Maschine 3.4 アップデート:地味だけど確かな進化、そして4.0への期待


Native InstrumentsのMaschineに、待望のバージョン3.4アップデートがリリースされました。

前回の大きな更新からかなり時間が空いていたこともあり、SNSやフォーラムでは「やっと来た」「Maschineチーム動いてたんだ!」といった声も上がっています。

ただ、実際の内容を見てみると、目立つ新機能というよりも、“使い勝手の底上げ”にフォーカスした堅実なアップデートという印象。

とくにMaschine 3ソフトウェアでは、オートメーション編集まわりがようやくDAWレベルに近づき、Maschine+ではスタンドアロン環境の安定性と柔軟性が向上しています。

制作の現場で毎日触っている人ほど、「あ、ここ良くなったな」と感じられる小さな改善が多いバージョンです。

 

Maschine 3 ソフトウェアの新機能と改善点

  • モジュレーションエディターが刷新

    描画エンジンが新しくなり動作がよりスムーズに

    ラインやポイントの視認性も向上し パラメーター変化をより正確にコントロールできるようになりました

  • 新ツールの追加

    以下の3つのツールが新たに導入され オートメーション編集の自由度が大幅にアップ

    • Curves(カーブ):Alt(MacはOption)+ドラッグでなめらかなカーブを描ける

    • Marquee Select(範囲選択):ポイントをドラッグで囲んで一括選択・編集

    • Pencil Tool(ペンツール):手書き感覚でポイントを描ける。グリッドONでステップ状のオートメーションも作成可能

  • Shift+クリックで複数ポイントを選択可能

    離れた位置のポイントもまとめて操作でき 細かいオートメーション編集が直感的になりました

  • Drag-to-EditとGrid-Snappingの改善

    ポイントを横や縦にドラッグして自由に動かせ グリッドに吸着して正確に配置できます

  • マウスホイールによるズーム操作

    Cmd(Mac)/Ctrl(Windows)+スクロールで モジュレーションやパターンエディターを拡大・縮小

    細部の調整がしやすくなりました

  • キーボードショートカットとカラー設定の拡張

    編集や選択 ズームなどの操作をショートカットで実行可能に

    トラックカラーも柔軟に設定でき DAW的な操作感に近づいています

 

長年Maschineを使ってきた人ほど この“操作の滑らかさ”の違いを実感できるはずです。

オートメーションを書くのが面倒だった人には嬉しいアップデートと言えます。

モジュレーションの描画がDAWレベルに近づきました。Alt(MacはOption)+ドラッグで、なめらかなカーブを描ける。


Maschine+ の新機能と改善点

Maschine+ 向けのアップデートは、派手な新機能こそないものの、スタンドアロン機としての完成度を高める堅実な改良が中心となっています。

    • Bounce-in-Place 機能を搭載

      トラックをその場でオーディオ化し、CPU負荷を軽減

      複雑なプロジェクトでも安定して再生できます。

    • Play Series の対応音源を拡大

      以下のインストゥルメントが新たにMaschine+上で動作します。

      • 24K Keys & Drums

      • Discoteca Keys & Drums

      • Empire Breaks

      • Duets

      • Feel It

      • Kontakt Factory Selection 2

    • 対応エフェクトも追加

      • Replika

      • Driver

      • Tape Wobble

    • Maschine+単体での制作環境が強化。

      バウンス機能と音源拡張により、ラップトップなしでも制作からライブまで完結しやすくなりました。


まとめ

Maschine 3.4は、派手さはないものの確かな改良が詰まったアップデートです。

DAW的な編集作業がしやすくなり、Maschine+ではスタンドアロン環境の完成度が上がりました。

筆者自身、かつてはMaschineを毎日のように使っていたヘビーユーザーでしたが、

最近はその進化の遅さに少し距離を置いてしまっていました。

しかしこうして少しずつでも改善が積み重なっていくのを見ると、やはり捨てきれない魅力を感じます。

Maschineはやはり独自のリズム感と手触りを持つハイブリッドマシンです。

次の「4.0」では、ハード/ソフト両面での再構築を期待したいところです。

Maschineという名前に、もう一度ワクワクできる瞬間が来てほしい!

 

Maschine 3



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