この夏に発売されたばかりのコルグVolca Keysはループシーケンサー付きのアナログシンセ、それも3オシレーター+アナログフィルター付きののポリシンセです。使用してから数週間、まずは結論から言ってしまえばかなりナイスです。

ランチボックス程のサイズは可愛らしく、あれこれと並ぶ机の上でも邪魔にならない。そして何と言ってもアナログポリフォニックにしてこの値段(およそ¥14,000~)はやはり魅力的で、気分的にもプレッシャーになりません。それでいて面白いサウンド、面白いパターンが作れる、操作も簡単となれば、愛さずにはいられないのです。

 

  • サウンド

まず、本体左側にある二つの大きなノブ。上のVoiceノブを回すとPoly(3音の和音演奏)/Unison(単音演奏)/Octave(オクターブ演奏)/Fifth(5度演奏)/Unson Ring(リングモジュレーション単音演奏)/Poly Ring(リングモジュレーション和音演奏)の6種類のオシレーター動作モードを選択することができます。基本はノコギリ波が基本になっているようですが、Ringモードでは矩形波が加えられているようです。

臨場感のあるポリサウンドといった感じではなく、どちらかというとノイズ成分の多い歯切れのいい音が特徴で、リードサウンドからベースサウンド、ドローンなサウンドまで幅広い音作りを楽しむことができます。Volca Bassとは違ったサウンドキャラクターを楽しめます。

 

  • ディレイ

本体右側にある二つのツマミでディレイ・エフェクターのタイムとフィードバックをコントロールすることができ、Volca Keysのサウンドにスペースを与えることができます。このディレイは「Monotron Delay」と同じようなタイプのもので、低いサンプルレートのザラザラとしたサウンドキャラクターです。シンプルではありますが、プラグインエフェクターとは違ったワイルドさを楽しめます。Tempo Delayスイッチをオンにするとディレイスピードがテンポに同期します。MIDIコントロールも可能。

 

  • シーケンスパターン

他のVolcaシリーズと違ってVolca Keysのシーケンサーにはステップ入力機能が付いていないので、まずはメトロノームをオンにしてから鍵盤を使ってリアルタイムで演奏をしていきます。多重録音も可能なので、後から音を付け足すこともできます。特にポリモードを選択している時には後からピッチの違う音を付け足したり、和音を作っていくのが面白いです。

 

  • FLUX 機能

リ アルタイムで演奏して行くとタイミングがずれてしまうことも多々ありますが、Volca Keysでは録音したシーケンスにはクオンタイズをかけることができます(FLUX 機能オフ)。逆に、クオンタイズを必要としない場合、たとえば微妙なタイミングを作りたい場 合やグリッサンドのような演奏を録音したいような場合には、FLUX機能をオンにしておくとクオンタイズ無しの演奏が録音されます。個人的には、通常は FLUX機能をオンにしておき、緩いタイミングのパターンを録音し、再生する際にこの[FLUXスイッチ] をオフにしてみたり、オンにしてみたりするのが好き だったりします。

 

  • Motion Sequence 機能

ほとんどすべてのパラメーター(PEAK/OCtave/Voiceノブをのぞく)の動きを記憶することができるMotion Sequence機能はとてもパワフルで、他にはないオリジナルのパターンを作り出すことができます。[Motion Sequenceスイッチをオン]+[RECをボタン] を押したあとで、ツマミを回すとその動きが記憶されます。ツマミを回し始めてから1小節過ぎるとRECボタンは自動的に停止となります。[Smoothボタン] を押すと動きが柔らかくなります。

 

  • マルチタッチ鍵盤

Volca Keysのマルチタッチ鍵盤は通常の鍵盤に比べるとややサイズが小さいので、慎重に演奏したい時にはやや苦労します。せっかくの大傑作パターンを作っても、多重録音している際にほんの些細なミスタッチで台無しになってしまうことも(ちょっと大げさですが)。そんな時には[Funcボタン] を押しながら [Recボタン] を押すことで特定のステップを消去(Erace)することができますが、UNDOのような機能があったほうが、より良かったかもしれません。

 

 

