売になるNative Instruments Maschine StudioとMaschine ソフトウェア2.0。
まずこのMaschineがどういうものかもう一度簡単に説明すると、Maschineはソフトウェアとハードウェアコントローラが一体になった「グルーブプロダクションツール」で、もっと簡単に言うと「サンプラー・ドラムマシン」といったところでしょうか。付属するサウンドライブラリーはドラムサウンドがメインではありますが、それ以外のサウンド(ベース、シンセ、サウンドエフェクトなど)も含まれ、特にダンス系の音楽制作に強い内容となっています。もちろんサンプラーとして使うこともできるので、お気に入りのレコードをサンプリングして、スライスして、演奏することも可能です。
Maschineはコンピューターソフトウェアがベースとなっており、スタンドアローン・AU・VSTプラグインとして起動でき、これまでのDAWソフトウェアを使ったワークフローを損なうことがないのが一つの魅力です。それと同時に、このハードウェアコントローラを使った操作がとても柔軟で、コンピューターを見ることなしでも操作できるパフォーマンス指向の強い楽器でもあります。
Maschine Studio
11月1日に発売されるMaschine Studioですが、まずこれは大型コントローラとソフトウェアの新バージョンMaschine 2.0がパックになっている製品。
数時間さわったのみの印象ですが、コントローラはこれまでのサイズよりも遥かに大きくなっており、思った以上に重さが軽いのに驚きました。パッドのクオリティはMaschine mk2と同じような印象で、光る色の種類も同じく16種類です。
特に目を引くのがカラーディスプレイで、iPhone のようなタッチディスプレイではないものの、プロジェクトの全体像が見渡せることができたり、Maschine2.0から搭載されることとなった「ミキサー機能」を表示させることができるのは一つのメリットです。NI KompleteやMaschine Expansion などの拡張音源もジャケットのようにカラー表示され、気分はかなり高揚します。(すべてのNI 製品はアップデートが必要)
Maschine mk2ユーザー個人として特に嫉妬するのは、本体右上にあるレベルメーターで、ここでアウトプット・インプットのレベル調整ができます。これまでのMaschineコントローラではレベルメーターを見ることはできず、コンピューター内の表示にたよってしまうところです。
その他、ボタン数もこれまでよりも多くなっているのでシフトキーを押すことなく操作することができたり、ジョグホイールをつかってキットやサンプルの読み込みができるのはやはり便利です。本当の意味で「コンピューターを見ることなく操作できるコントローラ」を意図して作られた製品のように感じます。
価格は¥104,800
Maschine 2.0
大きくバージョンアップしたMaschine ソフトウェア2.0。これまでのMaschineユーザーは有償アップデート($99)することができます。MASCHINEあるいはMASCHINE MIKROを2013年10月1日~11月1日の間に購入したユーザーは、無償でダウンロードすることが可能。
アップデート後、Maschine 2のフォルダーは新たに作られ、Maschine 1はそのままハードディスクに残ります。Maschine 2に使い慣れるまでの間はひとまずキープしておくのがいいでしょう。また、Maschine 1 で作ったプロジェクトファイルをMaschine 2で読み込むことも可能になっています。
これまでのコントローラ(1世代目+2世代目ともに)を使用することも可能で、Maschine 2の内容に合わせた表示方法になっています。また、機能が多くなっている分、シフトキーを使った新しい操作も覚えなければなりませんが、愛着のあるコントローラをそのまま利用できることで、ひとまず胸をなでおろしている次第です。
またMaschine 2.0のサウンドライブラリーも新たに付属し、およそ2220のサンプル、110のサウンドキットが追加されることになります。
加えて、付属するプラグインはNI Massive、Prism(パーカッションシンセ)、Solid Bus Comp compressor、Scarbee Mark I (エレクトリックピアノ)
ということで、今回は数回に分けて、「Maschine 2.0 ソフトウェアのこれまでとの違い」を見て行きたいと思います。
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Native Instrumentsは本日MaschineのニューバージョンであるMaschine Studioを発表。大きくなったコントローラは二つのカラーディスプレイ、光るジョグホイール、レベルメーターを装備。ボタンの数も多くなっている。これならコンピューターを見ることなくプレイすることができるはず。まるでDAWソフトウェアのコントローラかのような豪華ぶりですが、あくまでもMaschineはグルーブ製作のためのソフトウェア+ハードウェア。11月1日からのリリース、価格は$999
また、Maschineソフトウェアのバージョン2.0も同時に発表。新たに書き直されたオーディオエンジン、Maschine 2.0 は遂にマルチコアプロセッサーに対応し、快適なコンピューター動作が期待される。ユーザーインターフェイスもリニューアルされているほか、たくさんの機能が追加。Maschine 2.0はこれまでのハードウェアでも使用することが可能、アップグレード価格は$99。付属するソフトウェアはNI Massive、Prism、Solid Bus Comp、Scsrbee Mark 1 。本日以降のMaschine(microも含む)購入者は無償でソフトウェアアップグレード可能。
