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Native Instrumentsは本日、楽曲制作&パフォーマンスシステムMASCHINEの新機種となる『MASCHINE JAM』を発表しました。

MASCHINEは、ソフトウェアとハードウェアコントローラが一体化したグルーブマシンです。制作にもパフォーマンスにも使えるMASCHINEは、2009年に初代機種が発売されて以来エレクトロニックミュージックにおける重要機材の一つとなっています。

今日発表になった『MASCHINE JAM』は、これまでのMASCHINE STUDIO、MASCHINE mk2、MASCHINE Mikroで見られたAKAI MPC的なワークフローとは一線を画し、8×8=64個のクリックパッドと8本のタッチストリップ・スライダーを搭載した新デザインのコントローラで、これまでとは違う角度からMASCHINEソフトウェアをコントロールします。

コントローラは新デザインですが、ソフトウェアはこれまでと同じMASCHINE 2 ソフトウェアを使います。こういった新製品の開発も業界初の試みなのではないでしょうか。

MASCHINE JAMにはハードウェアコントローラ、MASCHINE 2ソフトウェア、KOMPLETE 11 SELECT、コントローラを斜めに傾けることができるマウントスタンド、USBケーブルが付属し、価格49.800円。発売は9月26日から。

 

 

 

MASCHINEのパッドが64個に!

MASCHINE JAMの64個のマトリックス・クリックパッドは状況に応じて様々な機能に切り替わります。ソングモードではワンクリックでパターンやシーンにアクセスできたり、パターンの複製や消去も簡単に行え、様々なアレンジを試したり、ジャムを楽しむことができます。ステップモードではパッドをステップシーケンサとして利用し、1、4または8種類のサウンドを同時にコントロールできます。パッドモードは右下16個のパッドを使い、サウンドをリアルタイムで打ち込むことができます。ピアノロールモードはシーケンサを使いメロディ・コード・フレーズを作れる機能です。この機能に入るとコンピュータのスクリーンにはオーバーレイが表示され、パッドの配列の設定を行えます。キーボードモードはインストゥルメントに音階をつけて演奏できる機能で、64個のパッドでピアノ演奏したり、808系のキックでベースを演奏するようなこともできます。残念ながらパッドがベロシティに対応していません。

画像下 パッドモードを選択すると、右下16個のパッドを使ってリアルタイムorステップでパターンを打ち込める。

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画像下 ピアノロール・モードにすると、こんな感じでインストゥルメントの演奏ができる。

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MASCHINE JAMだけのユニーク機能

MASCHINE JAMには他のMASCHINE機種にはない機能が幾つかあります。そのうちの一つ、バリエーションエンジンは設定したバリューに応じてパターンを自動的に生成してくれる機能で、リズムパターンだけでなく音階のあるパターンも生成し、アイデアに行き詰まった時にの助けになるかもしれません。バリエーションエンジンを起動すると、コンピュータスクリーンにはオーバーレイが表示され、ベロシティの範囲やピッチの範囲、ノートの長さ、ノートの分布方法など4~6項目の設定を行います。設定後にApplyを押すと、一瞬にして新しいパターンが作られます。

例えばベースのようなインストゥルメントの場合、ピッチのの範囲をC0~C2あたりに設定しておけば、突拍子もないパターンが生成されびっくりしてしまう危険性はありません。

MASCHINE JAMだけの特別な機能その2、ヒューマナイザーは、すでに作ったパターンに揺らぎ(ずれ)を加える機能で、設定に応じてベロシティやノートの位置に微妙な変化をつけることができます。ステップシーケンサを使うとリズムが平坦に聞こえてしまうことがありますよね。そんな時にはヒューマナイザーをかけてみることをお勧めします。

画像下 バリエーションをエンジンを起動すると、コンピュータスクリーンに下の画像のようなオーバーレイが表示され、ここで設定を行うことができる。バリエーションとヒューマナイザーはModeで切り替えることができる。設定はコントローラの右中央にあるエンコーダを使って行う。

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新感覚コントローラSmart Strip

MASCHINE JAMの主要コントロールその2は、8本のSmartStripです。NIのKOMPLETE KONTROLキーボードやTRAKTORコントローラにも搭載されているSmartStripですが、MASCHINE JAMではミキサーとして音量、パン、AUX、マクロのレベルを操作する他、シンセパラメータのコントロールや、エフェクトのコントロール、ノート演奏ができます。

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MASCHINE JAMのSmartStripは次の3つの機能を行います。

1.Perform FX

MASCHINEソフトウェア2.5に搭載する新開発のエフェクトPerform FXを操作します。セレクトボタンを押すと、コンピュータスクリーンにはオーバーレイが表示され、8種類のエフェクト(filter、flanger、burst echo、reso echo、ring、stutter、tremolo、scratcher)を選択できます。選択したエフェクタは各グループのSmart Stripにマップされ、ストリップの上で指を滑らすだけで簡単に大胆なエフェクト操作を行えます。

Smart Stripはデュアルタッチに対応しているので、つまり2点タッチのコントロールができます。まずストリップに触れるとPerform FXが起動し、2番目のタッチで特定のパラメータを動かすことができ、指を離すとFXがオフになります。また、8本までのフェーダー(8グループ)を同時にコントロールできるので、両手を使って、派手なパフォーマンスをしたくなります。

 

画像下 グループミキサーにインサートされたPerform FX。詳細な設定はコンピュータスクリーンで行うことになる。

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2.ミキサー

MASCHINE JAMのSmartStripにはLEDライトが取り付けられ、音量やパン、AUXやマクロのレベルを確認、またはパラメータの操作を行えます。AUTOスイッチを押さえながらストリップを動かせば、オートメーションを書き込めます。