  • テンポ設定

シーケンスの長さは他のVolcaシリーズと同様1小節のみですが、Volca Keysにはテンポ設定機能というものがあり、テンポ情報を1/2または1/4にすることができます。つまりは2小節・4小節のサイクルでの録音・再生が可能になるので、録音する時には1/4の設定にしておき、後から1/2や1/1のテンポ設定に変えてみるのも面白いです。

 

  • Active Step 機能

今回リリースとなったVolcaシリーズ3種共通の機能であるActive Step機能は、シーケンスの途中のステップを飛ばして再生できる機能です。特にライブパフォーマンス最中、パターンに変化を付けたい場合に活躍するでしょう。

 

  • MIDI

Volca KeysはMIDI信号を受信することができるので、外部MIDIキーボードを使って演奏することや、Volca Keysのパラメーターを外部コントローラから操作することができます。Volca Keysの場合は、PEAKとオクターブのMIDIコントロールは不可能となっていますが、それ以外のパラメーターの受信は可能です。Volca Keys MIDIインプリメンテーションチャート

 

  • 音色セーブ??

Volca Keysを使っていて特に不満を感じるのは、せっかく作った音をセーブできないところにあります。
(8つまでのパターンを記憶するメモリー機能はついていますが、作った音をセーブする機能は付いていません。)しかし、MIDI受信機能をうまく使うことでDAWソフトウェアに音色設定を記憶しておくことができるのでは????

そこで作られたのがMax for Live専用ディバイス「KORG Volca Keys Remote 1.0」(by Nerk2)で、Max for Live.comより無償ダウンロードすることができます。

 

これを使えば、Ableton Live SuiteからVolca Keysの14のパラメーターのコントロールをすることができるようになり、ホットスワップ・プリセットの形でサウンドを記憶しておくことができるようになります。特にライブパフォーマンス(実験的なライブパフォーマンスでないかぎり)あらかじめサウンドを用意しておいた方が便利なのはもちろん、パフォーマンス中に迷子になることもなくなります。Ableton コントローラPUSHを使えば、コントローラから直接プリセットを選択することもできる上に、パターン書き込みの際にSwing機能なんかも使うことができるのがさらに良いです。

Volca KeysのMIDI機能に制限があるので、Volca Keysすべてのコントロールができないのは残念ですが、それでもこのセーブ機能はかなりナイスです。セーブ方法は、ディバイス右上に表示されているセーブボタンを押すことで、Ableton Liveのユーザーライブラリーに記憶表示されることになります。(Volca Bass 専用ディバイスもあり)

さらに、この「KORG Volca Keys Remote 1.0」をMax for Live ディバイス「Device Randomizer」と組み合わせることで、Volca Keysのパラメーターを無作為に変化させることができるようになります。このDevice Randomizerの[Random]というボタンを押せばいいだけのことなんですが、思いもしなかったサウンド(本当に思いもしないナイスなサウンド)を発見することができます。

 

  • バッテリー

Volca Keysには単三電池が6本付属しますが、バッテリーアダプターは付属しません。オートパワーオフ機能が付いているので多少のエネルギー節約はできますが、やはりここはバッテリーアダプターも一緒に購入した方が得策でしょう。KORG専用(!)のアダプターが必要です。

  • ゲハ

使い方が乱雑だったのか、早くも [RECボタン] の表面のビニールがはげて来てしまいました。さわる回数が一番多いのは [FUNKボタン] のはずなんですけどね。[MIDI IN] の文字もうっすらと消えて来てしまっています。

他のVolcaと違ってVolca Keysのボタンは黒いので、ちっと目立ってしまいますが、使い込んでこその楽器。仕方ないか。

以上、簡単なレビューでしたが 、ビギナーからアドバンスの人まで楽しめるVolca Keys。書き忘れてましたがSyn in /out 端子が付いているので(同期ケーブル付属)、これを他のVolcaシリーズやMonoteibeとつなげて同期演奏させるのももちろん楽しいです。

これからのコルグの活躍にますます期待が高まるわけですが、できればVolcaシリーズのアナログシーケンサーなんかあったら面白かな、、と思ったり。

 

KORG

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です