ウェーブテーブル音源という現在のデジタルシンセサイザーの基本となる音声合成方法を発明し、デジタルシンセの父とも呼ばれている重要人物Wolfgang Palm氏。1982年に発売されたPPG WAVE2は世界初のウェーブテーブル音源搭載のシンセサイザーで、その後のシンセサイザーの開発にも大きな影響を与え続けているシンセサイザーの名機。またタンジェリンドリームという数多くの伝説を残すドイツのプログレッシブバンドのためのモジュラーシンセをデザインしていた人としても有名なWolfgang Palm氏は、昨年iPadアプリPPG WaveGeneratorをリリースし、再びシンセサイザー界での大きな注目を集め始めている。そして2月上旬に、次のプロジェクトとなるiPadアプリPPG Wave Mapperをリリリースしたばかり。

このWave Mapperの大きな特徴となるのがTime Corrected Sample (TCS) とよばれるまったく新しい音声合成システム。「ウェーブテーブル音源」と「サンプル音源」の中間あたりのものと考えるのがいいらしい。

「ウェーブテーブル音源のはサウンドを柔軟にコントロールすることができることであるが、倍音を生成することが比較的難しく、ノイズが少ないサウンド。一方、サンプル音源は、すばらしいサウンドのクオリティがあるのだが、サウンドそのものを加工していくことには制限がある」

つまり、このTime Corrected Sampleによって、かつての音源よりも幅の広い種類のサウンドが作れるようになり、同時に、サウンドをもっと大胆にエディットすることが可能になるようだ。

 

と、あれこれ説明するよりも実際にどんなサウンドなのか聞いた方が早いでしょう。まずはWolfgang氏によるインストラクションビデオをまずどうぞ。

 

確かに理屈はとても難しいのですが、そんな複雑なこともiPadのスクリーンをスワイプしているだけで実験的な音作りが可能なのがこのWaveMapperのすごいところでもあります。

8つのモジュラー、これらをMappingしていきながら新しいサウンドを作っていくことが出来る

 

ますそのメインとなるMapping画面。8つの「モジュール」をパレットのような形をした32個の「プログラム」の中に配置しサウンドを作っていきます。

モジュールとは (青)オシレーター×3 (赤)フィルター (緑)アンプ (灰色)ノイズ (紫)オシレーターのパラメーター (オレンジ) LFO を意味したシンセエンジン。そしてプログラムにはシンセサウンドやアコースティック楽器などといったものが用意されており、たとえば、「ピアノサンプルのオシレーターをドラムのエンベローププログラムに入れ、ストリングスのエンベローププログラムをつかってモジュレーションをかける」といったような複雑なことも可能になるわけです。また、各モジュラーのパラメーターをエディットすることももちろん可能で、特にエンベロープやLFOのエディットによってサウンドが激変することにも驚きます。

オシレーターのエディット画面

 

ユーザーのライブラリーからのサンプルを読み込むことも可能。多くのユーザーがすでに不満をこぼしているように、iTunesのファイルシェアからの読み込みはやや面倒ではありますが、たとえば自作のドラムループやフレーズのオーディオファイルを読み込ませ、様々なモジュレーションをかけてみると他のエフェクターではありえないサウンドに大変身するので、ぜひお試しを。

サンプルのアナライズ画面

読み込んだファイルは左上のフォルダーアイコンをさわると表示される。サンプルはTime Corrected Sample (TCS) 方式でもWave Table (WT) 方式でもセーブすることが可能。

またバージョン1.0.1よりAudio Copy/Paste機能が追加され、他のアプリで作ったサウンドをWaveMapperに取り込むことができるようになった。(Animoogで作った音をここに持ってくるなど。)Audio Copyしたファイルはアナライズ画面右上の矢印をさわるとPasteを選択することが出来る。

アルペジエーター、簡易シーケンサー装備、10分間のレコーディング、AudioBusなどにも対応。そのほか書ききれない機能が山ほど。

不満は、マニュアルがウェブページに掲載されてなく、アプリ上で開く小さく(英語)もののみ。操作に慣れるまでにはやや時間がかかるかもしれません。しかしそれだけ奥の深い本格的なシンセサイザーであるということは確かで、特にシンセサウンドを自分でマニュピレートしたいと思う人はぜひ。できれば大きなスピーカーに接続して新しいコンセプトのサウンドを楽しんでみてください。

 

価格たったの1700円のプロフェッショナルシンセサイザー!

 

App Store

Wolfgang Palm

 

▪New Sound map concept – create new sounds playful and experimental
▪3 types of synthesis – the optimal type for kind of each sounds
▪Classic wavetables – for the typical PPG sounds
▪Time compressed samples – more authentic sounds, allowing analysis of user samples
▪Pure samples – classic sample playback Analyzer – convert your own samples into the new format or into wavetables
▪3 oscillators capable for totally independent sound sources
▪90 sound resources – a huge sound palette, from real instruments to abstract wavetables
▪4 parameter editor pages – comfortable and detailed access to all the parameters
▪3 Noise generators, for audio and modulations
▪Ringmodulator
▪Classic 24 dB Lowpass Filter, combined with an overdrive simulation.
▪Dual amplifier, for versatile control of 2 audio signals as well as panning.
▪13 Envelopes, for independent control of pitch, waveform, filter and noise
▪gain and panning
▪4 LFOs – with 5 waveforms
▪Delay/Reverb effect
▪Arpeggiator
▪Schematic touch keyboard – Build your own keyboard, with the keys you prefer for your music.
▪Powerful sound browser – sorting by category, bank management
▪Virtual and Hard-MIDI in/out – sending/receiving keys and controllers.
▪Audiobus support.
▪10 min audio recording and Audio copy.

 

 

 

 

 

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