さらに、ロックという機能を使うと現状のセッティングをスナップショットとして記憶でき、パラメータをぐちゃぐちゃにいじった後でも元の状態にスイッチ一つで復帰することができます。特にライブ中、大きなブレイクを作るような時に重宝する、MASCHIE JAMだけに備わる強力な機能です。

 

3.ノート機能

各ストリップにノートをアサインし、ストリップの上で指を滑らしながらギターの分散和音ような演奏ができる機能です。同時にアルペジオ機能にロックをかけるとStripに触るだけでアルペジオ演奏ができ、妙に気分が高揚します。どのようなコードを設定するか、どのようなインストゥルメントをアサインするかによって、ものすごいパフォーマンスができる、そんな予感のするコントロールです。

 

 

 

膨大な量のサウンドが付属、MASCHINE ソフトウェア2.5 + KOMPLETE 11 SELECT

MASCHINE JAMにはMASCHINE ソフトウェア2.5とKOMPLETE 11 SELECTが付属、MASCHINE JAMを買ったその日から厖大な量のサウンドを手にすることができます。MASCHINE 2.5は9 GB分の訂正版ライブラリが付属、新しいサウンドと新搭載のPerform FX等を楽しむことができます。KOMPLETE 11 SELECTはNIの全11の製品のバンドルコレクションで、2.500以上のサウンドと25 GBに及ぶインストゥルメントとエフェクトが収録されます。

*KOMPLETE 11 SELECTに含まれる製品: MASSIVE、REAKTOR PRISIM、MONARK、THE GENTLEMAN、DRUMLAB、RETRO MACHINES MK2、 VINTAGE ORGANS、DISCOVERY SERIES: WEST AFRICA、SCARBEE MARK1、SOLID BUS COMP、REPLIKA

さらに、MASCHINE 2ソフトウェアの登録ユーザーで、新たにMASCHINE JAMを登録した人は、20のMASCHINE Expansionから好きなタイトルを2種入手できます。

 

 

 

Ableton Live コントローラとしてかなり優秀

MASCHINE JAMをMIDIモードにすると、DAWソフトウェアのコントローラとして使ったり、コンピュータと接続してあるMIDI機材をコントロールすることができます。その場合Control EditorというNIの無償アプリを使いMIDIマッピングの設定を行うことになります。

でも、Ableton Liveに限っては専用テンプレートが付属するので、すぐにコントロールを始めることができます。

驚くのはこのテンプレートの出来の良さなんです。

MASCHINE JAMは見ての通りAbleton LIveのレイアウトと似ている部分が多いので、理にかなったAbletonの操作を行えます。クリップのローンチ、トラックの選択、ミキサーの操作の他、パッドをステップシーケンサーとして使ったり、パッドのカラーをAbletonの設定に合わせて変えられるなど、まるでAbleton専用のコントローラさながらの円滑な操作ができます。

MASCHINEをAbleton Liveの中でプラグインモードとして使えば、MASCHINE JAMコントローラから二つのソフトウェア(MASCHINEとAbleton Live)を同時にコントロールできるわけです。

 

画像下 シフト+MIDIスイッチを押すとMIDIモードになる。MASCHINE JAMからMASCHINEソフトウェアとAbleton Liveを同時にコントロールできるようになる。

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MASCHINE mk2 とのコンビネーションが素晴らしい!

MASCHINE JAMはそのサイズ、その形からしてもMASCHINE MK2 コントローラと相性がピッタリです。2つのコントローラはバッチリと同期し、かなり奥深くまでMASCHINEソフトウェアをコントロールできます。例えばサンプル波形の編集や、ドラムの打ち込みはMk2が得意とします。MASCHINE JAMはノート演奏や、プロジェクト全体をコントロールする時にパワーを発揮します。

または、先にも述べたように、MASCHINE JAMのMIDIモードでAbleton Liveをコントロールし、MASCHINE mk2でMASCHNEをコントロールするようなセッティングも実用的です。

 

画像下 MASCHINE Mk2でMASCHINE ソフトウェアをコントロール、MASCHINE JAMでAbleton Live を操作するセッティングはかなりオススメです。

 

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MASCHINE JAMを使って思ったこと

MASCHINE JAMについて少し理解いただけたでしょうか?

私は2週間ほどデモ機をお借りして試させていただいたのですが、特に感激したことは、これまでのMASCHINEよりもワークフローが直感的になったことです。パッドの数が64になったのはAbleton PUSHの影響でしょうか?でもこのお陰でステップシーケンサーが充実し、実験的なパターンを次々と作ることができます。パターンやシーンにもワンクリックでアクセスできるようになり、これまでより直感的にジャムセッションを楽しんだり、リアルタイムですばやく様々なアレンジを試すことができるようになります。8本のタッチストリップは、ミキサーとして機能したり、新搭載のPerform FXを操作したり、リボンコントローラのように操作してノート演奏をするなど、これまのコントローラとは違ったユニークなコントロールができます。この先ユーザーがどのような使い方をするのかとても楽しみです。

MASCHINE JAM ハードウェア自体はとてもしっかりとした作りで、硬すぎず柔らかすぎず、個人的にはとても演奏しやすいように感じました。ハードウェアにスクリーンが搭載されていないのもMASCHINEコントローラとしては初の試みで、むしろ音楽とコントロールにより集中できる気がします。一つ難点を挙げるとするならば、音色をブラウズする際にはタッチ式のエンコーダと十字式のD-pad(昔のファミコンのコントローラのような形)を使うのですが、これがちょっと操作しづらいことです。

MASCHINE JAM はエレクトロニック音楽プロデューサーのための新しいインストゥルメント&コントローラです。このコントローラを通じて、もっとセッションやジャミングを行えるようになれば素敵ですね。

 

NI

 

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