MASCHINE 2.0
• Completely re-built software (new audio-engine, multi core support) with the same established basic workflow
• New GUI
• Mixer (with collapsible sections: I/O, plug-ins, sends) 目で見ながらバランスがとれるんですね
• Plug-in Strip
• Unlimited Groups これまで8つしかなかったグループが無制限になりライブで使用する人にとっては嬉しい話
• Unlimited Effect slots サードパーティ製プラグインも含め、インサートできるエフェクターの数が無限大に
• New visual, tag-based Browser タグでブラウズすることが可能
• 5 Drumsynths (Kick, Snare, HiHat, Tom, Percussion) 新しいドラムシンセ
• Side-chaining Maschine ユーザーフォーラムでもっともリクエストが多かった機能が遂に
• Improved step sequencer
• Gate function for Note Repeat
• Cue bus ライブで使用する人にとっては嬉しい話。ヘッドフォンで試聴することができるわけです
• Multiple Sound selection and editing
• Multiple Group selection and editing
• Improved MIDI handling and parameter mapping
• Macros on all Sounds, Groups and Master
• New Pad Link concept
• Overlapping slices & zero-crossing detection
• Improved sample mapping
• Improved routing
• MIDI file import
• Feedback mode for Compressor effect
• New Plate Reverb effect
• Auto-follow mode for Patterns and Scenes
• Timeline-based Arranger
• Customizable Metronome
• Improved looping functionality
• MASCHINE STUDIO support これまでのMaschine ハードウェアでも使用可能
• Advanced Undo
• MIDI Program Change for VST/AU plug-in presets
• Record Prepare mode
• Pad view
• Expanded factory library (+2GB)
• full versions of MASSIVE, PRISM, SCARBEE MARK I, and the SOLID BUS COMP
AKAI MPCのスリムバージョンMPC Elementが登場。iPadコントローラMPC Fly と同じようなデザインになっていますが、こちらの方はコンピューターと接続するためのコントローラとなっています。
MPCソフトウェアの方もスリムバージョンになっており、1GBのサウンドライブラリーが含まれています。(本家MPC Renaissanceには3GBのライブラリー)
ハードウェアの方はおなじみのMPCクオリティの4×4のドラムパッド(ベロシティ対応)。フェーダーやノブは付いていませんが、ノートリピートや16レベル調整のスイッチが付いています。スタンダードMIDIにも対応しているので主要ソフトウェアのコントロールも可能。MIDI IN/OUT端子も付いているので、外部MIDI音源のコントロールも可能になります。「1/8-インチ to 5-pin MIDIケーブル」付属
10月発売予定 価格 €179
ビンテージドラムマシンといってまず思い浮かべるのはRolandのTR-808やTR-909。外国人のテクノミュージシャンと話をしていて大概話題になるのがこの辺りなんですが、日本産のマシンがこれほどまでに世界的に評価されているのは本当に素晴らしいことだと思うのですが、しかし考えてみるともう10年近く、いや20年近くも同じ話題を繰り返しているのかと思うと辟易とした気持ちにもなります。ではどうしてTR-808 mk2のようなものが作られないのか?というのは消費者としての単純な疑問ではあるのですが、「アナログ」という過去のテクノロジーには振り返るべからずという企業方針が存在することも一つの事実のようです。 そんな中、「日本メーカーKORGがアナログドラムマシンを発表」というニュースが飛び交ったのは今年2月に行われたドイツ・Musikmesseでのこと。復刻版とは違い、「Volca」というこれまでのKorg製品とは打って変わったユニークなネーミング、それも2万円を切る値段ということで世界中のテックフリークが驚嘆したのは記憶に新しいところです。そして遂に6月下旬に遂に発売となったVolca Beats。はたしてVolca Beatsとはどのようなドラムマシンなのでしょうか?!
