Sequentialから新しい4ボイス・アナログポリシンセ Fourmが登場しました。読み方は「フォーラム」ではなく、「フォーエム」のようです。価格は1000ドル以下(米:$999 / 欧:949ユーロ / 英:799ポンド)。アナログポリシンセとしては手の届きやすい水準に設定されています。
このFourmは、Prophet-5の伝統を受け継ぐアナログポリシンセでありながら、鍵盤までもSequential自身が新たに設計した点が注目ポイントです。外部メーカー製に頼らず自社開発に踏み切ったことで、演奏感とシンセエンジンを密接に結びつけることに成功しているとのこと。
新しい表現力
Fourmがユニークなのは、アナログポリシンセとしては珍しい「ポリフォニック・アフタータッチ」を搭載していることです。
ポリフォニック・アフタータッチとは、鍵盤を押し込んだ後の圧力を「全体」ではなく「各ボイスごと」に検知できる仕組み。これにより、弦楽器のように指先で細かいニュアンスを加えることができます。
同価格帯でポリATを備えたシンセといえばASM Hydrasynthがありますが、あちらはデジタル・ウェーブテーブル型。一方のFourmはProphet直系の完全アナログシンセです。スリムな鍵盤での新しい演奏表現を、Sequentialはアナログ路線で形にしました。
主な特徴
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2基のアナログ・オシレーター
Prophet系の設計を受け継ぎつつ、新チップを採用。クラシックなトーンと安定性を両立。
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Prophet-5 Rev1/2由来のフィルター
4ポール・ローパスにベース補償を追加。フィードバック回路で歪み表現も可能。
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ポリフォニック・アフタータッチ対応スリムキー
Sequentialが自社開発。各キーでフィルターやピッチをコントロールでき、演奏表現を広げる。
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モジュレーション・マトリクス
Pro-One風のルーティングを採用。直感的に音作りが可能。
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シーケンサー & アルペジエーター
最大64ステップ対応。グライドや休符も設定でき、進化するフレーズを演奏可能。
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コンパクトで堅牢な筐体
37鍵スリムサイズ。スチール製シャーシで持ち運びやステージユースにも対応。
Sequential CEOのDavid Gibbonsは「ポリフォニック・アフタータッチ、フルアナログ、そしてこの価格を兼ね備えた製品は他にない」とコメント。
Prophet-5の伝統を継承しつつ、鍵盤までも自社開発するこだわりを見せたFourmは、新しい表現力を備えた注目のアナログシンセです。
最後に、実際のサウンドは言葉だけでは伝わりにくいので、ぜひ YouTubeのデモ動画 をチェックしてみてください。
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