NI Maschine のサンプルスライス機能はサンプルを切り分け(スライス)、パッドやキーボードに割り当てることができる機能で、パッドを叩 いて各スライスを演奏することが可能となります。かなり昔に「Recycle」というソフトウェアがありましたが、Maschineのスライス機能はその「Recycle」の機能を網羅し、(当然ではありますが)だんぜん便利なものとなっています。Maschine 2.0からの新機能ではありませんが、もう一度サンプルスライスの方法をさらっておきたいと思います。

 

1.   たとえば、市販されているサンプルライブラリー(ドラムループ)をスライスしてみることにしましょう。おそらくサンプルライブラリーはみなさんのコンピューターHDの中にすでにたくさん用意されているでしょう。サンプルをMaschineに読み込む方法はとても簡単で、ファイルをパターンエディターにドラッグ&ドラップするだけ。(画像下)

 

2.   ここでサポートされているフォーマットはWAV.とAIFF.のみです。MP3のような圧縮フォーマットはサポートされていないので、MP3を使いたい場合は事前に変換が必要になります。もしくは、ダイレクト変換を可能にするSnapperのような便利なユーティリティもあるので、興味ある人はチェックしてみてください。

また、リリースされたばかりのMaschine 2.0.2 では44.1 KHz以下のサンプルレートのファイルをスライスした時に起こるクラッシュ問題が解決されています。

3. サンプルの読み込みが完了すると、サンプルエディターにはサンプル波形が表示されます。もしサンプルを短くしたい場合や、不必要な部分を取り除きたい場合は「Truncate」しましょう。

コントローラのパッドをたたくと、サンプルの音を確認することができます。もしサンプルが長過ぎて途中で音を止めたい時には、コントローラの [Shift] +[MUTE]で音が止まります。

4.  サンプルスライスをするためのページ「Slice」に入ります。

「Slice」ページでは読み込んだサンプルがすでに4分割され、同時に、4つのスライスがコントローラの4つのパッドにも割り当てられていることが確認できます。

5.  スライスの数を増やしたい場合は、画面下の [SLICES] で数を増やすことができます。設定値は4から32

6.  このスライスを微妙に編集したい場合、たとえばもっとスライスを長めにしたい場合などは、[S]スタートポイントと[E] エンドポイントを調節することができます。手動でスライスポイントを入れたい場合は [SLICE] ツールを使ったり、スライスポイントを取除きたい時には [ERACE] ツールを使うことが出来ます。

7. スライスの設定が終わったら、これをMIDIマッピングしなければなりません。画面右側の [APPLY] ボタンを押しましょう。

8.  すると、[キーボードモード] にこれらのスライスが自動的に割り当てられることになります。ここでMIDIノートを書き換えれば、変形パターンを作ることも可能になるわけです。

9. スライスの方法には [Split]  [Grid]  [Detect]  [Manual] の4種類の方法があり、例に挙げたような規則的なドラムループであれば [Split] モードが一番便利だと思いますが、変則的なテンポのファイルをスライスしたい場合は [Detect] モードが便利です。これはサンプルのピーク値を検出するもので、[Sensitivity]値を上げると、スライスはより細かくなります。特にフレーズサンプルをスライスしたい時には便利なものとなります。

 

 

 
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