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Native Instruments Maschineの拡張音源シーリーズ「Maschine Expansion」の第10弾となる「Helios Ray」を試してみました。
この「Helios Ray」はコズミックがテーマになっており、ヒップホップ、ブロークンビーツ、ハウス、ディスコ、ニュージャズ、ラテン、などの要素を含んだサウンドが収録されているとても興味深い音源です。ではまずはNIによるデモトラックを聞いてみてください。
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Sonic Chargeはドラムマシン・ソフトウェア Micro Tonicのバージョン3.1をリリースしたばかり。
Micro Tonicは8トラックのシーケンサー・ドラムマシンで、それぞれのサウンドはオシレーターとノイズジェネレーターから作られるシンプルなシンセシス。重厚なキックサウンドを作るにはやや難しいところはありますが、スネア・ハット・パーカッションなど、刺激の強い音からユニークな音まで、幅の広いエレクトロニック・サウンドを作ることを得意とします。サンプルはいっさい使用しないので動作が軽いのもナイス、操作も一度慣れてしまえば簡単です。
通常のパターンシーケンサーとしてだけでなく、即興的に演奏を楽しむことのできる機能も多く備えているのがこのソフトウェアの特徴。
もっとも気に入っている機能は「Sound Morph」で、クロスフェーダーの右チャンネルと左チャンネルにそれぞれ違ったパラメーターを記憶させることができる、Elektron Octatrackでもおなじみの機能。右チャンネルには長いディケイの設定、左チャンネルには短いディケイの設定など、アイデア次第では今まで聞いたことのないような斬新なフィルインやグリッチエフェクトのような効果を作ることができ、演奏することが楽しくなります。
「Edit All」機能は、一つのパラメーターを動かすと、8トラック分すべてのパラメーターも同時に動かすことのできる機能。
「MIDI drag」機能もとても便利です。NI Maschineでもおなじみの機能ですが、Micro Tonicで作ったMIDIシーケンスパターンをDAWソフトウェアにダイレクトにコピーすることができるもので、別のプラグインソフトを使ってアイデアをさらに膨らませたい時に役に立ちます。
さらに、このMicro Tonic 3.1は64bitに対応したほかに、外部MIDIコントローラからの操作やMIDI CCを使ったパターンエディットにも対応するようになりました。早速のことでとても嬉しいのですが、iPadコントローラLemurのユーザーライブラリーにはMicro Tonic 3.1専用テンプレート「mTonic Lemurized」が発表されており、これを使えばiPadからの操作をすることができるようになります。
見た目からしてもかなりのプロフェッショナルなテンプレートなのですが(画像下)、これを使用するとマウスを使ってソフトウェアを操作するよりもだんぜん直感的な操作をすることが可能になります。シーケンスパターンを自動的に生成してくれる「Pattern Operation」は特に便利です。両手で操作することができるのもかなり良いです。
http://liine.net/en/community/user-library/view/396/
まだMicro Tronicのサウンドを聞いたことのない人は公式サイトよりどうぞ。通常価格$99、3週間トライアルバージョンあり。